AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査法による感染症診療の臨床性能試験
課題管理番号
20lm0203113h0001
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
事業名
橋渡し研究戦略的推進プログラム
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/非臨床試験・前臨床試験
/承認上の分類/体外診断薬
/対象疾患/呼吸器系の疾患
代表研究機関
国立大学法人鹿児島大学
研究代表者
(2020) 隅田泰生 , 国立大学法人鹿児島大学 , 学術研究院理工学域工学系・教授
研究期間
2020年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 44,005
  • 2020年度
    44,005
研究概要(2020)
本研究では、非侵襲性検体である唾液を用いたインフルエンザの検査診断を、先進医療Aとして実施しているオンサイト検査と同時に、薬事申請のための臨床性能試験として実施する。2019年12月から開始している臨床性能試験において、検体として唾液を採取して、オンサイト(医療現場)においてPCR検査を行いつつ、同患者から鼻汁を採取し、対照試験としてのウイルス分離培養を行い、目標として1000検体を分析する。一方、2020年2月頃から始まった新型コロナウイルスの流行に際して、インフルエンザの検査診断技術を応用して、唾液でも検査可能な検査キットを開発している。これらを組み合わせ、インフルエンザと新型コロナを同時に検査できる検査法を開発し、対照試験との比較・解析、さらにキットを製造して、PMDAへの認可申請を行う。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
(1)2019~2020年シーズンに行ったインフルエンザの臨床性能試験は検体数463となり、そのデータ解析および、MDCK細胞を用いたウイルス分離培養の追加実験を2020年5月に終え、データをPMDAに一旦提出して評価いただいた。2020年6月24日のPMDAとの全般相談において、臨床性能試験において、陽性・陰性・全体一致率が全て90%を越えており、この結果を用いて、薬機申請へ進んで良いとの結論を頂いた。
(2)新型コロナウイルスの検査診断法として、別途2020年6月10日付けで、(株)スディックスバイオテックとの共同開発の研究用試薬キットSUDx SARS-CoV-2 detection kitが保険収載されていた。そこで、6月24日の全般相談の後半に、インフルエンザと新型コロナを唾液検体を用いて同時に検査できるキットの開発を考えていると話したところ、PMDAから、そちらを優先させてほしいとの要望を頂いた。
(3)糖鎖ナノテクノロジーを用いたウイルスの濃縮精製は、インフルエンザと新型コロナで同一のキットを使用できるため、同時測定用のRT-PCR試薬を新たに開発し、人工模擬検体を用いて、感度として50コピー/RUNまでA型およびB型インフルエンザウイルスとSARS-CoV-2を同時に測定できる系を確立した。そして、SGNP nCoV/Flu PCR 検出キットとして商品化まで行い、9月にPMDAへ薬機承認申請し、2020年10月23日に承認された。また、10月から同時進行で、厚生労働省に薬価申請をおこない、2020年11月11日に、中央薬価審査会において薬価が決定され、保険収載された。両キットは(株)スディックスバイオテックが製造業、及び製造販売業の申請を行って認められ、すでに大量製造を始めている。
(4)新型コロナに関しては、2020年末から再燃し続けている。我々のSGNPを用いたキットは、ウイルス粒子を高感度に検査できるため、感染の早期発見と回復期の病状を反映した検査が可能という特徴を持つことから、新型コロナに特化したSGNP nCoV PCR 検出キットを開発し2021年2月にPMDAへ薬機申請を行い、2021年5月31日に許可され、同日に保険収載された。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Yasuhisa Tajima, Yasuo Suda, Kunio Yano, A case report of SARS-CoV-2 confirmed in saliva specimens up to 37 days after onset: Proposal of saliva specimens for COVID-19 diagnosis and virus monitoring. Journal of Infection and Chemotherapy, J. Infect. Chemother. 2020, 26(10): 1086-1089.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.【招待講演】隅田泰生、糖鎖に基づくバイオナノテクノロジー、日本薬剤学会第35年会(2020.5.14-16, 誌上開催)

不明 / 講演

2.【セミナー】隅田泰生、糖鎖に基づくバイオナノテクノロジー(Sugar Chain-based Bionanotechnology), 2020年度 鹿児島大学大学院連合農学研究科分野別セミナー(農芸化学)鹿児島大学農学部、共通棟204講義室とZOOMのハイブリッド開催、2021年2月26日

不明 / 

3.【基調講演】隅田泰生、糖鎖に基づくナノバイオテクノロジー:ウイルス検査(Sugar Chain-based Nanobiotechnology: Diagnosis of viruses) 、テックプランター@鹿児島、鹿児島大学稲盛会館、2021年3月30日

不明 / 口頭

4.【講演】隅田泰生「偽陰性」の発生を低減する唾液のPCR検査技術、「ウイルス検出」セミナー技術開発協会 Webinar, 2021年3月5日

不明 / 口頭

5.生化学会で発表(オンデマンド:ビデオ)https://www2.aeplan.co.jp/jbs2020/welcome.html 2020年度第93回日本生化学会大会 P-767 ポスター発表動画 糖鎖ナノバイオテクノロジーとPCRによる高感度ウイルス検査診断法の開発 Development of highly sensitive molecular diagnosis based on glyco-nanobiotechnology 隅田泰生1,4、馬場昌範1、田島靖久2、東元一晃3、坪内博仁3、西 順一郎1、帖佐俊行5 、加治屋 崇6 Y. Suda1,4 、M. Baba1 ,Y. Tajima2 、I. Higashimoto3 ,H. Tsubouchi3 、J. Nishi1,T. Chosa5 、T. Kajiya6 1鹿児島大学、 2浜松医療センター、 3鹿児島市立病院、4(株)スディックスバイオテック、 5霧島市立医師会医療センター、 6天陽会中央病院 1Kagoshima University、 2Hamamatsu Medical Center、 3Kagoshima City Hospital、 4SUDx-Biotec Corp.、 5Kirishima Medical Center、 6Tenyoukai Central Hospital

不明 / ポスター

6.東日本外来小児科学会で発表(対面)http://hoshikawa.or.tv/eagp/info/41th/41th-info.html のなかで糖鎖ナノバイオテクノロジーに基づく唾液を用いFlu/Covid-19同時PCR検査法の開発 村上こどもクリニック(鹿児島市) 村上直樹、鹿児島大学 隅田泰生

国外 / 



更新日:2023-02-09

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