AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
胃癌腹膜播種に特化したアンチセンス核酸医薬開発
課題管理番号
20lm0203132h0001
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
事業名
橋渡し研究戦略的推進プログラム
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/非臨床試験・前臨床試験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立大学法人東海国立大学機構
研究代表者
(2020) 神田光郎 , 国立大学法人東海国立大学機構 , 名古屋大学 大学院医学系研究科 消化器外科学・講師
研究期間
2020年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 13,000
  • 2020年度
    13,000
研究概要(2020)
腹膜播種を有する胃癌患者の生存期間中央値7ヶ月、1年生存率は21%と絶望的な予後となっている。現行の胃癌治療ガイドラインでは遠隔転移を有する胃癌はStage IV胃癌として一括して扱われ、第一選択は抗腫瘍剤の全身投与であるが、使用できる分子標的治療薬も限られており、腹膜播種に対する効果は乏しい。本研究開発では、腹腔内投与を前提としたアンチセンス核酸医薬の開発を進め、胃癌腹膜播種治療薬として実用化を目指していく。薬効と設定用量の妥当性確認、投与量増加時の安全性担保を目的としてマウスモデルによる再検証を行いつつ、平行して薬効メカニズムをより明瞭化するためのシグナル解析、ノックアウトマウスの発育・行動・生態観察を行う。当年度内に非臨床安全性試験に移行する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
胃癌の腹膜播種は、手術治療及び放射線治療の効果は皆無であり、また全身投与の抗腫瘍剤もdelivery効率が乏しいことを主因として効果は極めて限られている。我々は胃癌転移形式別網羅的発現比較解析により胃癌腹膜播種に特異的に高発現するシナプトタグミン13(SYT13)を発見した。本研究開発ではSYT13を標的とした胃癌腹膜播種治療アンチセンス核酸医薬による腹腔内治療を開発することを目的とした。SYT13に対する特異的アンチセンス核酸が胃癌細胞の増殖能、遊走能、浸潤能、接着能への阻害効果を示すことを明らかにした。マウス腹膜播種モデルを用いたin vivo実験によりアンチセンス核酸の胃癌腹膜播種形成阻害能と生存期間延長効果が示された。有望配列の周辺配列を追加合成し、効果の高いアンチセンス核酸を選択した。SYT13の阻害によって引き起こされる下流細胞内シグナルおよび胃癌細胞悪性形質の変化についての知見を得た。選択したアンチセンス核酸配列に対してin silicoおよびマイクロアレイでのオフターゲット検索を実施した。in vivo実験によりアンチセンス核酸の用量依存性の腹膜播種形成阻害能を確認するとともに、毒性のデータを得た。SYT13の下流細胞内シグナルについての追加知見を得た。
 名古屋大学では研究代表者 神田光郎、分担者 中村俊介、小寺泰弘は本年度に主として以下の成果を得た。
・ ノックアウトマウス解析
・ アンチセンス核酸腹腔内投与の毒性再検証、休薬効果を確認
・ アンチセンス核酸実製造開始と合成コスト軽減化の協議
・ PMDA対面助言を実施し、非臨床安全性試験デザインと将来の治験デザインについて合意
・ 原薬分析法と投与液分析法バリデーション
・ 生体試料中濃度測定バリデーション
研究開発分担者 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の小比賀聡、笠原勇矢は、非臨床安全性試験パッケージの作成に向けて、試験物のハイブリダイゼーションに起因するオフターゲット毒性に関するin silico解析を実施した。GGGenomeを用いてオフターゲット候補遺伝子を抽出し、マイクロアレイ解析における発現変動とAMED革新基盤創成事業部の「核酸医薬品のオフターゲット効果のリスク評価に資するヒト遺伝子機能の抽出と分類に関する調査」の遺伝子リストを照合することで試見物のオフターゲット候補遺伝子リストを作成した。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Kanda M, Kasahara Y, Shimizu D, Miwa T, Umeda S, Sawaki K, Nakamura S, Kodera Y, Obika S. Amido-Bridged Nucleic Acid-Modified Antisense Oligonucleotides Targeting SYT13 to Treat Peritoneal Metastasis of Gastric Cancer. Mol Ther Nucleic Acids. 2020 Oct 6;22:791-802

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.胃がん腹膜播種治療に向けたギャップマー型アンチセンス核酸医薬の開発, 笠原勇矢, 山隈晴美, 神田光郎, 小比賀聡, 日本薬学会 第141年会, 国内, ポスター.

国内 / ポスター

2.胃癌腹膜播種に対するアンチセンス核酸医薬腹腔内投与法の開発,神田光郎,令和2年6月 第24回日本がん分子標的治療学会学術集会 国内,ワークショップ(口頭)

国内 / 口頭

3.新規胃癌腹膜播種関連分子の同定と特異的アンチセンス核酸医薬の開発研究,神田光郎,小寺泰弘,小比賀聡,笠原勇矢,令和2年7月 第29回日本がん転移学会学術集会/総会 ワークショップ(紙上開催)

不明 / 



更新日:2022-05-12

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