AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
更年期障害の早期かつ客観的な診断が可能な新規パッチ式計測シートの研究開発
課題管理番号
21gk0210022h0003
統合プロジェクト
ゲノム・データ基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
その他
事業名
女性の健康の包括的支援実用化研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/新規診断法・検査法・検査体制の開発、確立、検証<診断薬・診断機器開発は除く>
/開発フェーズ/非臨床試験・前臨床試験
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/尿路性器系の疾患
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/尿路性器系の疾患
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/尿路性器系の疾患
代表研究機関
国立大学法人大阪大学
研究代表者
(2021) 澤田健二郎 , 国立大学法人大阪大学 , 大学院医学系研究科産科学婦人科学・講師
(2020) 澤田健二郎 , 国立大学法人大阪大学 , 大学院医学系研究科・講師
(2019) 澤田健二郎 , 国立大学法人大阪大学 , 大学院医学系研究科・講師
データサイエンティスト
香林正樹 国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学 , 大学院生 山本実咲 国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学, 大学院生
研究期間
2019年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 34,900
  • 2021年度
    11,500
  • 2020年度
    10,400
  • 2019年度
    13,000
研究概要(2021)
更年期障害の客観的な診断法の確立を目指し、「柔軟、軽量、薄型、生体密着、多点計測、高精度」に脳波、脈拍、発汗を同時測定できる、パッチ型のシートを開発する。具体的には更年期症状を訴える女性に対して測定を重ね、更年期障害と夜間の発汗や睡眠パターンの解析を行い、更年期障害に特徴的なアルゴリズムを作成し、パッチ型シートの更年期特有の症状を把握する測定装置としての実用化を検討する。(1) 引き続き、30-50歳代の婦人科手術患者もしくは放射線治療を受ける患者約50例に対して、婦人科手術修了後1週間以上経過した段階で、退院前に脳波時脳波測定を行う。(2) 30-50歳代のボランティア女性約50例に対して、測定デバイスを貸与し、家庭にて2回睡眠時脳波の自己測定を開始する。(3) ボランティア女性への測定が十分実施可能であることが判明した時点で、産婦人科外来受診者で血管運動神経症状があり、かつ臨床試験への参加の文書による同意が得られたもの約50例に対して、家庭にて2回の睡眠時脳波を開始する。(4) 皮膚インピーダンス法を用いた小型発汗量計測デバイスの試作・検討を継続する。倫理審査を終えた段階で、臨床研究に投入する。
研究概要(2020)
更年期障害の客観的な診断法の確立を目指し、「柔軟、軽量、薄型、生体密着、多点計測、高精度」に脳波、脈拍、発汗を同時測定できる、パッチ型のシートを開発する。具体的には更年期症状を訴える女性に対して測定を重ね、更年期障害と夜間の発汗や睡眠パターンの解析を行い、更年期障害に特徴的なアルゴリズムを作成し、パッチ型シートの更年期特有の症状を把握する測定装置としての実用化への道筋を3年の研究期間で確立し、一般医療機器として医薬品医療機器総合機構(通称PMDA)に届出を行う。
研究概要(2019)
更年期障害の客観的な診断法の確立を目指し、「柔軟、軽量、薄型、生体密着、多点計測、高精度」に脳波、脈拍、発汗を同時測定できる、パッチ型のシートを開発する。具体的には更年期症状を訴える女性に対して測定を重ね、更年期障害と夜間の発汗や睡眠パターンの解析を行い、更年期障害に特徴的なアルゴリズムを作成し、パッチ型シートの更年期特有の症状を把握する測定装置としての実用化への道筋を3年の研究期間で確立し、一般医療機器として医薬品医療機器総合機構(通称PMDA)に届出を行う。澤田は研究開発の責任者として、研究の進捗状況の管理、進展に責任をもつ。被験者のリクルート、測定を行う。2019年は入院患者の測定を行い、ある程度データは蓄積できた時点で関谷、木村と相談して診断アルゴリズムの作成を行う。関谷・和泉は2019-21年を通じて測定装置の開発、改良を責任者として実行する。測定装置の開発、改良を行い、より装着感のない形状に改良していく。さらに現在開発中の装置に発汗測定の要素を付加していく。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
更年期診断は専ら問診票によるが、潜在する仮面うつ病などの抽出はしばしば困難である。そこで睡眠時脳波を計測することにより、血管運動神経症状とうつ病などの精神症状との鑑別ができないかと考え、本学産業科学研究所と共同で新型パッチ式計測シートを開発した。それを用い、婦人科疾患のため卵巣機能を喪失した入院患者を中心に、更年期、うつ病に特徴的な脳波パターンを機械学習(AI)を用いて解明する臨床研究を開始した。
具体的には大阪大学医学部附属病院婦人科病棟に婦人科手術のため入院中の30~60歳女性を対象とし、計測シートによる睡眠中の脳波計測を行い、PGV社(東京)と共同でAI診断を行った。結果の検証のため、クッパーマン更年期指数(KSSI)、Zung自己評価式抑うつ尺度(SDS)などを計測した。2022年2月28日までに、総計174症例より合計233回の脳波計測を行った。被検者の平均年齢は46.3歳で令和3年度に測定した14症例のボランティアの自宅測定を含む。解析不良などの41例を除外して、最終133例の脳波を三角移動平均法でデータ処理し、機械学習(ランダムフォレスト法)で、血管運動神経症状の有無が睡眠時脳波で判定できるかどうかの検討を行った。最終的には、その被検者が血管運動神経症状があるかないかを精度82%、感度91%。陽性的中率79%。陰性的中率92%で判定できた。さらに被験者がうつ症状があるかどうかを精度82%、感度95%。陽性的中率79%。陰性的中率84%で判定できた。すなわち、感度、陰性適中率がいずれも80%を超えており、更年期女性のスクリーニング検査として有効である可能性を証明した。また、令和2年度に引き続いて、発汗測定装置の開発を進めた。Covid-19感染の影響により、半導体の入手が困難になり、作成が遅れたが、夜間に計測できる測定装置のプロトタイプを完成することができた。
これらの結果をもとに、大阪大学医学部附属病院の未来医療開発部にPMDA申請の可能性を相談した。同部の判断としては更年期障害を診断/スクリーニングを標榜する医療機器プログラムは、クラス2以上の可能性が高く、将来的な薬事承認を見据えたさらなる開発が必要であるとのことであった。従って、今後は新たなグラントを獲得の上、一般の更年期女性およびプレ更年期の女性に対する脳波計測を行っていきたいと考えている。

【996字】
学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.睡眠時脳波に着目した新型パッチ式計測シートによる更年期障害診断装置の開発 志村宏太郎、澤田健二郎、香林正樹、八木太郎、山本実咲、志村寛子、清水亜麻、木村正 第73回日本産科婦人科学会学術講演会 2021年4月 国内(Web開催) 日本語ポスター

国内 / ポスター

2.睡眠時脳波に着目した新型パッチ式計測シートによる更年期障害診断装置の開発 八木太郎、澤田健二郎、志村宏太郎、香林正樹、文美智子、大井友香子。來間愛里、山本実咲、倉智博久、木村正 第36回 日本女性医学学会学術集会 2021年11月 国内(大阪) 口頭 優秀演題賞を受賞

国内 / 口頭



更新日:2023-04-17

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