AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
プロバイオティクス由来フェリクロームを用いた新規抗腫瘍薬開発
課題管理番号
20lm0203125h0001
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
事業名
橋渡し研究戦略的推進プログラム
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/非臨床試験・前臨床試験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立大学法人旭川医科大学
研究代表者
(2020) 藤谷幹浩 , 国立大学法人旭川医科大学 , 医学部 内科学講座 病態代謝・消化器・血液腫瘍制御内科学分野(消化器・内視鏡学部門)・教授
研究期間
2020年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 12,428
  • 2020年度
    12,428
研究概要(2020)
1.製剤の規格設定1製剤開発:橋渡し研究支援拠点の助言を受け、フェリクロームの製造法開発および製剤設計を行う。PMDA相談・対面助言のもとに規格を設定する。2製剤の安定性:試作品を作製し、次年度にまたがって加速試験、苛酷試験にて安定性を検証する。また、長期安定性試験を開始する。2.薬効試験(メカニズム解析、他の抗腫瘍薬との薬効比較、相加・相乗効果の解明)1メカニズム解析:フェリクロームの標的分子、作用機序を同定する。2薬効比較、併用効果:既存薬との効果比較、相乗・相加効果の検討を開始する。3薬剤耐性癌:既存抗がん剤耐性株を樹立し治療効果の検討を開始する。3.血中フェリクローム測定法の確立1測定法の確立:フェリクローム濃度の測定法を確立する。2臓器分布の解析:ラットに単回投与し血液中、尿中のフェリクローム濃度を測定する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
我々はLactobacillus caseiの培養上清から抗腫瘍分子フェリクロームの同定に成功し、この分子が大腸癌、胃癌、食道癌、膵癌に抗腫瘍効果を発揮すること、癌細胞に転写因子DDIT3を誘導し細胞死を促進することを証明した。本プロジェクトの最終目的はフェリクロームの抗腫瘍メカニズムを解明し、第I/II相試験にて安全性、有効性を証明することである。本研究期間に以下の成果を挙げた。
(1)原薬の規格設計
フェリクローム原薬の大量製造方法を検討し、製造法の改良を実施した。
(2)薬効試験
①メカニズム解析:約1万9千遺伝子の発現抑制細胞を作製し検討を行った結果、4つのフェリクローム標的分子の同定に成功した。
②薬効比較、併用効果:膵癌、大腸癌細胞において、フェリクロームは5-FUよりも高い治療効果を認めた。5-FUとの併用により単剤よりも強い抗腫瘍効果を確認した。
③薬剤耐性癌:5-FU耐性の膵癌および大腸癌細胞株に対し、フェリクロームは高い抗腫瘍効果を発揮したことから、5-FUが無効となった癌に対しても治療効果が期待できる事が明らかになった。
(3)P K測定とin vivo 代謝物探索
①PK解析:フェリクロームの測定法を検討し、マウス血中濃度を測定できる手法を開発した。マウスへの投与実験により血中への移行及び腫瘍組織内への移行等を検討し、医薬品候補として良好なPKが示された。
②代謝物の探索:想定される各種代謝物について、フェリクローム単回投与後の検出を試み、代謝経路等に関して有意義な考察を得た。
(4)PMDA対応
PMDAとRS総合相談を行い、製剤規格の項目や非臨床パッケージについて確認した。第I・II相試験に向けて必要な事項を確認し、今後の進め方が明確になった。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Iwama T, Fujiya M, Konishi H, Tanaka H, Murakami Y, Kunogi T, Sasaki T, Takahashi K, Ando K, Ueno N, Kashima S, Moriichi K, Tanabe H, Okumura T. Bacteria-derived ferrichrome inhibits tumor progression in sporadic colorectal neoplasms and colitis-associated cancer. Cancer Cell Int ,2021,21,1,,21,doi: 10.21203/rs.3.rs-17364/v3



更新日:2023-02-09

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