AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
Semi-dry dot-blot (SDB)法を応用した新規乳癌リンパ節転移診断キット及び自動判定イムノクロマトリーダーの開発・検証
課題管理番号
21lm0203138h0002
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
事業名
橋渡し研究戦略的推進プログラム
タグ(2021)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/観察研究等
/承認上の分類/体外診断薬
/対象疾患/新生物
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/臨床試験
/承認上の分類/体外診断薬
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立大学法人長崎大学
研究代表者
(2021) 永安武 , 国立大学法人長崎大学 , 医歯薬学総合研究科 腫瘍外科学分野 教授
(2020) 永安武 , 国立大学法人長崎大学 , 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科学分野・教授
研究期間
2020年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 119,515
  • 2021年度
    59,111
  • 2020年度
    60,404
研究概要(2021)
現在乳癌は年間約8-9万人が罹患する日本人女性で最多の癌であり、近年増加の一途を辿っている。その約6-7割は臨床的に腋窩リンパ節(LN)への転移がなく、不必要な腋窩LNの摘出を避けるため、乳房からのリンパ流を最初に受けるLNを術中に同定して転移診断するセンチネルリンパ節(SLN)生検が施行されている。SLN生検の転移診断は通常病理医による術中の迅速病理診断で行われるが、病理医不足や術中診断と最終診断の乖離などの問題があり、新しい診断法の開発が望まれている。SDB法は精確、迅速、安価で病理診断と併用可能な新しい診断法であり、これらの問題を解決できる。本年度は普及に向けた抗サイトケラチン19抗体を利用したSDBキットと自動解析を行うリーダーを用い、体外診断薬として保険収載を目指した臨床性能試験(多施設共同、前方視的試験、目標リンパ節数600-1000個、うちマクロ転移リンパ節数90個)の継続と評価を目的としている。
研究概要(2020)
現在乳癌は年間約8-9万人が罹患する日本人女性で最多の癌であり、近年増加の一途を辿っている。その約6-7割は臨床的に腋窩リンパ節(LN)への転移がなく、不必要な腋窩LNの摘出を避けるため、乳房からのリンパ流を最初に受けるLNを術中に同定して転移診断するセンチネルリンパ節(SLN)生検が施行されている。SLN生検の転移診断は通常病理医による術中の迅速病理診断で行われるが、病理医不足や術中診断と最終診断の乖離などの問題があり、新しい診断法の開発が望まれている。SDB法は精確、迅速、安価で病理診断と併用可能な新しい診断法であり、これらの問題を解決できる。本年度は普及に向けた抗サイトケラチン19抗体を利用したSDBキットと自動解析を行うリーダーを完成させ、体外診断薬として保険収載を目指した臨床性能試験(多施設共同、前方視的試験、目標リンパ節数 マクロ転移陽性90個)の開始を目的としている。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
新規乳癌リンパ節転移診断キットであるSDBキットの臨床性能試験を2021年1月から12月までの12ヶ月間(2021年10月に2か月延長)、全国6施設の協力で実施した。目標症例数はマクロ転移90リンパ節(LN)/総LN600~1,000LNとしていたが、コロナ禍にも関わらず研究期間内に405症例、マクロ転移94LN /総LN 924LNの登録を得た。
本試験のプロトコールに記載された臨床性能試験開始前の旧バージョンキットによるマクロ転移・非マクロ転移鑑別のカットオフ(60mABS)での永久病理診断との比較では、感度67.4%、特異度99.9%、正確度96.6%であった。なお、臨床性能試験で用いた新バージョンキットの転移診断結果からROC(Receiver Operating Characteristic)解析を用いて算出されたカットオフ(11.9mABS)での永久病理診断との比較では、感度94.7%、特異度98.3%、正確度97.9%であった。従来の術中迅速病理診断と永久病理診断との比較では、感度92.6%、特異度99.2%、一致率98.5%であった。
これらの結果から、本キットの精度は術中迅速病理診断に匹敵するものであり、術中迅速病理診断との併用または本キット単独での実臨床での使用が十分に可能と考えられた。
学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.Semi-dry dot-blot(SDB)法を応用した新規乳癌リンパ節転移診断キットに関する多施設共同臨床性能試験、大坪 竜太、田中 彩、馬場 雅之、松本 恵、森田 道、久芳 さやか、加勢田 富士子、林 洋子、前田 茂人、矢野 洋、稲益 英子、荻谷 朗子、関谷 健太、柳原 克紀、中島 正洋、碇 秀樹、大野 真司、武井 寛幸、江口 晋、永安 武、日本乳癌学会九州地方会、2022年3月6日、国内、口頭

国内 / 口頭



更新日:2023-04-13

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