AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
DNA損傷性を指標にしたHTSによる医薬品の発がん性評価システムの開発
課題管理番号
21mk0101168h0003
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
オールジャパンでの医薬品創出プロジェクト
事業名
医薬品等規制調和・評価研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2020)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2019)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/損傷,中毒およびその他の外因の影響
代表研究機関
国立大学法人東京医科歯科大学
研究代表者
(2021) 砂田成章 , 国立大学法人東京医科歯科大学 , 難治疾患研究所 非常勤講師
(2020) 砂田成章 , 国立大学法人東京医科歯科大学 , 難治疾患研究所 助教
(2019) 砂田成章 , 国立大学法人東京医科歯科大学 , 難治疾患研究所 助教
研究期間
2019年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 5,850
  • 2021年度
    1,950
  • 2020年度
    1,950
  • 2019年度
    1,950
研究概要(2021)
昨年度までに、γH2AX(リン酸化ヒストンH2AX)をDNA損傷(DNA二本鎖切断)マーカーとして、ハイスループットかつ高精度に化合物誘導のDNA損傷レベルを検出するシステムを構築、FDA承認化合物約2600種類を対象にスクリーニングを実施、DNA損傷性を調べた。当年度は、スクリーニングを経て抽出したDNA損傷性化合物群について、発がんとの関連性を調べる。これまでに蓄積されてきたがん原性試験のデータベースとの比較および個別の化合物について染色体異常試験や小核試験等を実施することで、データ間の相関性を調べる。以上により、発がん性評価へ向けた当該スクリーニングシステムの位置づけを検討する。さらに、機能未知化合物のスクリーニングを進めることで、新たなDNA損傷性化合物の同定を目指すとともに、ヒット化合物情報をもとに、in silico類似化合物探索を実施し、DNA損傷性予測システムの基礎の構築を目指す。
研究概要(2020)
昨年度において構築した、多種の化学物質により細胞内で誘発されるDNA二本鎖切断(DSB)をハイスループットに定量できるin vitroスクリーニング試験系(HTS)を用いて、多種化合物のDNA損傷性スクリーニングを進める。利用する化合物については、東京大学・創薬機構の化合物ライブラリとして機能既知・未知を含めた合計約35,000化合物に対し、段階的に提供依頼を行う。特に当年度は、機能未知の化合物を中心にスクリーニングを実施し、DNA損傷性が高いと考えられる化合物群を抽出、構造的な類似性等の特徴を探る。さらにヒット化合物群に対しては、化合物濃度の依存性を調べるとともに、多角的評価として、細胞毒性試験をはじめとした評価を実施することによりDNA損傷性との相関を調べる。
研究概要(2019)
多種の化学物質により細胞内で誘発されるDNA二本鎖切断(DSB)を高精度かつハイスループットに定量できるin vitroスクリーニング試験系(HTS)を構築する。これまでに報告してきたフローサイトメトリーベースの高精度DSB測定法(Sunada 2016 & 2017)について、材料等の最適化によりハイスループット化に向け改良する。さらに測定システム全体を高速化させる機器(分注機等)を導入することで、数万種の化合物を短期間でスクリーニングするシステムを組み上げる。利用する化合物については、東京大学・創薬機構の化合物ライブラリ(合計約35,000化合物)に対し、段階的に提供依頼を行い、DSB測定スクリーニングを実施する。DNA損傷性を有する既存薬と比較して、各化合物のDNA損傷性を評価する。以上により、従来法では測定が困難であった数(約数万種)の化学物質に対して、DNA損傷性に関するデータベースの構築を目指す。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
これまでに、医薬品等をはじめとした化学物質の発がん性評価の迅速化に資するシステム開発として、ゲノム不安定性の指標であるDSBをハイスループットに検出かつ高精度に定量評価するスクリーニング系を構築した。本年度は、AMED BINDSの支援のもと、東京大学創薬機構の機能未知化合物を中心としたライブラリー(9,600化合物)を対象に、上記スクリーニングにより化合物のDNA損傷性を評価した。適当なしきい値設定のもと、特にDNA損傷性が高いと判断される7化合物を同定した。これら化合物の遺伝毒性を他のアッセイ法により検証するため、in vitro小核試験を実施したところ、すべての化合物で有意に小核が形成されることを確認した。さらに、最も高いDNA損傷性を示した化合物Xに対し、機能解析を実施したところ、トポイソメラーゼII(Top2)の阻害剤であることを見出した。抗がん剤として使用されているエトポシドをはじめ複数のTop2阻害剤が、IARC発がん性分類で発がん性リスクが高いものとして評価されていることから、化合物Xについても同様の評価が予測される。詳細な発がん性評価については、さらなる検証が必要であるが、上記により当該スクリーニングシステムの有用性を示した。
 次に、構造活性相関により化合物データベースからDNA損傷性化合物を高度に予測するためのシステム構築に向け、上記で同定したDNA損傷性化合物の類似体の解析データを収集した。市販の化合物データベースから化合物Xの類似構造体を検索、類似性の高い化合物を収集、スクリーニングによりをDNA損傷性を評価した。化合物Xを除く11個の類似体のうち4つでDNA損傷性を示し、そのうち1つは化合物Xよりも高いDNA損傷性を示した。以上、構造類似性の観点からDNA損傷性化合物の探索および詳細な評価データを収集できた。今後は、これらのデータセットをもとにした構造活性相関解析が課題となる。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Sunada S, Miki Y. PARP Inhibitors: Mechanism of Action. Hereditary Breast and Ovarian Cancer. 2021, 281-292, DOI: 10.1007/978-981-16-4521-1_18



更新日:2023-04-12

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