AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構（AMED）の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

• 2020

【成果報告書】

成果の概要

【課題全体の成果】
臨床応用可能な腸換気法における酸素キャリアとなる液体成分として、酸素溶解能の高いパーフルオロデカリン（PFD）を原薬として選定した。また、PFDの浣腸投与によって、重篤な1型呼吸不全モデルマウス、および、ブタが治療可能であることを明らかにした。さらに、浣腸投与後のPFDの血中移行が検出限界未満であることを確認した。加えて、PFDを用いた腸換気法においては、気道粘膜障害や血栓などの有害事象が確認されないこと、また、病理組織学的、および血液生化学的検査においても異常が認められないことを明らかにした。一方、PMDA RS総合相談や厚生労働省医療機器審査管理課との面談を複数回行い、医療機器としての開発可能性に関しての協議を開始した。小動物・中動物を用いた直腸粘膜刺激性試験・皮膚感作性試験、細胞毒性試験の結果、粘膜接触医療機器で考慮すべき生物学的安全性項目は、いずれも高い安全性能を確認した。これらの成果は国際学術雑誌Medに発表した。今後の研究開発においては、医療機器としての開発に必要な試験を継続実施する方針とした。

【研究代表者の成果】
1型呼吸不全モデルマウスにおいて、腸を介した①純酸素ガス、または、②高酸素含有液体投与によって、動脈血酸素濃度の顕著な改善、末梢臓器の低酸素症状の解除、行動学的所見・生存率の大幅な上昇、など次々と呼吸不全症状が改善することを見出した。また、粘膜接触医療機器で考慮すべき生物学的安全性評価項目を本手法について検証を進め、細胞毒性試験・皮膚感作性試験・直腸粘膜刺激性試験の全てにおいて、高い安全性を確認した。

学会誌・雑誌等における論文一覧

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1.岡部亮、米山鷹介、武部貴則. 循環器内科雑誌. 2021, 89, 212-218.

2.Yoneyama Y, Okabe R, Takebe T. Enteral ventilation technology to combat severe respiratory failure, Translational and Regulatory Sciences, 3(3), 93-97, 2021, DOI: 10.33611/trs.2021-015.

3.Okabe R, Chen-Yoshilawa TF, Yokoyama Y, Tanaka S, Yoshizawa A, Thompson WL, Kannan G,Kobayashi E, Date H, Takebe T. Mammmalian Enteral Ventilation Ameliorates Respiratory Failure in Mammalian. Med, 2021, in press.

4.Okabe R, Chen-Yoshilawa TF, Yokoyama Y, Tanaka S, Yoshizawa A, Thompson WL, Kannan G, Kobayashi E, Date H, Takebe T. Mammmalian Enteral Ventilation Ameliorates Respiratory Failure in Mammalian. Med, 2021, 2(6), 773-783, DOI: 10.1016/j.medj.2021.04.004.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター

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1.腸換気（EVA）法を用いた呼吸器不全に対する治療法開発、武部貴則、日本毒性学会、2021/7/9、国内、口頭

国内　/　口頭