AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

> 課題検索詳細

研究課題情報

研究課題名
血中長鎖非コードRNAから予測する一次感覚神経の病態分子基盤に基づく神経障害性疼痛バイオマーカーの同定
課題管理番号
21ek0610020h0003
統合プロジェクト
疾患基礎研究プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
その他
事業名
慢性の痛み解明研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/新規診断法・検査法・検査体制の開発、確立、検証<診断薬・診断機器開発は除く>
/開発フェーズ/基礎的
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2020)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2019)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/神経系の疾患
代表研究機関
学校法人日本医科大学
研究代表者
(2021) 坂井敦 , 学校法人日本医科大学 , 医学部 薬理学・講師
(2020) 坂井敦 , 学校法人日本医科大学 , 医学部 薬理学・講師
(2019) 坂井敦 , 学校法人日本医科大学 , 医学部 薬理学・講師
データサイエンティスト
坂井敦 日本医科大学医学部薬理学, 講師
研究期間
2019年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 19,500
  • 2021年度
    5,200
  • 2020年度
    9,100
  • 2019年度
    5,200
研究概要(2021)
慢性疼痛は様々な要因により生じるが、神経障害を伴う疼痛は特に治療が困難であり、患者によって痛みの性質や程度、治療反応性、経過・予後は大きく異なる。しかしながら、現状の疼痛治療は原疾患の分類に大きく依存するため、実際の神経障害性疼痛の分子基盤を予測するバイオマーカーが求められる。長鎖非コードRNAは種類が豊富で、細胞種・細胞状態に特異的な発現を示すことが多く、血中においても安定に存在するために低侵襲に検出することができる。本年度は、ヒトiPS細胞由来一次感覚神経細胞を用いて同定した、神経障害処理により変化する細胞外長鎖非コードRNAをオキサリプラチン誘発性末梢神経障害の患者におけるバイオマーカーとしての可能性を検討する。
研究概要(2020)
慢性疼痛は様々な要因により生じるが、神経障害を伴う疼痛は特に治療が困難であり、患者によって痛みの性質や程度、治療反応性、経過・予後は大きく異なる。しかしながら、現状の疼痛治療は原疾患の分類に大きく依存するため、実際の神経障害性疼痛の分子基盤を予測するバイオマーカーが求められる。長鎖非コードRNAは種類が豊富で、細胞種・細胞状態に特異的な発現を示すことが多く、血中においても安定に存在するために低侵襲に検出することができる。本年度は、ヒトiPS細胞由来一次感覚神経細胞において同定した細胞外非コードRNAに関して、オキサリプラチン誘発性末梢神経障害の患者におけるバイオマーカーとしての可能性を検討する。また、ヒトiPS細胞由来の一次感覚神経の有用性を検討をする。
研究概要(2019)
慢性疼痛は様々な要因により生じるが、神経障害を伴う疼痛は特に治療が困難であり、患者によって痛みの性質や程度、治療反応性、経過・予後は大きく異なる。また、同一の原疾患であっても慢性疼痛の病態分子基盤は多様であると考えられる。しかしながら、現状の疼痛治療は原疾患の分類に大きく依存するため、実際の神経障害性疼痛の分子基盤を予測するバイオマーカーが求められる。長鎖非コードRNAは種類が豊富で、細胞種・細胞状態に特異的な発現を示すことが多く、血中においても安定に存在するために低侵襲に検出することができる。しかしながら、バイオマーカーとしての解析はほとんど進んでいない。従って本年度は、培養細胞系を用いて、細胞外lncRNAと疼痛関連遺伝子の発現変動を網羅的に解析すると共に、患者血中における発現解析を行うことにより、細胞外lncRNAバイオマーカー候補を探索することを目的とする。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
慢性疼痛は様々な要因により生じるが、神経障害を伴う疼痛は特に治療が困難である。患者それぞれの慢性疼痛の基盤となりうる末梢神経障害に対するバイオマーカーは疼痛の病態に基づいた予後予測や治療法の選択に極めて有用となる。血中に存在する非コードRNAは細胞外小胞に含有されているために極めて安定に存在し、低侵襲かつ高感度に検出することができる。とりわけ長鎖非コードRNA(lncRNA)は種類が豊富に存在し、細胞種や細胞状態に特異的な発現を示すことが多いことから、全身循環中における発現解析であっても一次感覚神経に特異的な血中バイオマーカーとして検出できる可能性が考えられる。従って、本研究ではオキサリプラチン誘発性の末梢神経障害に対する低侵襲な血中バイオマーカーとして一次感覚神経から放出される細胞外lncRNAを解析した。
本年度は、オキサリプラチンにより一次感覚神経からの放出が上昇したlncRNA群が、オキサリプラチンの用量依存的に放出変化することを明らかにした。また、オキサリプラチンにより治療を受けた患者の血中で定量解析を行った。血液サンプルは治療開始前から治療終了後1年後にわたる期間において経時的に解析を行った。オキサリプラチン治療中に当該lncRNAの血中含有量は上昇することが明らかになった。これらの発現上昇は投薬終了後には収まった。一方で、末梢神経障害が慢性化した患者においては、オキサリプラチン投与治療中にこれらのlncRNAは上昇しないことが見出された。オキサリプラチン患者の血中含有量の経時的変化情報、末梢神経障害を含む患者の臨床情報を紐づけしたデータベースを作成し、血中lncRNAの変化と関連する可能性のある臨床情報を検索した。受信者動作特性曲線により、高い感度かつ特異度で治療中に慢性末梢神経障害を予後予測するlncRNAが複数同定された。すなわち、これらのlncRNAの血中含有量の変化が末梢神経障害の慢性化に対するバイオマーカーとなる可能性を明らかにした。
学会誌・雑誌等における論文一覧
  • ◀◀
  • 1
  • ▶▶

1.Matsuura K, Sakai A*, Watanabe Y, Mikahara Y, Sakamoto A, Suzuki H. Endothelin receptor type A is involved in the development of oxaliplatin-induced mechanical allodynia and cold allodynia acting through spinal and peripheral mechanisms in rats. Molecular Pain. 2021, 17, 1-10, doi:10.1177/17448069211058004.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
  • ◀◀
  • 1
  • ▶▶

1.細胞外非コードRNAの疼痛疾患治療への応用可能性、坂井 敦、第43回日本疼痛学会、2021/12/10-11、国内、シンポジウム.

国内 / 

2.末梢感覚神経障害に対するバイオマーカーの探索を目指した細胞外マイクロRNAの解析、井熊 優香、坂井 敦、鈴木 秀典、坂本 篤裕、第68回日本麻酔科学会、2021/6/3-4、国内、ポスター.

国内 / ポスター

3.iPS細胞由来一次感覚神経から放出される細胞外小胞におけるRNA解析、坂井 敦、丸山 基世、鈴木 秀典、第44回日本神経科学大会 CJK第1回国際会議、2021-7/28-31、国内、ポスター.

国内 / ポスター

4.iPS細胞由来一次感覚神経から放出される長鎖非コードRNAのオキサリプラチン誘発性神経障害に対するバイオマーカーとしての検討、坂井 敦、丸山 基世、山田 岳史、鈴木 秀典、第43回日本疼痛学会、2021/12/10-11、国内、口頭.

国内 / 口頭

5.オキサリプラチン誘発性末梢神経障害を予測する血中長鎖非コードRNAバイオマーカーの探索、坂井 敦、丸山 基世、山田 岳史、吉田 寛、鈴木 秀典、第95回日本薬理学会年会、2022/3/7-9、国内、ポスター.

国内 / ポスター



更新日:2023-04-18

TOPへ