AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

> 課題検索詳細

研究課題情報

研究課題名
免疫抑制化レセプターに着目した微生物叢と宿主の共生および疾患発症メカニズムの解明
課題管理番号
21gm6010021h0004
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
その他
事業名
革新的先端研究開発支援事業
タグ(2021)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2020)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/対象疾患/血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害
タグ(2019)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害
タグ(2018)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害
代表研究機関
国立大学法人金沢大学
研究代表者
(2021) 平安恒幸 , 国立大学法人金沢大学 , 先進予防医学研究センター 免疫・マイクロバイオーム部門 特任准教授
(2020) 平安恒幸 , 国立大学法人金沢大学 , 先進予防医学研究センター 免疫・マイクロバイオーム部門 特任准教授
(2019) 平安恒幸 , 国立大学法人金沢大学 , 先進予防医学研究センター 免疫・マイクロバイオーム部門 特任准教授
(2018) 平安恒幸 , 国立大学法人金沢大学 , 先進予防医学研究センター 免疫・マイクロバイオーム部門 特任准教授
研究期間
2018年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 76,140
  • 2021年度
    17,538
  • 2020年度
    26,390
  • 2019年度
    25,062
  • 2018年度
    7,150
研究概要(2021)
免疫抑制化レセプターは、過剰な免疫応答を制御するために、宿主に備わっている仕組みの一つである。ところが、ある種の病原体や腫瘍細胞は、免疫抑制化レセプターを利用して、免疫から逃れるように進化していることがわかってきた。一方で、通常は病原性を示さない腸や皮膚等の常在細菌叢は、宿主の免疫に排除されずに宿主との共生を成立させている。したがって、常在細菌叢にも免疫抑制化レセプターを利用するようなメカニズムが存在している可能性が考えられる。そこで本研究では、免疫抑制化レセプターと常在細菌との相互作用から共生と疾患との関係を明らかにすることを目的とする。昨年度までに、2種類の抑制化レセプターと3種類の常在細菌との相互作用を見出し、そのリガンドを同定することに成功した。本年度は、これら相互作用の機能を明らかにするために、リガンドをノックアウトした細菌株の作製、抑制化レセプター遺伝子型とメタゲノムの関係を調べるとともに、抑制化レセプターと常在細菌との相互作用をin vivoで検証する。
研究概要(2020)
通常は病原性を示さない腸や皮膚等の常在細菌叢は、宿主の免疫に排除されずに宿主との共生を成立させている。したがって、常在細菌叢には我々の免疫システムから逃れるような免疫逃避機構が存在する可能性が考えられる。しかしながら、どのようにして常在細菌叢が宿主の免疫から逃れているのかは十分に理解されていない。そこで研究開発代表者は、常在細菌叢が免疫抑制化レセプターを介して宿主の免疫システムへ影響を及ぼしている可能性について研究を行っている。昨年度までに、研究開発代表者は、抑制化レセプターが常在細菌叢の一部を認識し、そのリガンドを同定することに成功した。本年度は、リガンドをノックアウトした細菌を作製し、抑制化レセプターのリガンドであるのかどうかの検証およびこれらの相互作用により免疫系へどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とする。
研究概要(2019)
免疫抑制化レセプターに着目して、宿主と常在細菌叢との共生関係およびその破綻と疾患との関係を明らかにするために、免疫抑制化レセプターと相互作用する常在細菌叢およびそのリガンドを解析する。
研究概要(2018)

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
昨年度までに、免疫抑制化レセプターXと免疫抑制化レセプターYが特定の常在細菌をよく認識することが明らかとなった。本年度は、これら抑制化レセプターの機能解析、鼻腔細菌叢との関連解析、トランスジェニックマウスの確立に取り組んだ。
 免疫抑制化レセプターXが認識する常在細菌は、鼻腔に存在し、一般集団においては約10%が保菌していることが報告されている。そこで、鼻腔における常在細菌叢のメタゲノム解析を行うために、鼻腔常在細菌叢の採取方法および保存方法を検討し、最適な解析条件を見出した。次に、このように確立した最適な解析条件により鼻腔常在細菌叢のメタゲノムと免疫抑制化レセプターXの遺伝子多型との関係を解析したところ、免疫抑制化レセプターXの特定の遺伝子型を持つと、免疫抑制化レセプターXと相互作用する細菌Lの相対存在比が有意に高いことが明らかとなった。この結果から、免疫抑制化レセプターXは細菌Lとの共生に関係している可能性が考えられた。
 常在細菌叢が免疫抑制化レセプターと相互作用することで、宿主の免疫機能にどのような影響を及ぼしているのかどうかを解析するためには、免疫抑制化レセプターを発現するマウスが必要である。そこで免疫抑制化レセプターXのトランスジェニックマウスの作製を試みた。ヒトと同様な発現分布を実現させるために、免疫抑制化レセプターX自体のプロモーターを用いてトランスジェニックマウスを作製したところ、免疫抑制化レセプターXの発現を確認することができた。
 免疫抑制化レセプターYは、細胞外領域が非常に相同性の高い免疫活性化レセプターBが存在しているため、免疫活性化レセプターBついてもリガンドとの結合を調べた。その結果、免疫抑制化レセプターYと同様にBも同一のリガンドを認識することが確認された。さらに、ヒトから分離した貪食細胞の活性化レセプターBをノックダウンすると、貪食活性が落ちた一方で、免疫抑制化レセプターYをノックダウンすると、遺伝子型によって貪食活性が異なることが明らかとなった。このことから免疫抑制化レセプターYと活性化レセプターBは、アリル特異的に協調的に働く可能性が示唆される。
学会誌・雑誌等における論文一覧
  • ◀◀
  • 1
  • ▶▶

1.Su, M.-T., et al. Blockade of checkpoint ILT3/LILRB4/gp49B binding to fibronectin ameliorates autoimmune disease in BXSB/Yaa mice. Int Immunol 33, 447-458 (2021). DOI: 10.1093/intimm/dxab028

2.平安恒幸. 第2部実践編 2.デジタルPCRによる免疫受容体のコピー数多型解析. リアルタイム・デジタルPCR実験スタンダード(羊土社) . 228-234 (2022)

3.平安恒幸, 華山力成. 第1章 抑制化レセプターによるマクロファージの機能制御. シン・マクロファージ(羊土社). 44-48 (2022)

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
  • ◀◀
  • 1
  • ▶▶

1.平安恒幸, LILRファミリーを介した宿主微生物相互作用, 第21回日本アデノウイルス研究会, 2021年7月, WEB開催, 招待講演

不明 / 講演

2.孫金文, 平安恒幸, 華山力成. 免疫レセプターLILRB3およびLILRA6のアリル多様性と機能. 日本生化学会北陸支部第39回大会, 2021年6月, 口頭

不明 / 口頭

3.平安恒幸, 華山力成. 白血球レセプター複合体を介した宿主-微生物相互作用の解明. 2021年度 北陸腸内細菌研究会 総会. 2021年7月. WEB開催, 口頭

不明 / 口頭

4.Hirayasu K, Hanayama R. Genetic diversity of immune receptors LILRB3 and LILRA6 suggests their interaction with bacteria. The 50th Annual Meeting of The Japanese Society for Immunology. 2021年12月. Nara, 口頭

不明 / 口頭

5.平安恒幸. Identification of the bacterial ligand for human immune receptors LILRB3 and LILRA6. 10th ITAM workshop. 2022年2月. WEB開催, 口頭

不明 / 口頭



更新日:2023-04-12

TOPへ