AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
高静水圧処理により脱細胞化した長期保存可能なブタ由来角膜実質再建足場開発
課題管理番号
21ym0126020h0001
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
事業名
橋渡し研究プログラム
タグ(2021)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/眼および付属器の疾患
代表研究機関
国立大学法人東京医科歯科大学
研究代表者
(2021) 岸田晶夫 , 国立大学法人東京医科歯科大学 , 生体材料工学研究所・教授
研究期間
2021年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 17,550
  • 2021年度
    17,550
研究概要(2021)
ブタ角膜の採取から脱細胞化、パッケージ、滅菌までの一連のプロセスについて、PMDAとの相談の結果を基に具体的な設計を試み、各工程で必要となる追加の検討について実験で検証する。動物実験によってプロセスの適否も検証する。また、製品規格についてPMDAとの相談の上、製品製造に必要な規格を策定する。 脱細胞化ブタ角膜の透明化の実現と高静水圧処理の滅菌法としての検証を行う。脱細胞化ブタ角膜の透明化については一定の成果を得ているが、PMDAとの相談によるプロセス改良、パッケージ法への適用など、最終製品候補の作成のための検討を行う。また、滅菌については放射線滅菌を予定しているものの、生体組織へのダメージを最小限にするために線量の低減かを目指し、高静水圧処理による滅菌の組み込みについて検討する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
本研究は、献眼システムに依存したヒト角膜移植片を代替可能な、長期保存安定性を有する角膜再生足場材料・デバイスを開発することを目的としている。2021年度は透明脱細胞化ブタ角膜の実用化のためのステップとして、下記の4項目について研究開発を実施した。非臨床試験パッケージを策定およびPOC取得に向けて、PMDAとの事前面談、対面助言を実施した。また、本研究成果に基づく製品開発に向け国内企業と連携した。

研究開発項目1:透明脱細胞化ブタ角膜の製造プロセスの検討
PMDAと対面助言に基づいて、製造プロセスで使用する核酸分解酵素(DNase)を「生物由来原料基準の運用について」(平成26年10月2日厚生労働省薬食審査発1002第1号)に従い、組換DNaseに変更した。それに伴い洗浄液の組成および洗浄期間の検討、脱細胞化の評価を再度行い、製造プロセスを確立した。連携した国内企業と共に国内における生物由来原料の調達先の選定、パイロットプラントの設計・設置に関する協議を実施している。

研究開発項目2:透明脱細胞化ブタ角膜の滅菌方法の検討
透明脱細胞化ブタ角膜の滅菌方法の確立を目指し、高静水圧処理によるウイルス不活化効果の検証を実施した。モデルウィルスとしてネコカリシウイルス(非エンベロープ型)を用い、種々の高静水圧がウィルス力価に及ぼす影響を検討した結果、300MPa以上の高静水圧処理を施すことで細胞に対する変性効果が消失することを明らかにした。一方、PMDAとの対面助言で指摘されたγ線滅菌の適応可能性について検討した結果、一般的な滅菌線量である25kGy以上のγ線を照射すると、脱細胞化ブタ角膜の着色が生じ、屈折率や力学特性が変化することを明らかにした。

研究開発項目3:超急性拒絶反応に関与するα-ガラクトシダーゼ(α-Gal)エピトープの局在の検討
研究開発項目1で策定した製造プロセスにより作製した透明脱細胞化ブタ角膜におけるα-Gal抗原の局在をレクチン抗体を用いた免疫染色により評価し、α-Gal抗原は除去されていることを明らかにした。

研究開発項目4:透明脱細胞化ブタ角膜移植の適応疾患の確定
透明脱細胞化ブタ角膜は角膜実質の治療を目的とした材料であり、具体的な対象疾患として角膜穿孔、角膜混濁、角膜デルモイド、円錐角膜、角膜潰瘍、強膜軟化症を選定した。研究開発項目1に基づき組換DNaseに変更したため、再度層間移植による安全性評価を実施し、脱落等が生じないことを確認した。
学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.脱細胞化角膜実質による実質組織の再生. 橋本良秀, 根岸淳, 舩本誠一, 木村剛, 小林尚俊, 岸田晶夫, 第59回日本人工臓器学会大会, 2021/11/27, 国内, 口頭

国内 / 口頭



更新日:2023-04-13

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