AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
弾性圧迫グローブ・ストッキングによる圧迫療法の化学療法起因性末梢神経障害予防効果を検討する探索的な多施設共同ランダム化比較試験
課題管理番号
20ck0106455h0003
統合プロジェクト
医療機器・ヘルスケアプロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト
事業名
革新的がん医療実用化研究事業
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/非臨床試験・前臨床試験
/承認上の分類/医療機器
/対象疾患/新生物
タグ(2019)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/新生物
タグ(2018)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立大学法人京都大学
研究代表者
(2020) 川口展子 , 国立大学法人京都大学 , 医学部附属病院腫瘍内科特定病院助教
(2019) 川口展子 , 国立大学法人京都大学 , 医学部附属病院腫瘍内科特定病院助教
(2018) 川口展子 , 国立大学法人京都大学 , 医学部附属病院腫瘍内科特定病院助教
データサイエンティスト
高田正泰 京都大学医学部附属病院乳腺外科, 助教
研究期間
2018年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 29,029
  • 2020年度
    9,009
  • 2019年度
    10,010
  • 2018年度
    10,010
研究概要(2020)
末梢神経障害の予防、軽減は乳癌治療にとって急務であり、手術手袋を用いる圧迫療法は有用な予防方法と考えるが、手術手袋は足の末梢神経障害予防には使用できない。さらに、毎回購入が必要であり、ラテックスアレルギーや長期間装着による皮膚障害の可能性があることから、長期間の投与が必要な再発患者の症例に対しても、安価で安全に、繰り返し装着できる手袋の作成開発が必要であると考えられた。そこで、弾性ストッキングが末梢から中枢に向かい漸減的に圧迫を加える機能を有し、上肢(腕)または下肢(脚)の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減又は予防する等、静脈還流の促進を目的に使用されることに着目し、手術手袋と同程度の圧迫が可能な弾性圧迫グローブ・ストッキングを開発した。昨年度は健常者を対象に末梢の体表温度低下効果を検証し、今年度は保険適用を目指し、臨床研究を進めていく予定である。
研究概要(2019)
化学療法起因性末梢神経障害が手足を圧迫することにより予防できる可能性が先行研究により示唆されたため、圧迫療法を行うための弾性圧迫グローブ・ストッキングを開発した。今年度は、この弾性圧迫グローブ・ストッキングによる圧迫療法の化学療法起因性末梢神経障害予防効果を検討するため、探索的な多施設共同ランダム化比較試験を実施することを目的とする。対象は京都大学及び京都乳癌研究ネットワーク参加施設において毎週パクリタキセル療法を12サイクル以上予定されている原発・再発乳癌症例である。有効性が示されれば、乳癌患者だけでなく、他癌種や他剤にも応用できる可能性があり、多くの癌患者のQolity of Life(QOL)の向上に役立つと考えられる。
研究概要(2018)

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
化学療法起因性末梢神経障害が手足を圧迫することにより予防できる可能性が先行研究により示唆されたため、圧迫療法を行うための弾性圧迫グローブ・ストッキングを開発した。本研究は、この弾性圧迫グローブ・ストッキングによる圧迫療法の化学療法起因性末梢神経障害予防効果を検討する多施設共同ランダム化比較試験を実施する予定として開始した。有効性が示されれば、乳癌患者だけでなく、他癌種や他剤にも応用できる可能性があり、多くの癌患者のQuality of Life(QOL)の向上に役立つと考えられるため、保険適用を目指して進めている。
令和2年度は、下記を行った。
 ① 臨床試験の充足化を目指し、班会議
 ② 実臨床での実態を把握するための全国がん診療拠点病院に対するアンケート調査            
   のまとめ  
 ③ 健常者を対象としたフィージビリティ試験の解析
 ④ ECGSの実装及び観察研究の研究計画書作成、倫理委員会承認まで
① 昨年度のPMDAや厚生労働省の面談結果、資金等の点からも実現可能性を考慮して、観察研究とする方向となった。観察研究の結果を元に学会を通して保険適用を目指す予定とし、プロトコール作成に際しての課題について班会議で検討を行った。
② 実臨床での実態を把握するための全国がん診療拠点病院に対するアンケート調査は392施設へ送付し251施設(64%)から回答を得た。99.6%の施設がCIPNを問題と感じており、65%の施設で発症軽減のための試みを行っており、圧迫療法を行っているのはそのうちの45%であった。11月の乳がん学会、1月の臨床腫瘍学会において発表した。問題意識が共有され、圧迫療法が普及していることを示したことは学会を通した申請に有利であると考えられる。
③ 圧迫療法の効果を最適化するため健常者を対象にしたフィージビリティ試験が必要と考え、試験を実施した。健常者8例を対象とし、腫瘍評価項目を温度低下効果として手の圧迫による温度低下効果、及び足の圧迫条件による温度低下効果を評価した。手の圧迫による温度低下効果、また足の圧迫条件を工夫することで温度低下効果を向上させることができることがわかった。10月のがん治療学会、1月の臨床腫瘍学会にて発表を行い、観察研究の研究計画書に結果を反映することができた。
④ ③の結果を前提にECGSの実装を行い、現場での課題を確認し、後ろ向き観察研究として乳癌学会で発表予定である。また前向き観察研究の研究計画書を作成、倫理委員会承認を得た。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Pro-nociceptive roles of Schwann cell-derived galectin-3 in taxane-induced peripheral neuropathy.Koyanagi M, Imai S, Matsumoto M, Iguma Y, Kawaguchi-Sakita N, Kotake T, Iwamitsu Y, Ntogwa M, Hiraiwa R, Nagayasu K, Saigo M, Ogihara T, Yonezawa A, Omura T, Nakagawa S, Nakagawa T, Matsubara K. Cancer Res. 2021 Feb 19:canres.2799.2020. doi: 10.1158/0008-5472.CAN-20-2799. Online ahead of print. PMID: 33608316

2.化学療法起因性末梢神経障害予防(特に圧迫療法)についての実態調査 川口 展子, 露木 茂, 戸井 雅和 日本乳癌学会総会プログラム抄録集28回 Page414(2020.10)

3.弾性圧迫グローブ・ストッキングによる圧迫療法の温度低下効果を検討する健常者試験 川口 展子, 露木 茂, 池田 隆文, 片岡 裕貴, 森田 智視, 戸井 雅和 日本癌治療学会学術集会抄録集58回 Page P-439(2020.10)

4.手術手袋圧迫療法を用いた末梢神経障害予防によるPaclitaxelの投与期間の延長効果 露木茂、西本舞、白木映理子、康裕紀子 日本乳癌学会総会プログラム抄録集28回 Page413 (2020.10)

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.Prevention of chemotherapy-induced peripheral neuropathy by compression therapy 圧迫療法による化学療法誘発性末梢神経障害の発症軽減 NOBUKO KAWAGUCHI, Shigeru Tsuyuki , Takahumi Ikeda, Yuki Kataoka , Satoshi Morita, Eiji Suzuki, Masakazu Toi 第18回日本臨床腫瘍学会学術集会

不明 / 

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み
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1.薬物療法マネージメントのこつ 化学療法誘発性末梢神経障害─本邦の現状とASCO/ESMO ガイドライン2020 ─CANCER BOARD of the BREAST Vol.7 No.1

不明

2.タキサン系末梢神経障害に対する手術手袋圧迫療法の予防効果~臨床試験の結果から~露木茂 TAIHO Web Lecture on Management of Chemotherapy 2020.11.12

不明



更新日:2023-02-09

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