AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
磁気微粒子マトリクスを用いたデジタルウイルス検出法の研究開発
課題管理番号
20he0622028h0001
統合プロジェクト
医療機器・ヘルスケアプロジェクト
事業名
ウイルス等感染症対策技術開発事業
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/特殊目的用コード
代表研究機関
国立研究開発法人産業技術総合研究所
研究代表者
(2020) 藤巻真 , 国立研究開発法人産業技術総合研究所 , センシングシステム研究センター 副研究センター長
研究期間
2020年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 49,400
  • 2020年度
    49,400
研究概要(2020)
新型ウイルス発生時の迅速なウイルス検査実施を可能にするイムノアッセイをベースとしたウイルス検査用デバイスおよびその診断薬を開発する。検査従事者の労力軽減と多量診断を可能とするため、採取サンプルの簡易なフィルタリング処理のみで検査実施可能とし、装置へのサンプル導入後は、全自動で20分以内に検査結果を提示することを目標とする。特に産総研では、本研究を通じて、ウイルスを磁気微粒子で捕集する技術とデジタルイムノアッセイを融合したウイルス検出法を確立する。そのために必要な磁気微粒子試薬の最適化や検出反応の最適化を行い、また、インフルエンザウイルスを用いて概念実証を行う。また、本検出方法に最適化した検出システムの設計を行う。このような取り組みを通じ、最終的にはSARS-CoV-2の高感度検出を実証する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
本研究では、新型ウイルスの迅速な検査を可能にするために、採取サンプルの簡易な前処理のみで検査が可能なイムノアッセイをベースとしたウイルス検査法の開発として、磁気微粒子でウイルスを捕集し、その磁気微粒子同士で形成される空間「磁気微粒子マトリクス」をデジタルイムノアッセイの反応場として利用するウイルス検出法の開発を行った。
 ウイルスを数分以内に効率よく捕捉可能な磁気ビーズ条件、及び、蛍光物質の拡散を抑制し視認性よく検知可能なシーリング方法の検討を行い、最適条件の導出に成功した。また、不活化SARS-CoV-2を用いた検出実験を行い、デジタル検出が実施可能であることを確認した。また、高感度検出に必要な1粒子/μLの検出感度が達成できることを理論計算により確認した。
 効率良くウイルス粒子を補足するために、高親和性抗体の創出も試みた。ウサギおよびアルパカへの免疫からファージディスプレイ法を用いた抗体選択を行うことにより、スパイクタンパク質を高親和性かつ特異的に認識する抗体を取得した。VHH抗体についても文献情報を基に調製系を構築し、VHHクローンの大量調製に成功した。取得した各抗体について、抗原に対する親和性の算出を試みた結果、6クローンがkoff <10-7と極めて解離が遅く、高親和性を有することを明らかにした。また、いずれのクローンについてもスパイクタンパク質中のRBDに結合することが示された。近接したエピトープを持ちつつも同時に結合することが可能な抗体を見出すためのSPR binning assayを実施した結果、上記6クローンのうち、3クローンが同時にスパイクタンパク質に結合することが示唆された。
 検出に必要な機構を備えた検出用デバイスの設計も行い、対象の蛍光を捉えるデバイスを完成させた。開発した装置は、画像撮影用蛍光励起光源、画像取り込みソフト、簡易光点カウントソフト、磁気微粒子を集める磁石駆動部、全体駆動用の制御ソフトを備えている。さらには、検出に用いる試薬キットの開発も行った。試薬を保持するボトルは、使用前に手技もしくはボルテックスで内容物を攪拌し、使用時にボトルを手で圧迫することで内容物を射出する構成とした。流路タイプのセンサチップ、及びそれを搭載する機能検証用プロトタイプの作製も行った。センサチップの材料検討も行い、自家蛍光や試薬付着等の観点で測定影響のない材料を選定した。
学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.迅速なウイルス検査を実現する検査装置の開発, 芦葉裕樹, 安浦雅人, 福田隆史, 藤巻真, 高橋信行,吉田俊治, Medtec Japan, 2021/4/14-16, 国内, ポスター

国内 / ポスター



更新日:2022-05-11

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