AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構（AMED）の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

• 2021
• 2020
• 2019

【成果報告書】

成果の概要

本研究は、多機能幹細胞を用いた自然免疫再構築により、HCVを含む感染症予防及び発癌を抑止し得る免疫細胞療法の確立を目的とする。広島大学病院で厚生労働大臣の承認を得た「感染症予防を目的とした肝臓移植におけるドナー肝臓由来活性化NK細胞移入療法を用いた術後免疫賦活療法の臨床研究（再生医療等安全性確保法:第1種）」を継続しており、安全性は現在のところ問題なく経過している。また、FcγレセプターIIIa[158F/V]の一塩基多型においてドナー・レシピエントともにF carrierを示す症例は術後菌血症の高リスクである事が確認された。また、再生医療等安全性確保法第2種臨床研究として「肝細胞癌に対する肝切除後の再発予防を目的とした末梢血CD34 ⁺ 幹細胞由来分化ナチュラルキラー（NK）細胞移入療法」を開始し、2022年3月までに2例の患者をエントリーした。投与に関連する有害事象なく臨床研究を継続中である。肝臓癌合併肝臓移植患者に対するドナー肝臓由来NK細胞療法の第1相試験結果を報告した(Ohira M, et al. Cancer Immunol Immunother 2022;71:589-99.)。本結果を基に、肝細胞癌合併肝臓移植患者の全国調査を肝移植学会の協力を得て開始し、全国39施設559例のデータ収集を終了した。本解析結果に基づいて、ドナー肝臓由来NK細胞療法の第2相試験を再発危険群に対して開始する予定である。国内多施設NK療法開始に向けて、2022年3月に順天堂大学におけるSOP作成及びコールドランを完了した。また、米国のスタンフォード大学とクリーブランドクリニックで脳死肝移植における肝癌に対するドナー肝臓由来NK細胞療法の第2相試験を開始すべく、2022年3月に大平真裕、今岡祐輝が渡米して前臨床試験の立ち上げを行った。多機能幹細胞からの抗癌および抗HCV効果を有するNK細胞の誘導法の効率化と免疫制御法の開発において、血清中small RNAがNK分化誘導効率予測マーカーとなり得ること、TLR3経路及びRIG-I経路がNK細胞の抗HCV活性に関与することを明らかにした。多機能幹細胞からの樹状細胞ワクチン療法の開発研究において、NK細胞誘導過程で回収される樹状細胞やマクロファージはSIRPαを介してHCC貪食が制御されることを明らかにした。

学会誌・雑誌等における論文一覧

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1.Imaoka Y, Sato K, Ohira M, Imaoka K, Yano T, Nakano R, Tanaka Y, and Ohdan H. Portal hypertension abrogates TNF-related apoptosis-inducing ligand expression of liver-resident natural killer cells. Hepatology Communications, 2022 in press.

2.Ohira M, Hotta R, Tanaka Y, Matsuura T, Tekin A, Selvaggi G, Vianna R, Ricordi C, Ruiz P, Nishida S, Tzakis AG, and Ohdan H. Pilot study to determine the safety and feasibility of deceased donor liver natural killer cell infusion to liver transplant recipients with hepatocellular carcinoma. Cancer Immunol Immunother, 2022 71(3): 589-99, doi:10.1007/s00262-021-03005-3.

3.Imaoka Y, Ohira M, Sato K, Imaoka K, Kuroda S, Tahara H, Kobayashi T, Ide K, Tanaka Y, and Ohdan H. Impact of abdominal aortic calcification on clinical outcomes following initial hepatectomy for hepatocellular carcinoma: A retrospective cohort study. Ann Gastroenterol Surg, 2022 6(1): 149-58, doi:10.1002/ags3.12508.

4.Yamamoto M, Kobayashi T, Hashimoto M, Kuroda S, Kawaoka T, Aikata H, Chayama K, and Ohdan H. Significance of liver resection for intermediate stage hepatocellular carcinoma according to subclassification. BMC cancer, 2021 21(1): 668, doi:10.1186/s12885-021-08421-3.

5.Gu W, Ueda Y, Dansako H, Satoh S, and Kato N. Antiviral mechanism of preclinical antimalarial compounds possessing multiple antiviral activities. FASEB bioAdvances, 2021 3(5): 356-73, doi:10.1096/fba.2020-00107.

6.Dansako H, Imai H, Ueda Y, Satoh S, Wakita T, and Kato N. ULBP1 is induced by hepatitis C virus infection and is the target of the NK cell-mediated innate immune response in human hepatocytes. FEBS open bio, 2018 8(3): 361-71, doi:10.1002/2211-5463.12373.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター

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1.外科治療における一塩基多型の役割，大平 真裕, 今岡 祐輝, 佐藤 幸毅, 谷峰 直樹, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 小林 剛, 田中 友加, 大段 秀樹，第121回日本外科学会定期学術集会，2021/4/8-10，国内，ポスター.

国内　/　ポスター

2.Vp3、4合併進行肝細胞癌に対する肝動注化学療法と放射線治療の組み合わせ, 山本 将輝, 小林 剛, 河岡 友和, 相方 浩, 茶山 一彰, 大段 秀樹, 第121回日本外科学会定期学術集会，2021/4/8-10，国内，口頭.

国内　/　口頭

3.異種糖鎖抗原NeuGc発現肝細胞癌の腫瘍学的特性における解析,秋本 修志, 田原 裕之, 大段 秀樹, 第121回日本外科学会定期学術集会，2021/4/8-10，国内，口頭.

国内　/　口頭

4.Aryl hydrocarbon receptor（AhR）を介した肝内在性NK細胞の活性維持メカニズムの解析, 佐藤 幸毅, 大平 真裕, 今岡 祐輝, 谷峰 直樹, 橋本 昌和, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 小林 剛, 田中 友加, 大段 秀樹, 第121回日本外科学会定期学術集会，2021/4/8-10，国内，口頭.

国内　/　口頭

5.Approach for laparoscopic liver S7 / S8 segmentectomy for hepatocellular carcinoma, Tsuyoshi Kobayashi, Shintaro Kuroda, Kenjiro Okada, Hiroaki Mashima, Masakazu Hashimoto, Naoki Tanimine,Masahiro Ohira, Hiroyuki Tahara, Kentaro Ide, Hideki Ohdan, 第33回日本肝胆膵外科学会学術集会, 2021/6/2-3, 国内，口頭.

国内　/　口頭

6.Current status and management of long-term complications after liver transplantation, Masahiro Ohira, Yuki Imaoka, Koki Sato, Naoki Tanimine,Shintaro Kuroda, Hiroyuki Tahara, Kentaro Ide,Tsuyoshi Kobayashi, Hideki Ohdan, 第33回日本肝胆膵外科学会学術集会, 2021/6/2-3, 国内，口頭.

国内　/　口頭

7.Oncological properties in hepatocellular carcinoma expressing xenogeneic carbohydrate antigen N-glycorylneuraminic acid (NeuGc) can predict early recurrence after hepatic resection, Hiroyuki Tahara, Shuji Akimoto, Tsuyoshi Kobayashi, Hideki Ohdan, 第33回日本肝胆膵外科学会学術集会, 2021/6/2-3, 国内，口頭.

国内　/　口頭

8.Portal Hypertension Abrogates Trail Expression of Liver Resident Nk Cells via Il-33, Y. Imaoka, M. Ohira, K. Sato, H. Ohdan, AMERICAN TRANSPLANT CONGRESS (ATC) 2021, 2021/6/4-9, 国外，ポスター.

国外　/　ポスター

9.Adjuvant Immunotherapy for Liver Transplant Recipients with Hepatocellular Carcinoma Using Donor Liver-derived Natural Killer Cells, M. Ohira, R. Hotta, Y. Imaoka, K. Sato, N. Tanimine, Y. Tanaka, S. Nishida, A. Tzakis, H. Ohdan, AMERICAN TRANSPLANT CONGRESS (ATC) 2021, 2021/6/4-9, 国外，口頭.

国外　/　口頭

10.肝細胞癌に対する根治を目指した脳死肝移植の可能性, 谷峰 直樹, 相方 浩, 大平 真裕, 今岡 祐輝, 佐藤 幸毅,秋本 修志, 井出 隆太, 山根 宏明, 小野 紘輔, 望月 哲也, 岡田 健司郎, 橋本 昌和, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 田中 友加, 小林 剛, 大段 秀樹, 第39回日本肝移植学会学術集会, 2021/6/24-25,国内, 口頭.

国内　/　口頭

11.Aryl hydrocarbon receptor（AhR）は肝内在性NK細胞の成熟メカニズムを調整することで NK細胞活性に関わる, 佐藤 幸毅, 大平 真裕, 今岡 祐輝, 谷峰 直樹, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 田中 友加, 小林 剛, 大段　秀樹, 第39回日本肝移植学会学術集会, 2021/6/24-25,国内, 口頭.

国内　/　口頭

12.Therapeutic Potential of HSCs and iPS cells -derived Natural Killer Cells on HCC recurrence 多機能幹細胞を用いた肝臓癌に対するNK細胞リモデリングによる免疫賦活療法, 田中 友加, 大平 真裕, Doskali Marlen, 中村 真由奈, 小林 剛,大段 秀樹, 日本組織培養学会 第93回大会, 2021.9.2-3,国内,口頭.

国内　/　口頭

13.進行肝細胞癌に対する外科治療戦略, 小林 剛, 山本 将輝, 竹井 大祐, 橋本 昌和, 谷峰 直樹, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 大平 真裕, 井手 健太郎, 大段 秀樹, 第76 回日本消化器外科学会総会,2021/7/7-9, 国内, 口頭.

国内　/　口頭

14.肝細胞癌に対する集学的治療戦略と肝移植, 谷峰 直樹, 大平 真裕, 今岡 祐輝, 佐藤 幸毅, 橋本 昌和, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 小林 剛, 大段 秀樹, 第76 回日本消化器外科学会総会,2021/7/7-9, 国内, 口頭.

国内　/　口頭

15.非侵襲性線維化マーカーと肝細胞癌肝切除後の長期転帰との関連, 今岡 祐輝, 大平 正裕, 佐藤 幸毅, 谷峰 直樹, 橋本 昌和, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 小林 剛, 大段 秀樹, 第76 回日本消化器外科学会総会,2021/7/7-9, 国内, 口頭.

国内　/　口頭

16.進行肝癌における切除可能境界例の抽出と治療戦略, 小林 剛,山本 将輝,竹井 大祐,松原 啓壮,真島 宏聡,橋本 昌和,谷峰 直樹,黒田 慎太郎,田原 裕之,大平 真裕,井手 健太郎,河岡 友和,相方 浩,茶山 一彰,大段 秀樹, 第57回日本肝癌研究会, 2021/7/22-23, 国内, 口頭.

国内　/　口頭

17.肝内在性NK細胞におけるAryl hydrocarbon receptor (AhR)を介した細胞内シグナル伝達の解析, 佐藤 幸毅, 大平 真裕, 今岡 祐輝, 今岡 洸輝, 谷峰 直樹, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 小林 剛, 井手 健太郎, 田中 友加, 大段 秀樹, 第57回日本移植学会総会, 2021/9/18-9/20, 国内,口頭.

国内　/　口頭

18.動脈硬化が肝内免疫に与える影響についての検討, 今岡 洸輝, 大平 真裕, 佐藤 幸毅, 今岡 祐輝, 谷峰 直樹, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 小林 剛, 田中 友加, 大段 秀樹, 第57回日本移植学会総会, 2021/9/18-9/20, 国内,口頭.

国内　/　口頭

19.エベロリムスによる肝臓内NK細胞の抗腫瘍活性増強効果の解明,箱田 啓志, 田中 友加, Jamilya Saparbay, 田原 裕之, 谷峰 直樹, 大平 真裕, 井手 健太郎, 大段 秀樹, 第57回日本移植学会総会, 2021/9/18-9/20, 国内,口頭.

国内　/　口頭

20.生体肝移植による肝細胞癌の適応拡大症例の予後向上にむけて,谷峰 直樹, 大平 真裕, 今岡 祐輝, 佐藤 幸毅, 井出 隆太, 山根 宏明, 橋本 昌和, 黒田 慎太郎, 田原 裕之, 井手 健太郎, 小林 剛, 田中 友加, 大段 秀樹, 第57回日本移植学会総会, 2021/9/18-9/20, 国内,口頭.

国内　/　口頭