AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
社会モデルの統合医療に関する実態調査とデータベース構築に向けた産官学共同研究開発
課題管理番号
21lk0310073h0002
統合プロジェクト
ゲノム・データ基盤プロジェクト
事業名
「統合医療」に係る医療の質向上・科学的根拠収集研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/予防のためのエビデンス構築を目指す研究<疫学を含む>
/開発フェーズ/観察研究等
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2020)
/研究の性格/予防のためのエビデンス構築を目指す研究<疫学を含む>
/開発フェーズ/観察研究等
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
代表研究機関
国立大学法人千葉大学
研究代表者
(2021) 近藤克則 , 国立大学法人千葉大学 , 予防医学センター 教授
(2020) 近藤克則 , 国立大学法人千葉大学 , 予防医学センター 教授
研究期間
2020年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 13,057
  • 2021年度
    7,020
  • 2020年度
    6,037
研究概要(2021)
昨年度は,協力を得られた数十の市町村の健康政策担当部局,介護予防政策担当部局を対象とした自記式郵送調査と全国の市町村を対象とするWebスクレイピングを用いた調査を通じて,健康ポイント制度等の社会モデルの統合医療にあたる取り組みの実施状況ならびにそれに関連したデータベースの整備状況の実態について調査した.令和3年度は,事前に円滑なプロジェクト遂行のための研究プロトコルを作成した上で,昨年度に整理した社会モデルの統合医療にあたる取り組みを実施しておりかつその効果評価を行うためのデータベースが整っている自治体に対して再度本研究への協力を募り,同意の得られた自治体を対象として社会モデルの統合医療の効果評価を行う予定である.またその成果については,国内外の学会等での発表並びに論文化を予定している.
研究概要(2020)
当年度は,協力を得られた数十の市町村の健康政策担当部局,介護予防政策担当部局を対象とした自記式郵送調査と全国の市町村を対象とするWebスクレイピングを用いた調査を通じて,健康ポイント制度等の社会モデルの統合医療にあたる取り組みの実態を調査する.具体的には,「あなたの市町村で,以下のような取り組みは行われていますか?」と尋ね,選択肢として「(1)健康ポイント制度,(2)ボランティアポイント制度,(3)介護予防のための通いの場,(4)ヘルシーメニュー認定制度,(5)ウォーカブルなまちづくり」などを例示することで,その実施状況とデータベース構築の現状についての実態調査を行う.我々が過去に携わった社会モデルの統合医療に該当する取り組みの一例として,横浜市におけるよこはまウォーキングポイント事業がある.本取組みでは4776人を対象とし,歩行量,健診や医療・介護レセプトデータ,2016年以降の要介護認定データなどを結合して評価を行った.本研究では,このように健康の社会的決定要因に視点を向けた様々な手法により地域住民の社会参加ならびに健康増進を推進する取り組みを社会モデルの統合医療として定義し,その実態調査とデータ整備を進める予定である.

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
令和3年度は、①社会モデルの統合医療の効果評価に必要なデータなどのプロトコルなどの基盤整備、②社会モデルの統合医療にあたる取組を実施している自治体における効果評価を実施した。
①については、研究開発代表者の近藤克則の統括のもと、分担研究者の安福祐一、辻大士によって、社会モデルの統合医療の効果評価を実施するために、社会モデルの統合医療のA)利用群・非利用群のデータ、B)利用状況がわかるデータ、C)利用前後の縦断データ収集計画にはじまるプロトコルを整理した。
 ②については、研究開発代表者の近藤克則の統括のもと、千葉大学予防医学センターの研究協力者によって、A町における社会モデルの統合医療にあたる取組(社会的課題の解決を目指す産官学連携事業:健康支援型道の駅、健康ポイント制度)の効果評価を実施した。対象は、要介護認定を受けていない65歳以上の全高齢者とし、自記式アンケート郵送調査を実施した(配布数2,338票、回収数1,355票、回収率58.0%)。このデータを用いた1時点の横断分析では、性、年齢、社会経済的状況などを調整した上でもそれぞれの非利用者と比較して道の駅利用者は要支援・要介護リスクが低く、健康ポイント制度利用者は主観的健康観が良好で要支援・要介護リスクが低く、1日の歩行時間が30分以上である確率が高いことがわかった。
 今年度の研究開発期間中に計画変更を行い、②の追加研究開発項目として、B市からのデータ提供を得て、社会環境としての交通アクセスに着目し、敬老パス(無料または低額で公共交通機関を利用できる制度)による社会参加や健康増進、介護・医療費への効果を検証した。その結果、敬老パス利用者は非利用者と比較し、外出・社会参加頻度が高いことがわかった。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Fuji Y, Sakaniwa R, Shirai K, Saito T, Ukawa S, Iso H, Kondo K. The number of leisure-time activities and risk of functional disability among Japanese older population: the JAGES cohort. Prev Med Rep. 2022 Feb 19;26:101741. doi: 10.1016/j.pmedr.2022.101741.

2.Kiuchi S, Cooray U, Kusama T, Yamamoto T, Abbas H, Nakazawa N, Kondo K, Osaka K, Aida J. Oral Status and Dementia Onset: Mediation of Nutritional and Social Factors. J Dent Res. 2022 Apr;101(4):420-427. doi: 10.1177/00220345211049399. Epub 2021 Nov 19.

3.Wang Y, Shirai K, Ohira T, Hirosaki M, Kondo N, Takeuchi K, Yamaguchi C, Tamada Y, Kondo K, Cadar D, Iso H. Occasions for laughter and dementia risk: Findings from a six-year cohort study. Geriatr Gerontol Int. 2022 Mar 14. doi: 10.1111/ggi.14371.

4.Haseda M, Takagi D, Stickley A, Kondo K, Kondo N. Effectiveness of a community organizing intervention on mortality and its equity among older residents in Japan: A JAGES quasi-experimental study. Health Place. 2022 Mar;74:102764. doi: 10.1016/j.healthplace.2022.102764.

5.Yazawa A, Shiba K, Inoue Y, Okuzono SS, Inoue K, Kondo N, Kondo K, Kawachi I. Early childhood adversity and late-life depressive symptoms: unpacking mediation and interaction by adult socioeconomic status. Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol. 2022 Feb 1. doi: 10.1007/s00127-022-02241-x. Epub ahead of print.

6.阿部紀之, 井手一茂, 辻大士, 宮國康弘, 櫻庭唱子, 近藤克則. 狭義の通いの場への1年間の参加による介護予防効果:JAGES松戸プロジェクト縦断研究. 総合リハビリテーション. 2022;50(1):61-67.

7.田近敦子,井手一茂,飯塚玄明,辻大士,横山芽衣子,尾島俊之,近藤克則. 「通いの場」への参加は要支援・要介護リスクの悪化を抑制するか:JAGES2013-2016縦断研究. 日本公衆衛生雑誌. 2022; 69(2): 136-145. doi: https://doi.org/10.11236/jph.21-011.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.高齢者の通いの場への参加とパンデミック下の感染予防/健康行動:JAGES2019-2020縦断研究, 木村美也子,井手一茂,佐藤豪竜,方恩知,尾島俊之, 近藤克則, 第92回日本衛生学会学術総会, 2022/3/23, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

2.通いの場への参加とCOVID-19流行期の高齢者のwell-beingの関連:JAGES2019-2020縦断調査による検証, 木村美也子 聖木村美也子,井手一茂,佐藤豪竜,方恩知,尾島俊之, 近藤克則, 2022/3/21, 国内, ポスター.

国内 / ポスター

3.高齢者の社会参加とフレイル発症リスク:JAGES2016-2019 縦断研究, 竹内寛貴, 井手一茂, 林尊弘, 阿部紀之, 近藤克則, 日本社会関係学会第2回研究大会, 2022/3/19, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

4.高齢者のインターネット利用目的と対面交流頻度 JAGES2016-2019縦断研究, 千嶋巌, 塩谷竜之介, 井手一茂, 中込敦士, 斎藤雅茂, 近藤克則, 第32回日本疫学会学術総会, 2022/1/26-28, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

5.高齢者における通いの場参加と健康・well-being34指標の変化:JAGES 2013-2016-2019アウトカムワイド分析, 井手一茂, 中込敦士, 辻大士, 山本貴文, 渡邉良太, 芝孝一郎, 横山芽衣子, 白井こころ, 近藤克則, 第32回日本疫学会学術総会, 2022/1/26-28, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

6.フレイル高齢者の社会参加と要介護認定との関連:JAGES2010-2016コホート研究, 阿部紀之, 井手一茂, 渡邉良太, 林尊弘, 飯塚玄明, 近藤克則, 第32回日本疫学会学術総会, 2022/1/26-28, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

7.調査または名簿による通いの場参加者把握の手法の違いがフレイルに異なる影響を及ぼす:JAGES縦断研究, 横山芽衣子, 井手一茂, 近藤克則, 第32回日本疫学会学術総会, 2022/1/26-28, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

8.社会参加はコーヒーや緑茶の摂取量を増やすのか JAGES 横断研究, 横山芽衣子, 方恩知, 飯塚玄明, 福島洋一, 原田大輔, 近藤克則, 第75回日本栄養・食糧学会大会, 2021/7/3-4.

不明 / 

9.市区町村レベルの社会参加と幸福感の関連:JAGES2013・16・19プールデータを用いた横断分析, 井手一茂, 鄭丞媛, 辻大士, 渡邉良太, 宮國康弘, 中村廣隆, 近藤克則, 日本老年社会科学会第63回大会, 2021/6/12-13, 国内, ポスター.

国内 / ポスター

10.高齢者のスポーツグループ参加が増えた地域でうつは減ったか:9年間のJAGES縦断マルチレベル研究, 渡邉良太, 辻大士, 井手一茂, 小嶋雅代, 斉藤雅茂, 宮國康弘, 近藤克則, 日本老年社会科学会第63回大会, 2021/6/12-13, 国内, ポスター.

国内 / ポスター



更新日:2023-04-18

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