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AMED研究開発課題データベース
日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。
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研究課題情報
研究課題名
医療用N95マスクの性能評価手順と再利用条件の確定に関する研究
課題管理番号
20he0622004h0001
統合プロジェクト
医療機器・ヘルスケアプロジェクト
事業名
ウイルス等感染症対策技術開発事業
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
代表研究機関
公益財団法人結核予防会結核研究所
研究代表者
(2020)
御手洗聡
, 公益財団法人結核予防会結核研究所
, 抗酸菌部・部長
研究期間
2020年度-2020年度
課題への総配分額
(単位:千円)
49,400
2020年度
49,400
研究概要(2020)
本研究では、N95マスクの性能に影響を与えない安全な消毒あるいは滅菌法の標準的手順の確立を目的とする。対象とするN95マスクのメーカーとして3M、興亜、重松、ホギ、小津を候補とする。消毒あるいは滅菌法として、一般病院でも利用可能な方法を用い、各N95マスクについて使用前・消毒/滅菌後の粒径別バイオエアロゾルろ過性能を相対的に比較検討する。マスクの性能(ろ過)評価には病原体バイオエアロゾルの粒径を走査式ナノ粒子粒径分布計測器(SMPS)を使用して、適切なサイズに調製する。バイオエアロゾル及びコンプレックス形成物質の作成と解析のため、各研究協力者と協働する。
研究成果情報
成果の発表
2020
【成果報告書】
成果の概要
本研究では、N95レスピレーターについて、その性能を劣化させずに効率的に滅菌消毒する方法を確定した。異なる4社から購入した種々の形態のN95レスピレーターを滅菌消毒し、処理前後の0.3μmサイズ基準粒子での透過率の変化で評価した。一般病院でも利用可能な70%エタノール、0.1%次亜塩素酸、0.3%過酢酸、0.2%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩水溶液(ADEG)、強酸性水、植物ミネラル活性化水(テラ・プロテクト)についてはそれぞれ10分間浸漬し、オートクレーブ(121℃, 30min)、パスチュライゼーション(65℃, 30min)、過酸化水素プラズマ滅菌を用いた。結果として、各社のN95レスピレーター毎に有意に透過性が低下する滅菌消毒法は異なっていたが、4社全てのデータを総合して解析すると、パスチュライゼーションと0.1%次亜塩素酸処理以外は全て有意に透過率が上昇した。ADEGと過酸化水素プラズマ滅菌は4社の製品に共通して性能を劣化させた。パスチュライゼーションは5回繰り返しても全てのN95レスピレーターで透過率に変化はなく、安全かつ簡易な滅菌消毒法であると考えられた。
N95レスピレーターの性能評価手順をウイルスや細菌のバイオエアロゾル粒子を用いて確立した。N95レスピレーターは一定サイズの非生物由来粒子による95%以上の捕集効率が試験基準に用いられているが、実際には医療現場など感染性微生物の曝露からヒトを保護する目的でも使用されている。そこで、生存しているバイオエアロゾル粒子を用いてN95レスピレーターの性能評価手順の確立を行い、4社の市販されているN95レスピレーターにて性能評価を行った。評価には生存しているウイルス、2種の細菌をそれぞれバイオエアロゾル化し、擬似大気チャンバーに対流させた粒子を用いた。3種のバイオエアロゾルの捕集効率を4社のN95レスピレーターで検証した結果、ウイルスは細菌より低い捕集効率を示す傾向が全てのN95レスピレーターで見られた。また、使用したバイオエアロゾルごとの比較でも4社のN95レスピレーターよって捕集効率に違いが確認された。既存のN95レスピレーターの評価手順において基準を満たしている製品であっても透過率に違いが見られたことから、バイオエアロゾル粒子を使用した新たな性能評価の必要性が示唆された。
更新日:
2022-05-11