AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
シングルセルグライコミクスによる微生物叢の一斉解析
課題管理番号
21gm6010018h0004
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
その他
事業名
革新的先端研究開発支援事業
タグ(2021)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/体外診断薬
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2020)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2019)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2018)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
代表研究機関
国立研究開発法人産業技術総合研究所
研究代表者
(2021) 舘野浩章 , 国立研究開発法人産業技術総合研究所 , 細胞分子工学研究部門 研究グループ長
(2020) 舘野浩章 , 国立研究開発法人産業技術総合研究所 , 創薬基盤研究部門 上級主任研究員
(2019) 舘野浩章 , 国立研究開発法人産業技術総合研究所 , 創薬基盤研究部門 上級主任研究員
(2018) 舘野浩章 , 国立研究開発法人産業技術総合研究所 , 創薬基盤研究部門 上級主任研究員
研究期間
2018年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 65,091
  • 2021年度
    21,370
  • 2020年度
    25,960
  • 2019年度
    16,461
  • 2018年度
    1,300
研究概要(2021)
本年度は1細胞の微生物の糖鎖と16S rRNAを同時解析する技術の開発を行う。さらにうつ病モデルマウス糞便由来微生物叢の解析を行い、うつ病の診断につながる新たなマーカーの探索を目指す。
研究概要(2020)
本研究では、レクチン-DNAバーコードライブラリーを用いて、微生物叢グライコームを構成する個々の微生物のグライコームを高スループットに解析する世界初の技術を開発することを目的とする。
研究概要(2019)
哺乳細胞のみならず微生物の最外層も糖鎖で覆われており、宿主細胞とのクロストークの「起点」として機能していると考えられます。しかしこれまで微生物叢を構成する個々の微生物表層のグライコームを解析する方法がなく、その機能は全く理解されていませんでした。本研究では微生物叢グライコームを高スループットに解析するための新たな技術を開発することで、微生物叢研究の新たな突破口を拓くことを目標とします。当年度は培養した真菌、細菌のグライコームを解析するための技術を開発することを目的とします。
研究概要(2018)

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
コントロール群、ストレス(CUMS、Chronic unpredictable mild stress)群、ストレス+抗うつ剤投与群の3群から微生物叢を分離し、まず16S rRNAシーケンシングで微生物組成を解析し、ベータ多様性を解析した。その結果、群ごとには明確に分離されず、微生物組成には大きな違いはないことがわかった。一方、Glycan-seqで解析し、主成分分析で解析した場合も明確に群ごとには分離されなかった。39種のレクチンのうち3群に対して顕著に異なる反応性を示すレクチンとして抽出されたのがレクチンAであった。レクチンAはコントロール群、ストレス+抗うつ剤投与群と比べ、ストレス群に顕著に低い反応性を示した(p=0.029)。そこでレクチンA固定化ビーズで糖鎖修飾微生物を濃縮し、16S RNAシーケンシングで糖鎖修飾微生物の菌叢解析を行った。得られたデータを用いてベータ多様性を解析した結果、コントロール群とストレス/(ストレス+抗うつ剤投与)群で明確に分離された。そのためこれら2群で糖鎖修飾微生物の組成が異なることがわかった。アルファ多様性もコントロール群と比べてストレス群で顕著に低下していた。そのため、コントロール群と比べてストレス群では糖鎖修飾微生物のベータ及びアルファ多様性が低下すると考えられた。さらに面白いことにレクチンAの反応性はコントロール及びストレス群のソーシャルインターラクションスコアと正の相関、FSTイモビリティーテストと負の相関を示した。すなわちレクチンAの微生物への反応性がうつ症状と相関することを示している。3群それぞれに特徴的に存在する糖鎖修飾微生物を検出すると、コントロール群で最も多く、6種のバクテリアが同定された。これら糖鎖修飾微生物は確かにコントロール群で多く存在していた。さらにストレス群とコントロール群で顕著に異なる代謝経路を推定した。その結果、それぞれの群で顕著に高い代謝経路を抽出できた。そのうち、グリセロール分解経路はストレス群で顕著に低下していた。グリセロール分解経路はClostridia(ストレス群で多い)と負の相関、Erysipelotrichaceae(コントロール群で多い)と正の相関を示した。これらのバクテリアや代謝経路がうつ病の病態と密接に関係していると推定された。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Oinam L, Minoshima F, Tateno H. Glycan profiling of the gut microbiota by Glycan-seq. ISME COMMUN. 2, 1 (2022). https://doi.org/10.1038/s43705-021-00084-2

2.Odaka H, Ozaki H, Tateno H. scGR-seq: Integrated analysis of glycan and RNA in single cells. STAR Protocols 3, 1 (2022). https://doi.org/10.1016/j.xpro.2022.101179

3.Irumagawa S, Hiemori K, Saito S, Tateno H, Arai R. Self-Assembling Lectin Nano-Block Oligomers Enhance Binding Avidity to Glycans. Int J Mol Sci. 2022 Jan 8;23(2):676. https://doi.org/10.3390/ijms23020676

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.舘野浩章、糖鎖を標的とした医薬品開発に向けた革新的技術の開発、第4回星薬科大学ー理研ー東北大学「精密武装抗体の合成と機能評価」シンポジウム、web、21年12月24日

不明 / 

2.舘野浩章、1細胞糖鎖-RNA同時計測技術(scGR-seq)の開発、第94回日本生化学会大会、Web、21年11月3日

不明 / 

3.舘野浩章、糖鎖・レクチン創薬の最前線、東海国立大学機構糖鎖科学講義、Web、22年1月17日

不明 / 

4.舘野浩章、糖鎖・レクチン創薬の最前線、生化学工業講義、Web、22年2月15日

不明 / 

5.小高陽樹、舘野浩章、個々の細胞の糖鎖とRNA を同時解析、BioJapan2021、21年10月14日

不明 / 

6.小高陽樹、箕嶋文、尾崎遼、舘野浩章、個々の細胞の糖鎖とRNAを同時解析する技術(scGR-seq)の開発、第40回 日本糖質学会年会、21年10月29日

不明 / 

7.Lalhaba Oinam, Fumi Minoshima, Hiroaki Tateno、Glycomic profiling of the gut microbiota by Glycan-seq、第94回日本生化学会大会、Web、21年11月5日

不明 / 



更新日:2023-04-12

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