AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
キナーゼ遺伝子の多段階意義付けによる新規治療標的の探索
課題管理番号
21cm0106701h0002
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
事業名
次世代がん医療創生研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立研究開発法人国立がん研究センター
研究代表者
(2021) 中奥敬史 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 研究所 ゲノム生物学研究分野・研究員
(2020) 中奥敬史 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 研究所ゲノム生物学研究分野・研究員
研究期間
2020年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 14,950
  • 2021年度
    6,500
  • 2020年度
    8,450
研究概要(2021)
がん患者に見つかる遺伝子異常に対してin vitro実験とシミュレーション手法を組み合わせることにより、変異の意義付けが可能であることを示した手法(Nakaoku, et al. Nat Commun. 2018)を応用することにより多段階の変異アノテーション法の開発を行う。本年度は、核酸配列を用いた変異集積意義の情報をもとに、タンパク質と細胞実験により機能獲得を調べ、候補変異を英国The Francis Crick InstituteのDr.McDonaldとの共同研究により構造解析と生化学機能を追求する。機能変化は分子動力学シミュレーション等を行い、機能予測モデルを作成する。変異機能とその治療効果を実験科学とコンピュター手法を組み合わせ、機能意義付けモデルを構築する。
研究概要(2020)
がん患者由来の遺伝子異常に対してin vitro実験とシミュレーション手法を組み合わせることにより、変異の意義付けが可能であることを示した手法(Nakaoku, et al. Nat Commun. 2018)を応用することによりがん個別化医療に資する多くの変異のアノテーションを行う。大規模ゲノムデータよりがん患者に見つかるキナーゼ遺伝子全域の変異を対象にして、多段階機能アノテーションを行い、その機能予測モデルの構築を目標とする。第一に、変異した核酸配列情報から変異集積意義を示す。次に、タンパク質と細胞実験により機能獲得を調べる。最後に、候補変異を海外共同研究を通じ構造解析と生化学機能を追求するための準備を行う。機能変化は分子動力学シミュレーション等を行い、機能予測モデルを作成する。変異機能とその治療効果を実験科学とコンピュター手法を組み合わせ、機能アノテーションモデルを構築することを目的とする。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
がんゲノム医療の拡充への課題として遺伝子検査に応じた薬剤到達効率の向上が挙げられる。チロシンキナーゼをコードする既知の治療標的遺伝子にも意義不明変異(VUS)が多く検出され、そのアノテーション情報は、薬剤到達効率の向上への貢献が期待できる。本研究ではこれらキナーゼ遺伝子変異を対象に大規模ゲノムデータよりがん患者に見つかる変異情報をもとに多段階機能アノテーションを行い、その機能予測モデルの構築を目標とする。本研究の成果として、変異頻度モデルをもとに観察される変異の有意性を検定する情報解析法を用いることで、モデル分子として採用した RET 遺伝子で未知の新たな変異クラスターを見出した。また、キナーゼドメインの変異に対して、変異による活性や薬剤感受性等のがん形質獲得の理解に、動的構造特性を構造指標や自由エネルギー値等の分子シミュレーションから得られるデータと実験データを組み合わせ、機能予測モデルの構築を行った。英国 The Francis Crick Institute の Dr.McDonald との共同研究により、キナーゼドメインを発現するバキュロウイルス発現ベクターとして構築した。非活性型変異体を導入することで、キナーゼ活性を酵素と基質機能の個々に評価することが可能となり、生化学的なデータと分子動力学シミュレーションを組み合わせた、機能予測モデルの構築を行った。加えて、英国 Dr.McDonald との連携により、新たに RET-Sunitinib との共結晶構造を新規に取得することができた。また、AMED 次世代がん P-CREATE 技術支援を通じ、理研 タンパク質機能・構造研究チーム 白水 美香子チームリーダーによる技術支援により、RETSelpercatinib/RET-Pralsetinib のリン酸化の共結晶構造を取得することができた。この構造を用いて各種変異体を導入した分子動力学シミュレーションを行うことで、変異が薬剤結合に与える影響を推定するモデルを構築し、より精度の高い薬剤感受性予測モデルを構築することができた(論文投稿準備中)。これらの成果により変異に実験および分子動力学シミュレーションから得られたアノテーションデータを付与することができ、がんゲノム医療に資する情報が得られた。
学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.The Landscape of oncogenetic function of RET tyrosine kinase、Junya Tabata, Takashi Nakaoku, Takashi Kohno, 第 80 回日本癌学会学術総会、2021、国内、ポスター

国内 / ポスター

2.Development of a drug response model: prediction of RET TKIs sensitivity using MD simulation, Kosuke Maruyama, Takashi Nakaoku, Junya Tabata, Shigenari Nukaga, Takashi Kohno, 第 80 回日本癌学会学術総会、2021、口頭

不明 / 口頭

3.Identification of novel druggable mutations of RET kinase -Novel activation mode of RET kinase protein, Junya Tabata, Takashi Nakaoku, Kosuke Maruyama, Shigenari Nukaga, Takashi Kohno, 2021、第 80 回日本癌学会学術総会, 国内、口頭

国内 / 口頭



更新日:2023-04-13

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