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AMED研究開発課題データベース
日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。
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研究課題情報
研究課題名
ヒト弾性軟骨デバイスを用いた頭頚部形態異常疾患に対する新規治療法の開発
課題管理番号
21lm0203122h0002
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
事業名
橋渡し研究戦略的推進プログラム
タグ(2021)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/非臨床試験・前臨床試験
/承認上の分類/再生医療等製品
/対象疾患/呼吸器系の疾患
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/非臨床試験・前臨床試験
/承認上の分類/再生医療等製品
/対象疾患/呼吸器系の疾患
過去のタグ
代表研究機関
公立大学法人横浜市立大学
研究代表者
(2021)
谷口英樹
, 公立大学法人横浜市立大学
, 大学院医学研究科 臓器再生医学 特別契約教授
(2020)
谷口英樹
, 公立大学法人横浜市立大学
, 大学院医学研究科 臓器再生医学 特別契約教授
研究期間
2020年度-2021年度
課題への総配分額
(単位:千円)
130,000
2021年度
65,000
2020年度
65,000
研究概要(2021)
先天的奇形等による頭頚部弾性軟骨欠損疾患の治療には、低侵襲性かつ形態安定的な弾性軟骨移植治療の実用化が期待されている。これまで大型の弾性軟骨を創出する培養技術は存在せず、弾性軟骨の豊富な耳や鼻などの頭頸部領域の再建術には非常に侵襲性が高い自家軟骨移植が必要であった。我々は世界で初めて弾性軟骨への分化能を有するヒト軟骨前駆細胞の樹立に成功した。さらに軟骨前駆細胞を弾性軟骨組織に成熟化可能な3次元培養装置および培養法を開発した。本研究においては鼻咽腔閉鎖機能不全(VPI)を対象としたヒト弾性軟骨デバイスの医師主導治験を目指した非臨床POC取得を目指す。また期間内に非臨床安全性試験・品質を担保した製造法確立を目指す。当該年度は、ヒト弾性軟骨デバイスの製造プロトコールを確立する。確立した製造プロトコルによって作製された弾性軟骨デバイスを用いた移植法確立、品質評価法確立を行う。カニクイザルへの弾性軟骨デバイス移植による非臨床POC確立を目指す。また、PMDAとの事前面談や対面助言を開始し、早期の臨床試験実現を目指す。
研究概要(2020)
先天的奇形等による頭頚部弾性軟骨欠損疾患の治療には、低侵襲性かつ形態安定的な弾性軟骨移植治療の実用化が期待されている。これまで大型の弾性軟骨を創出する培養技術は存在せず、弾性軟骨の豊富な耳や鼻などの頭頸部領域の再建術には非常に侵襲性が高い自家軟骨移植が必要であった。我々は世界で初めて弾性軟骨への分化能を有するヒト軟骨前駆細胞の樹立に成功した。さらに軟骨前駆細胞を弾性軟骨組織に成熟化可能な3次元培養装置および培養法を開発した。本研究においては鼻咽腔閉鎖機能不全(VPI)を対象としたヒト弾性軟骨デバイスの医師主導治験を目指した非臨床POC取得を目指す。また期間内に非臨床安全性試験・品質を担保した製造法確立を目指す。当該年度は、ヒト弾性軟骨デバイスの製造プロトコールを確定させることが最大の目標である。確立した製造プロトコルによって作製された弾性軟骨デバイスを用いた移植法確立、品質評価法確立を行う。また、弾性軟骨デバイスのPOC確認、非臨床安全性試験を開始し、臨床試験の実現を目指す。
過去の研究概要
研究成果情報
成果の発表
2021
2020
【成果報告書】
成果の概要
研究開発の成果
これまでに我々は、世界で初めて弾性軟骨への分化能を有するヒト軟骨前駆細胞の分離培養法開発に成功している(PNAS 2011、特許登録番号4748222、PCT/JP2008/051327)。この独自性の高いヒト軟骨前駆細胞を活用し、足場材料を用いることなくヒト弾性軟骨デバイスを作製可能な三次元培養法を開発した(Int J Mol Sci 2020)。本研究は、この技術を活用し、ヒト弾性軟骨デバイスの製造法を確立するとともにヒト弾性軟骨デバイス移植による非臨床POC取得を目的としている。
・ヒト弾性軟骨デバイス製造法の確立
従来のヒト弾性軟骨デバイスは、移植後の成熟過程で収縮する特性を示す。本研究では、移植後の形態維持を実現化するため、新たにマイクロパターンプレートを用いて直径200-300μm大のスフェロイドを「マイクロスフェロイド培養」により多数作製した上で、回転培養を実施することによりin vitrtoで成熟を誘導する新規培養法を構築した(「造形可能かつ足場不要な軟骨組織の創出方法」特願2021-141210)。マイクロスフェロイド回転培養法は、従来の積層化回転培養法と比較し、in vitro/in vivoでのヒト弾性軟骨デバイスの成熟誘導に優れ、移植後収縮が少ない利点が確認された。複数の異なるヒト軟骨前駆細胞を用いて製造プロトコルの再現性確認を行ったところ、7検体中6検体において、組織サイズが約5mm大であり、2型コラーゲンなどの軟骨特異的な基質産生を示す弾性軟骨組織の製造に成功した。本結果をもとに、SOP作成を推進する計画である。
・中型動物モデル検証
鞍鼻症や鼻咽腔閉鎖不全に対する当該デバイス移植法のPOCを取得するため、カニクイザル由来マイクロスフェロイド回転培養弾性軟骨を作製し、カニクイザルの鼻梁および咽頭後壁に自家移植し評価した(n=3)。鼻梁に移植したデバイスは移植直後および移植後2ヶ月時点の3Dカメラ解析で、全例において残存が確認され、移植前と比較して高い鼻梁を示していた。移植組織の組織学的解析により、全例で2型コラーゲンなどの軟骨特異的な基質産生が確認された。1例において咽頭後壁への残存が確認された。以上より、弾性軟骨デバイスの自家移植による隆鼻術において隆鼻効果が確認され、本研究の目的である非臨床POCが確認された。
更新日:
2023-04-13