AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
MMP21とMMP23Bを基軸としたびまん性悪性腫瘍の治療法の確立
課題管理番号
21ck0106520h0003
統合プロジェクト
疾患基礎研究プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト
事業名
革新的がん医療実用化研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/基礎的
/対象疾患/新生物
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
学校法人東京理科大学
研究代表者
(2021) 昆俊亮 , 学校法人東京理科大学 , 研究推進機構生命医科学研究所 がん生物学部門・講師
(2020) 昆俊亮 , 学校法人東京理科大学 , 研究推進機構 生命医科学研究所 発生及び老化研究部門・講師
(2019) 昆俊亮 , 学校法人東京理科大学 , 研究推進機構 生命医科学研究所 発生及び老化研究部門・講師
研究期間
2019年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 39,312
  • 2021年度
    9,100
  • 2020年度
    23,400
  • 2019年度
    6,812
研究概要(2021)
昨年度までの研究成果より、NF-κB経路がMMP21の発現増加を介して変異細胞のびまん性浸潤を制御することを示唆する結果が培養細胞の系にて得られた。本年度では、がん細胞のびまん性浸潤におけるNF-κB経路の役割をマウスモデルを用いて詳細に検討する。また、びまん性浸潤を特徴とするヒト大腸がんにおけるMMP21/23BならびにNF-κB経路の分子病理学的役割について評価する。さらには、MMP21とMMP23B特異的阻害剤の開発のため、低分子化合物スクリーニングならびに立体構造解析を実施する。
研究概要(2020)
昨年度までの研究成果より、、NF-κB経路がMMP21の発現増加を介して変異細胞のびまん性浸潤を制御することを示唆する結果が得られつつある。本年度では引き続き、がん細胞のびまん性浸潤におけるNF-κB経路の役割を培養細胞とマウスモデルを用いて詳細に検討する。また、びまん性浸潤を特徴とするヒト大腸がんにおけるMMP21/23Bの分子病理学的役割について評価する。さらには、MMP21とMMP23B特異的阻害剤の開発のため、MMPによって切断されると蛍光を発する人工ペプチドを用い、スクリーニング条件の最適化ならびに1次スクリーニングを実施する。
研究概要(2019)
研究開発代表者らが同定した、がん細胞のびまん性浸潤の制御因子であるMMP21,MMP23Bの発現を調節する上流シグナル(分子)を解明する。そのために、β-cat変異細胞と共培養したβ-cat/Ras変異細胞のトランスクリプトーム情報を基にパスウェイ解析を行い、β-cat/Ras変異細胞で変動のあるシグナル経路や分子を絞り込み、培養細胞やマウス個体内で候補遺伝子の発現や活性を評価する。また、びまん性浸潤を特徴とするヒト4型大腸がんの臨床検体を用い、MMP21もしくはMMP23Bの発現量を検討する。並行して、公共データベースを活用して、MMP21/23Bの発現量と生存率、致死的再発率、脈管侵襲、所属リンパ節や遠隔臓器への転移率との相関を調べ、分子病理学的役割についても検討する。MMP21とMMP23B特異的阻害剤の開発のため、MMPによって切断されると蛍光を発する人工ペプチドを用い、スクリーニング条件の最適化を行う。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
研究開発課題1. MMP21/23Bの発現を制御する分子カスケード
がん細胞のびまん性浸潤を正に制御するMMP21の上流因子を探索した結果、NF-κBの活性化がMMP21の発現増加を担っていることを突き止めた。また、NF-κB経路の阻害剤を添加すると、MMP21の発現増加ならびに変異細胞のびまん性浸潤率が低下したことから、NF-κB経路がMMP21を介してがん変異細胞のびまん性潤を制御することを明らかにした。

研究開発課題2. ヒトびまん性悪性腫瘍におけるMMP21とMMP23Bの分子病理学的役割
TCGAの胃がんデータベースを用いて、乳頭腺型胃がん、管状腺型胃がん、びまん型胃がんにおけるMMP21の発現量を検討した結果、乳頭腺型胃がんや管状腺型胃がんに比べて、びまん型胃がんにおけるMMP21の発現量が有意に増加することが分かった。また、びまん型胃がん患者では、MMP21の発現量の増加とともに有意に生存率が低下することが分かった。さらに、ヒト大腸がんのなかでも平坦もしくは平坦陥凹病変を認める早期大腸がん検体におけるMMP21の発現量を免疫染色法にて検討した結果、早期大腸がん9症例のうち6症例でMMP21の発現が顕著に増加していた。さらに、核内β-catenin、リン酸化ERK、核内p65のH-scoreを評価したところ、これらの値とMMP21のH-scoreが正に相関することが分かった。。

研究開発課題3. MMP21とMMP23Bに特異的な阻害剤の開発
in silico解析によるMMP21の特異的阻害剤開発を進め、500万の化合物ライブラリーを用いて1次スクリーニングを実施し、これまでに報告されている他のMMP分子に対する阻害剤より、親和性の高いリード化合物を複数得ることに成功した。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Kon S, Fujita Y. Cell competition-induced apical elimination of transformed cells, EDAC, orchestrates the cellular homeostasis. Developmental Biology, 2021, 476:112-116

2.Mori Y, Shiratsuchi N, Sato N, Chaya A, Tanimura N, Ishikawa S, Kato M, Kameda I, Kon S, Haraoka Y, Ishitani T, Fujita Y. Extracellular ATP facilitates cell extrusion from epithelial layers mediated by cell competition or apoptosis. Current Biology, 2022, 32:1-16

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.細胞競合研究からがん発生研究について、昆 俊亮、 大阪大学蛋白研シンポジウム「がん研究の新機軸」、2019/7/4、 大阪、 口頭.

不明 / 口頭

2.Biophysical reactions upon emergence of malignant cellsについて、昆 俊亮、 4th Morphomeostasis meeting、 2019/9/22、札幌、口頭.

不明 / 口頭

3.細胞競合と発がんについて、 昆 俊亮、 第3回がんと代謝研究会・若手の会、 2019/9/22、熊本、口頭.

不明 / 口頭

4.がん細胞が出現した正常間質組織でのシンギュラリティ現象の解明について、 昆 俊亮、 新学術領域研究「シンギュラリティ生物学」,「細胞ダイバース」合同会議、2020/1/23、東京、口頭.

不明 / 口頭

5.Singularity at emergence of cancer cells in normal stromaについて、昆 俊亮、第58回 日本生物物理学会、2020/9/17、国内、Web開催 口頭.

国内 / 口頭

6.若手融合がもたらすがん研究ブレークスルーについて、昆 俊亮、第79回 日本癌学会特別シンポジウム、2020/10/02、広島、口頭.

不明 / 口頭

7.がん細胞が誕生したときの生体内反応、昆 俊亮、フォーラム富山「創薬」、第53回研究会、国内、富山、口頭.

国内 / 口頭

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み
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1.がん発生のメカニズムを明らかにするについて, 昆 俊亮, Top Researchers インタビュー, 2019/5/24, https://top-researchers.com/?p=2623, 国内.

国内



更新日:2023-04-19

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