AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
血清中の疾病マーカー分子の超高感度非染色検出を可能にするフォトニック結晶センサーの開発
課題管理番号
21hm0102070h0003
統合プロジェクト
医療機器・ヘルスケアプロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
オールジャパンでの医療機器開発プロジェクト
事業名
医療分野研究成果展開事業
タグ(2021)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/臨床試験
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2019)
/研究の性格/新規診断法・検査法・検査体制の開発、確立、検証<診断薬・診断機器開発は除く>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/神経系の疾患
代表研究機関
公立大学法人大阪府立大学
研究代表者
(2021) 遠藤達郎 , 公立大学法人大阪府立大学 , 大阪府立大学大学院工学研究科・准教授
(2020) 遠藤達郎 , 公立大学法人大阪府立大学 , 大阪府立大学大学院工学研究科・准教授
(2019) 遠藤達郎 , 公立大学法人大阪市立大学 , 工学研究科・准教授
研究期間
2019年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 97,868
  • 2021年度
    23,383
  • 2020年度
    50,685
  • 2019年度
    23,800
研究概要(2021)
本研究の目的は、ナノメートルサイズの構造が周期的に配列した光学素子、フォトニック結晶を用いて血清中の疾病マーカー分子を超高感度かつ非染色にて検出・定量可能なセンサーを開発することにある。加えて開発したセンサーを用い、神経変性疾患の一つであるアルツハイマー病のマーカー分子候補を血清中で検出可能なセンサー性能実現を目指す。当該年度は、昨年度に得られた成果をもとに1シミュレーション解析による実測結果との整合性評価、2試作したフォトニック結晶を用いたアッセイ条件(反応時間・温度・洗浄方法)のさらなる最適化、3水晶振動子を用いた抗体固定化量・非特異的吸着のさらなる軽減に向けた条件の検討、を実施する。
研究概要(2020)
本研究の目的は、ナノメートルサイズの構造が周期的に配列した光学素子、フォトニック結晶を用いて血清中の疾病マーカー分子を超高感度かつ非染色にて検出・定量可能なセンサーを開発することにある。加えて開発したセンサーを用い、神経変性疾患の一つであるアルツハイマー病のマーカー分子候補を血清中で検出可能なセンサー性能実現を目指す。当該年度は、昨年度の有限差分時間領域法(finite-difference time-domain method: FDTD法)を用いたシミュレーション解析結果および試作したデバイスを用いて、1抗体固定化条件、2アッセイ時間、3洗浄液、の検討を行う。検討には、水晶振動子上へデバイスと同様の構造を有するデバイスを作製し、重量変化から種々の条件検討を行う。
研究概要(2019)
本研究の目的は、ナノメートルサイズの構造が周期的に配列した光学素子、フォトニック結晶を用いて血清中の疾病マーカー分子を超高感度かつ非染色にて検出・定量可能なセンサーを開発することにある。加えて開発したセンサーを用い、神経変性疾患の一つであるアルツハイマー病のマーカー分子候補を血清中で検出可能なセンサー性能実現を目指す。当該年度は、1任意の波長に反射ピーク波長を有するフォトニック結晶構造の設計およびナノインプリントリソグラフィーを用いた試作、2試作したフォトニック結晶を用いたセンサー性能評価、3ハンドリング性能向上を指向した試料溶液導入・反応・検出部を有するフォトニック結晶センサーデバイスパッケージの試作を実施する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
今年度得られた成果は以下のとおりである。
① シリコン層堆積ハイブリッドフォトニック結晶(PhC)を作製し、抗原抗体反応を用いてアミロイドβ(Aβ)の検出・定量を行った。試作したシリコン層堆積ハイブリッドPhCは、抗原であるAβ濃度(fg/mlオーダー)に対して光学特性変化を観察することができた。しかし、①血清・血清の非特異的吸着によるノイズ、②洗浄過程における抗体脱離、③保管容器のアウトガス吸着、等の原因によって再現性が悪化することが明らかとなったため、抗体固定化方法を前年度までの物理吸着ではなく、化学的に抗体をPhC表面へ固定化することで改善を目指した。化学的に抗体を固定化し、染色操作によって固定化の観察を行った結果、抗体固定化量の増加を確認でき、非特異的吸着の軽減も可能となった。
② 水晶振動子を用いて物理吸着による抗体固定化条件および非特異的吸着軽減の検討を行った。
水晶振動子表面へ抗ヒトAβ抗体を固定化し、重量変化を観察した結果、抗体が1×10 7 分子/mm 2 の密度で固定化されていることが明らかとなった。またPhCセンサーの屈折率応答性をタンパク質が有する屈折率から換算した結果、本センサ―は1×10 4 分子から検出可能であることが明らかとなった。
③ シリコン層堆積ハイブリッドPhCのパッケージ試作を行った。
前年度までに作製していたPhCは、ナノ構造の欠損や湾曲が観察されており、センサー性能へ影響を及ぼすことが明らかとなっていた。そこで当該年度では作製方法を改善することにより、ナノ構造の欠損・湾曲無くPhCを作製することに成功した。
④ 臨床研究で収集した患者検体を用いた測定を行った。
アルツハイマー病群および疾患コントロール症例群について、実患者の髄液・血清を用いてAβの検出・定量を行った。既存のウェスタンブロット法・ELISA法・デジタルELISA法(SiMoA(R))では、測定感度の下限は1~10pg/mlのオーダーであり、髄液中の数十~数百pg/mlの濃度のAβ42は二群を弁別可能であったが、血清の測定では二群間に統計的優位差は出なかった。開発センサーによる測定では、検体の違いに応じたPhC干渉光のピークシフトが観察されたが、検体中の夾雑物の影響等による測定値のばらつきが大きく、Aβ標準溶液を用いたときと同様の測定感度は得られなかった。
⑤ センサー自動読み取り装置の開発を行った。
PhCセンサーを用いた光学特性評価を行うため全参画機関で同一の測定装置構築を行い、全参画機関で同一の光学特性を観察することができるようになった。加えて同一の測定装置を使用することによって測定時のトラブルシューティングが可能となった。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Kawasaki D, Yamada H, Sueyoshi K, Hisamoto H, Endo T, Au nanorods-TiO2 photonic crystal plasmonic-photonic hybrid sensor for label-free detection and identification of DNA molecules with single nucleotide polymorphisms, Sensors and Actuators B: Chemical. 2022, 361, 131747, 10.1016/j.snb.2022.131747

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.フォトニック結晶を用いたバイオセンサーの開発、赤木良教 文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業 微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム 第4回 広島大学・山口大学・香川大学・FAIS 合同シンポジウム、2021/10/20, 国内、口頭

国内 / 口頭



更新日:2023-04-17

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