AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
ヒト用医薬品の環境影響評価のための環境影響試験の実施と構造活性相関手法を用いた予測システムの開発に関する研究
課題管理番号
21mk0101133j0003
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
オールジャパンでの医薬品創出プロジェクト
事業名
医薬品等規制調和・評価研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2020)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2019)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
代表研究機関
国立医薬品食品衛生研究所
研究代表者
(2021) 広瀬明彦 , 国立医薬品食品衛生研究所 , 安全性予測評価部・部長
(2020) 広瀬明彦 , 国立医薬品食品衛生研究所 , 安全性予測評価部 部長
(2019) 広瀬明彦 , 国立医薬品食品衛生研究所 , 安全性予測評価部 部長
データサイエンティスト
山田隆志 国立医薬品食品衛生研究所 安全性予測評価部 第四室, 室長 小林憲弘 国立医薬品食品衛生研究所 生活衛生化学部 第三室, 室長
研究期間
2019年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 33,400
  • 2021年度
    9,900
  • 2020年度
    11,000
  • 2019年度
    12,500
研究概要(2021)
ヒト用医薬品の総合的な環境影響評価系構築のために、最新のヒト用医薬品とその代謝物についての文献や欧州医薬品庁の公開レポート等および、新たに実施する生態毒性試験データも収集しデータベースをアップデートする。新たに利用可能となった生態毒性QSARモデル(KATE2017、ECOSAR2.0)の検証を実施する。さらに、我が国で大量に製造、処方される主要な医薬品を例として、類似医薬品も含めて水環境動態、生態毒性情報を収集し、OECDのプロジェクトでも取り入れられているIATA Case Studiesの手法を取り入れた環境影響評価文書の作成を試行する。各データベースや予測システムで対象とする医薬品等の物質選定や優先順位設定等を通して、効率的なデータ収集や研究全体としてのシステムの整合性を保つための調整、総括作業を行う。
研究概要(2020)
ヒト用医薬品の総合的な環境影響評価系構築のために、最新のヒト用医薬品とその代謝物についての文献や欧州医薬品庁の公開レポート等および、新たに実施する生態毒性試験データも収集しデータベースをアップデートする。新たに利用可能となった生態毒性QSARモデル(KATE2017、ECOSAR2.0)の検証を実施する。さらに、我が国で大量に製造、処方される主要な医薬品を例として、類似医薬品も含めて水環境動態、生態毒性情報を収集し、OECDのプロジェクトでも取り入れられているIATA Case Studiesの手法を取り入れた環境影響評価文書の作成を試行する。各データベースや予測システムで対象とする医薬品等の物質選定や優先順位設定等を通して、効率的なデータ収集や研究全体としてのシステムの整合性を保つための調整、総括作業を行う。
研究概要(2019)
ヒト用医薬品の総合的な環境影響評価系構築のために、最新のヒト用医薬品とその代謝物についての文献や欧州医薬品庁の公開レポート等および、新たに実施する生態毒性試験データも収集しデータベースをアップデートする。特に現状の環境中で検出されている医薬品を評価することに焦点を当てて、新規に収集した生態毒性データ等を統合的に解析して、QSARやカテゴリーアプローチ等インシリコ評価の適用範囲の精緻化・予測精度向上を図る。さらに研究代表者として、本研究開発事業の進捗管理と取りまとめを行う。各データベースや予測システムで対象とする医薬品等の物質選定や優先順位設定等を通して、効率的なデータ収集や研究全体としてのシステムの整合性を保つための調整、総括作業を行う。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
欧州医薬品庁(EMA)、米国食品医薬品局(FDA)、製薬企業公開情報、環境省農薬評価書あるいは文献から、生態毒性試験データを収集し生態毒性に関するデータベースの更新を行った。最終年度は入力データのチェックに注力した。本データベースはQSAR Toolboxへの搭載が可能で、毒性データの共有と毒性予測をサポートする基盤を構築した。
このデータベースを用いて慢性毒性データセットを作成し、定量的構造活性相関(QSAR)モデルとカテゴリーアプローチを用いて、ヒト用医薬品の生態毒性を評価する可能性を、OECDで進められているQSAR Assessment Frameworkの動向を考慮して詳細に検討した。ECOlogical Structure-Activity Relationship (ECOSAR) および KAshinhou Tool for Ecotoxicity (KATE) QSAR モデルを用いてヒト医薬品の No Observed Effect Concentrations (NOEC) を予測した。藻類の慢性毒性の場合、クエリ物質のほぼ半数がQSARモデルに適用可能であり、ECOSARでは92.9%、KATEでは79.1%の適用物質で予測/実測比が0.01~100の一致度で実現性が確認され、毒性の著しい過小評価につながる誤予測(予測/実測比100以上)はほとんど観察されなかった。抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミンと抗けいれん薬であるラモトリギンを対象に、予測の不確実性を考慮した毒性予測のケーススタディにより、対象物質と参照物質の化学的分類を詳細に評価することで、QSARの予測結果の信頼性と精度を向上させることが可能であることが示された。一方でQSARに適さない医薬品については、生態毒性データベースから類似物質情報を収集し、医薬品の薬理作用に基づく物質のグループ化により、毒性学的に懸念されるカテゴリークラスがあることがわかった。そこで、マクロライド系抗生物質を例に、リードアクロスのケーススタディを行った。エリスロマイシンの藻類における慢性毒性値は類似構造のアナログであるロキシスロマイシンの慢性毒性値から推計することができた。
以上の検討結果から、QSAR予測やカテゴリーアプローチを含むこれらの評価手法に基づいて、ヒト用医薬品の生態毒性を評価するワークフローモデルを提案した。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Yamada T, Kawamura T, Maruyama T, Kurimoto M, Yamamoto H, Katsutani N, Hirose A. Quantitative structure-activity relationship and a category approach to support algal toxicity assessment of human pharmaceuticals. Fundam. Toxicol. Sci. 2021, 8, 195-204.



更新日:2023-04-12

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