AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
ウサギ由来ヒト化T細胞受容体様抗体を用いたがん免疫療法の確立
課題管理番号
21cm0106373h0002
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
事業名
次世代がん医療創生研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立大学法人富山大学
研究代表者
(2021) 小澤龍彦 , 国立大学法人富山大学 , 学術研究部医学系 准教授
(2020) 小澤龍彦 , 国立大学法人富山大学 , 学術研究部医学系 免疫学講座 准教授
研究期間
2020年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 21,450
  • 2021年度
    8,450
  • 2020年度
    13,000
研究概要(2021)
我々はこれまでに、HLA-A24拘束性のEBウイルス由来の抗原であるBRLF-1、及びがん抗原であるαフェトプロテインのTCR様抗体を取得した。しかしながらこれらの抗体はウサギ抗体であるため、臨床応用するには、ウサギ抗体のヒト化が必要である。令和2年度までに、CDRグラフト技術を用いてこれらのウサギ由来のTCR様抗体のヒト化を行い、その特異性の評価を行った。そしてヒト化したTCR様抗体を用いてCAR-T及びBiTEの作製を進めた。令和3年度は、令和2年度に引き続きCAR-T及びBiTEの作製を進める。その後、抗原を発現させた細胞株に対して、in vitro及びin vivoにおいて該当抗原に対する細胞傷害活性を指標に、その有効性の評価を行う。
研究概要(2020)
我々がこれまでに作製してきたTCR様抗体は、ウサギに免疫して得た抗体である。そのためこれらTCR様抗体を臨床応用するためには、TCR様抗体自体の抗原性を減弱させるためにウサギ抗体のヒト化と、ヒト化TCR様抗体による細胞傷害活性の評価を行うことが必要である。令和2年度は、CDRグラフト技術によりウサギ由来のTCR様抗体のヒト化を行う。そして、ヒト化した抗体が元と同じ特性を保持しているか、ELISAやペプチドを提示させた細胞などを用いて検証する。次に、ヒト化したTCR様抗体を用いてCAR-T及びBiTEの作製を行う。ヒト化TCR様抗体のCAR-T及びBiTEを作成次第、細胞傷害活性の評価を進める。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
我々がこれまでに作製してきたウサギ由来の TCR 様抗体を臨床応用するためには、TCR 様抗体自体の抗原性を減弱させることで、ウサギ抗体のヒト化と、ヒト化した TCR 様抗体の評価が必要である。そこで本研究では、(1)ウサギ由来 TCR 様抗体のヒト化を行い、(2)ヒト化した TCR 様抗体による細胞傷害活性の評価を行うことで、ヒト化 TCR 様抗体を用いたがん免疫療法を行うために必要な、非臨床POC の取得を目指した。2021 年度は、2020 年度に作製したウサギ由来 TCR 様抗体のヒト化とキメラ抗原受容体 T 細胞(CAR-T)の細胞傷害活性を評価した。
In vitro における細胞傷害活性の評価のために、ターゲットとしてルシフェラーゼを発現させた T2-A24 細胞株にペプチドをパルスしたものを用い、エフェクターである CAR-T と 24 時間共培養した。共培養後ルシフェラーゼを指標に生存、増殖しているエフェクター細胞の割合を算出した。その結果、抗原特異的に細胞を傷害することが示された。
In vivo における細胞傷害活性の評価のために、ターゲットとしてルシフェラーゼ、HLA-A24、BRLF-1 ペプチド mini gene の 3 種類を発現させた慢性骨髄性白血病細胞株である K562 を NSG マウスに移植して坦がんマウスを作製し、2 日後にエフェクターである CAR-T を移植した。その後、経時的にルシフェラーゼの発光を測定し、生存、増殖したターゲットである K562 細胞の数を定量化した。その結果、抗原特異的に抗腫瘍効果が認められた。
本研究課題の遂行により、ウサギを用いた TCR 様抗体の作製から、ウサギ抗体のヒト化、そして CAR T や BiTE への改変と、非臨床 POC 取得に至る一連の工程は、次の工程である実臨床への道を開くことに繋がり、該当患者の新たながん免疫療法の開発が期待される。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Kobayashi E, Jin A, Hamana H, Shitaoka K, Tajiri K, Kusano S, Yokoyama S, Ozawa T, Obata T, Muraguchi A,Kishi H. Rapid cloning of antigen-specific T-cell receptors by leveraging the cis activation of T cells. Nat Biomed Eng, 2022, in press

2.Yamaguchi S, Hamana H, Shitaoka K, Sukegawa K, Nagata T, Hayee A, Kobayashi E, Ozawa T, Fujii T, Muraguchi A, Tobe K, Kishi H. TCR function analysis using a novel system reveals the multiple unconventional tumor-reactive T cells in human breast cancer-infiltrating lymphocytes. Eur J Immunol., 2021, 51: 2306-2316, doi:10.1002/eji.202049070

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.ISAAC 法を用いた TCR 様抗体の効率的な取得法の開発とがん免疫療法への応用, 小澤龍彦, 中村友子, 小林栄治, 浜名洋, 林篤, 村口篤, 岸裕幸, 第 21 回日本蛋白質科学会年会, 2021/6/16-18, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

2.内在性抗原反応性 TCR の網羅的スクリーニング法の開発および乳癌浸潤 T 細胞解析への応用, 山口智史, 浜名洋, 小林栄治, 小澤龍彦, 村口篤, 戸邉一之, 岸裕幸, 第 25 回日本がん免疫学会総会, 2021/7/1-3, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

3.汎用培養細胞株を用いたネオアンチゲン特異的 TCR のクローニング, 口頭, 浜名洋, 宮原慶裕, 小林栄治, 小澤龍彦, 村口篤, 珠玖洋, 岸裕幸, 第 25 回日本がん免疫学会総会, 2021/7/1-3, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

4.Identification of tumor antigen-specific TCRs using immunospot array assay on a chip(T-ISAAC) technology,Kobayashi E, Ozawa T, Hamana H, Muraguchi A, Kishi H, 第 50 回日本免疫学会学術集会, 2021/12/8-10, 国内, ポスター.

国内 / ポスター



更新日:2024-10-10

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