新規シーズの探索<br /> 東北大学には学内シーズ発掘に関するネットワークが構築されており、定常的に多くの支援希望シーズが集まっている状況である。その中でも独自の仕組みとして、メディカルサイエンスに関するイノベーションシーズを東北大学内から収集するメディカルサイエンス実用化推進委員会(PROMOT)があり、医学系だけではなく工学、金属材料、流体科学といった分野など全16部局によって構成されている。<br /> 学外については、既に開発推進部門を募集・相談の窓口として一本化し、センターホームページ内(http://www.crieto.hosp.tohoku.ac.jp/koubo/)で募っている。従来、東北5県の大学に対して毎年行ってきた支援体制に関する説明会を、平成30年度からはエリアを東北地方以外にも広げ、各大学への訪問のみならず、研究支援業務担当者を対象とした説明会を東京分室で開催する形で関東圏における学外シーズの探索を強化してきた。令和2年度からは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により説明会をWeb活用によるオンデマンド配信の形で実施したところ、Web開催によりエリアの垣根がなくなり、全国で参加施設を増やすことができた。<br /> 今後も東京分室における拠点の支援説明会に関東圏の参加施設を増やし、学外における更なるシーズ収集活動を強化、オールジャパンでのシーズ収集体制の構築を目指す。令和5年度も引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンデマンド配信を中心にしたシーズ探索を行いながら機関別の相談会等を増やし、確実なシーズ募集につなげることができた。<br />支援シーズの選定・評価<br /> 令和4年度より、募集するシーズの開発段階を明確化し、選考基準の見直しを行った。<br />応募条件とした開発段階および選考基準は以下の通りである。<br />【応募条件】<br />医薬品:化合物のスクリーニングが完了してヒット化合物が決まっており、研究期間でリード化合物の決定を目指すシーズ<br />医療機器:設計検証段階に入っており、研究期間で動物試験による評価・検証を目指すシーズ<br />体外診断用医薬品:標的物質を検出又は測定できることが確認できており、研究期間で評価・検証を目指すシーズ<br />再生医療等製品:培養方法、分化誘導方法が確立済みであり、研究期間内で小動物試験による評価・検証を目指すシーズ<br />令和5年度も上記の応募条件への適合性を3段階で点数化し評価した。<br />【選考基準】<br />➀革新性(ポテンシャル)、➁実用化可能性、➂応募条件への適合性<br />支援シーズの育成<br /> シーズA支援においては、主として最適な知財戦略の策定、特許出願前の先行技術調査の実施と特許出願のサポートによる実用化を踏まえた適切な知財権の取得、更にステージアップ等による実用化に向けた支援を行った。<br /> 各課題に対して原則として年3回以上の定期面談を実施した。年度初めの面談では研究内容の確認と進め方、知財戦略(研究進捗に応じた知財取得の方針)、また拠点の支援体制等を確認した。年度半ばの面談では研究進捗と具体的な特許出願の進め方を確認し、年度末の面談では研究成果と特許出願内容の特定、また次年度の進め方等の確認を行った。<br /> 拠点では各シーズの進捗管理については、シーズAは知財部門、シーズB、C等については開発推進部門で行っており、知財戦略、産学連携戦略、薬事戦略を含めた開発全体のロードマップ作成については、知財部門と開発推進部門が協働して作成し、両部門間の共通データベースで管理・運用する拠点内連携をとりながら、場合によっては外部データベースを利用し効率的な実用化支援に繋げた。また、シーズAの支援課題の中からもAMEDが主催するDSANJ等の企業マッチング、創薬ブースター等のシーズ支援への応募を積極的に進め実用化に向けて次のステップに繋がるように支援を行った。<br /> 上記の支援を進めるため、シーズ毎に知財戦略シートを作成しそれらを研究者と共有することで確実な進捗管理を行っている。知財戦略シートには研究進捗と知財戦略を併記するとともに先行技術調査の結果や企業マッチング等の実用化支援の進捗等についても記載する。上記の面談やその他必要に応じて随時行う面談を通じて当該シートを適宜更新し研究者と共有することで適切かつ成果に繋がる支援を行うことができた。