AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
経鼻インフルエンザワクチン導入を見据えた基盤技術の開発
課題管理番号
21fk0108083j0003
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
新興・再興感染症制御プロジェクト
事業名
新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 , 感染症実用化研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/呼吸器系の疾患
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/呼吸器系の疾患
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/呼吸器系の疾患
代表研究機関
国立感染症研究所
研究代表者
(2021) 長谷川秀樹 , 国立感染症研究所 , インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター・センター長
(2020) 長谷川秀樹 , 国立感染症研究所 , インフルエンザウイルス研究センター・センター長
(2019) 長谷川秀樹 , 国立感染症研究所 , 感染病理部・部長
研究期間
2019年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 114,000
  • 2021年度
    38,000
  • 2020年度
    38,000
  • 2019年度
    38,000
研究概要(2021)
近年、ヒトにおいてワクチンにより誘導される免疫をモノクローナル抗体レベルで理解することが可能となってきており、インフルエンザワクチン接種者の体内に誘導される個々の抗体の性質を解析する研究が世界中で活発に実施されている。本研究においては経鼻不活化インフルエンザワクチン接種者由来モノクローナル抗体のウイルス抗原への結合性解析の実施を目的とする。
研究概要(2020)
近年、ヒトにおいてワクチンにより誘導される免疫をモノクローナル抗体レベルで理解することが可能となってきており、インフルエンザワクチン接種者の体内に誘導される個々の抗体の性質を解析する研究が世界中で活発に実施されている。本研究においては経鼻不活化インフルエンザワクチン接種者由来モノクローナル抗体のウイルス抗原への結合性解析の実施を目的とする。
研究概要(2019)
近年、ヒトにおいてワクチンにより誘導される免疫をモノクローナル抗体レベルで理解することが可能となってきており、インフルエンザワクチン接種者の体内に誘導される個々の抗体の性質を解析する研究が世界中で活発に実施されている。本研究においては経鼻不活化インフルエンザワクチン接種者由来モノクローナル抗体のウイルス抗原への結合性解析の実施を目的とする。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
 本研究は、注射型ワクチンもしくは経鼻ワクチンを接種された健康成人の血液検体から抗体産生細胞を単離することにより、個々の抗体産生細胞が作る抗体をモノクローナルレベルで作製および機能解析を実施した。具体的には、経鼻インフルエンザワクチン接種者由来の抗体産生細胞の抗体遺伝子をIgG発現ベクターにサブクローニングし、哺乳類培養細胞を用いて組み換えIgG抗体ライブラリを作製した。そのライブラリを用いて、抗体の遺伝子的特徴の解析、ヘマグルチニン(HA)への結合活性やウイルス中和活性の評価、抗体の逃避変異体ウイルスの解析を実施した。同定された経鼻ワクチン接種者由来の抗HAストーク抗体クローンであるF11抗体について、IgG、単量体型IgA、および多量体型IgA状態における鼻腔粘膜上での抗ウイルス活性の比較を行った。抗HAストーク抗体では、IgAの多量体化により抗体の抗ウイルス活性は必ずしも増強されず、IgA抗体とHAとの間に存在している2つの結合様式(抗体の定常領域依存的な結合と可変領域依存的な結合)依存的に、IgAの多量体化によりもたらされる抗体の抗ウイルス活性の増強度合いが変化することを明らかにした。さらに、経鼻ワクチン接種者および注射型ワクチン接種者のそれぞれから得られた抗体産生細胞の抗体遺伝子をIgG発現ベクターにサブクローニングし、哺乳類培養細胞を用いて組み換えIgG抗体ライブラリを作製し、HAおよびノイラミニダーゼ(NA)に結合活性を有する抗体クローンを同定した。抗NA抗体の多量体IgA化による効果については、今後、さらに研究を継続する必要がある。(長谷川)
 死滅した上気道常在菌由来の病原体関連分子パターンが、ウイルスやワクチン特異的な抗体応答を増加させることが明らかとなった。培養した口腔菌をワクチンと混合して経鼻投与すると、インフルエンザウイルスやSARS-CoV-2の増殖量が有意に抑制されることを確認した。(一戸)
 「経鼻インフルエンザワクチンの品質および有効性に関する調査」と「ヒト鼻腔洗浄液(臨床検体)におけるIgA抗体測定系の改良に係る研究」をテーマに検討を行った。(五味)
 質量分析計によるIgAの直接分析法の改良を継続して実施し、新規抗体の評価における有用性を確認した。更に抗原タンパク質の正確な値付け可能な高精度定量法として、質量分析計によるHA抗原の直接定量法の整備を完了した。(後藤)
 経鼻インフルエンザワクチン及び皮下注インフルエンザワクチン接種被験者の末梢血検体を用いて、ワクチン接種後に誘導されるB細胞受容体(BCR)レパトアの比較を実施した。(山下)
 経鼻ワクチン接種後のマウス鼻腔由来形質細胞から抗原特異的IgAモノクローナル抗体の取得に成功し、経鼻ワクチン接種によって惹起された抗体産生細胞が、鼻腔周辺のみならず他のリンパ組織に移行し、全身の体液性免疫の向上に貢献することを証明した。(磯部)
 経鼻インフルエンザワクチンに使用する粘膜アジュバントの候補として、百日咳菌由来の膜小胞(Membrane Vesicle;MV)の利用を考えた。百日咳菌から3つのロットのMVを調製し、性状に関して評価を行った。(相内)
 動物の自然免疫応答を活用した経鼻インフルエンザワクチンの安全性試験法の開発、 動物への受動免疫法を活用した経鼻インフルエンザワクチンの有効性試験法の開発、動物での応答と相関する培養細胞系を用いた有効性・安全性評価法の改変を行った。(浅沼)
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Kotani O, Suzuki Y, Saito S, Ainai A, Ueno A, Hemmi T, Sano K, Tabata K, Yokoyama M, Suzuki T, Hasegawa H, Sato H.Structure-Guided Creation of an Anti-HA Stalk Antibody F11 Derivative That Neutralizes Both F11-Sensitive and -Resistant Influenza A(H1N1)pdm09 Viruses. Viruses. 2021 Aug 31;13(9):1733. doi: 10.3390/v13091733.

2.Miyauchi K, Adachi Y, Tonouchi K, Yajima T, Harada Y, Fukuyama H, Deno S, Iwakura Y, Yoshimura A, Hasegawa H, Yugi K, Fujii SI, Ohara O, Takahashi Y, Kubo M.Influenza virus infection expands the breadth of antibody responses through IL-4 signalling in B cells. Nat Commun. 2021 Jun 18;12(1):3789. doi: 10.1038/s41467-021-24090-z.

3.長井みなみ、一戸猛志「インフルエンザウイルス感染に対する免疫応答」生体の科学 2021 Vol.72. No.4. p.294-296.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.「経鼻不活化インフルエンザワクチンにより誘導された抗HAストーク抗体の構造情報に基づいた機能予測と中和能の改変」齊藤慎二, 小谷治, 鈴木康司, 相内章, 上野朗, 逸見拓矢, 佐野芳, 田畑耕史郎, 横山勝, 鈴木忠樹, 長谷川秀樹, 佐藤裕徳 第25回日本ワクチン学会学術集会 2021/12/3~5, 国内, ポスター

国内 / ポスター

2.多形型SERPINA3はamyloidβ42のオリゴマー状態を延長させることで神経毒性を増強させる、磯部正治, AKBOR Maruf, 中山弘暉, 中谷亜佑未, 友部浩二, 黒澤信幸 日本分子生物学会第44回年会2021/12/1-3 ,国内, 口頭およびポスター発表

国内 / 

3.SARS-COV2スパイクタンパク質の経鼻免疫で誘導されるマウス鼻腔粘膜由来IgAモノクローナル抗体取の特異性解析,和氣 健太郎, 黒澤 信幸, 磯部 正治 日本生化学会大会プログラム・講演要旨集 94回 2021/11/3-5 , 国内, 口頭およびポスター発表

国内 / 

4.外気温とウイルス感染症, 一戸猛志, 慶應義塾大学医学部第9回新次元開拓セミナーシリーズ、2021/6/4 , 国内, Zoom

国内 / 

5.体温とインフルエンザ, 一戸猛志, 第34回インフルエンザウイルス研究者交流の会, 2021/7/1, 国内, Zoom

国内 / 

6.上気道常在菌がウイルス特異的な免疫応答に与える影響の解析, 長井みなみ、森山美優、一戸猛志、第34回インフルエンザウイルス研究者交流の会, 2021/7/1, 国内, Zoom

国内 / 

7.外気温とウイルス感染症、一戸猛志、第1回腸内デザイン学会, 2021/11/18, 国内, Zoom

国内 / 

8.上気道常在菌がウイルス特異的な免疫応答に与える影響の解析, 長井みなみ、森山美優、一戸猛志, 第68回日本ウイルス学会学術集会, 2021/11/18, 国内, 口頭

国内 / 口頭

9.上気道常在菌がウイルス特異的な免疫応答に与える影響の解析、長井みなみ、森山美優、一戸猛志、第25回日本ワクチン学会学術集会, 2021/12/4, 国内, ポスター

国内 / ポスター



更新日:2024-10-10

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