AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

> 課題検索詳細

研究課題情報

研究課題名
難治急性リンパ性白血病に対するボルテゾミブ追加多剤併用療法の医師主導第II相治験
課題管理番号
20ck0106419h0003
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト
事業名
革新的がん医療実用化研究事業
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/治験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/治験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2018)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/治験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立研究開発法人国立がん研究センター
研究代表者
(2020) 小川千登世 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 中央病院小児腫瘍科・科長
(2019) 小川千登世 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 中央病院小児腫瘍科・科長
(2018) 小川千登世 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 中央病院小児腫瘍科科長
研究期間
2018年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 139,789
  • 2020年度
    50,479
  • 2019年度
    39,910
  • 2018年度
    49,400
研究概要(2020)
実施中の「小児急性リンパ性白血病の再発患者に対するボルテゾミブを含む多剤併用化学療法の第II相試験(医師主導治験)」多施設共同試験を終了、追跡調査後、データクリーニングを行い、治験終了届出を提出する。治験実施施設12施設の責任医師等専門医師を招集し、症例検討会を実施した上で、データを固定する。固定されたデータを基に統計解析をまとめ、総括報告書を作成する。引き続き、国内外の安全性や有効性の確認を行うとともに、治験の品質保証のために監査を受け、信憑性の高い総括報告書を完成させる。最終症例の主要評価項目の評価完了頃から申請予定者との協議を行い、総括報告書を申請予定者へ提供し、本研究治験薬の一般化を目指す。
研究概要(2019)
治験実施施設12施設にて第II相試験(医師主導治験)を実施する。本治験薬に関する国内外の有効性や安全性の情報を常時収集し、安全性情報を共有、安全な治験の実施に努める。登録促進のため、JCCG再発ALL委員会とも連携し、患者受け入れの調整を行い、症例の確保、治験の促進を図る。スムースかつ安全な治験の施行のため、責任医師会議等の話し合いの場を設け、情報共有に努める。今年度内の目標として、9月を目安に登録を完了する。最終患者の約4か月の治験期間、最終観察を経て、治験終了届を提出する。また、速やかにCRF回収、データクリーニングを行う。登録完了に向けての目標症例数は、残り6例程度である。また、総括報告書作成に向け、生物統計の専門的見地に基づいて修正された統計解析計画を治験調整医師の立場から確認、実施の管理を行う。以上を当年度目的とする。
研究概要(2018)
1ボルテゾミブを含む多剤併用療法の保険適応取得のため、第II相治験を促進させる 2薬事承認申請資料とする信憑性の高い総括報告書作成のため、適正な統計解析計画を維持する

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
本研究では、難治急性リンパ性白血病(ALL)に有効性が報告されているボルテゾミブ(BZM)の医師主導治験を実施することにより、現在の患者ニーズを満たすとともに、難治ALLに対する適応を取得し、難治ALLを治癒に導くために必要な治療薬を将来の日本の患者に届けることを目的とし、「小児急性リンパ性白血病の再発患者に対するボルテゾミブを含む多剤併用化学療法の第Ⅱ相試験(医師主導治験)」を12施設の多施設共同試験で実施した。治験はCROを中心とした体制で行い、2020年3月の予定登録期間終了に伴い登録を終了、追跡も終了した。全CRFの回収、データクリーニングの後、2020年8月に症例検討会にて症例の採否の検討を行った。9月にデータ固定、全施設のSDVを完了し、11月に治験終了届を提出した。解析計画書に基づき解析を行い、以下の結果につき、総括報告書を作成、2021年3月16日に1.0版を固定した。
結果の概要:登録例17名全員(第一再発高リスク群11名、拡大コホート6名)を適格と判定した。そのうち、プロトコール治療開始前中止例1名を除く16名(第一再発高リスク群10名、拡大コホート6名)をFAS、PPS、安全性解析対象集団に採用した。FAS、PPS、安全性解析対象集団は同一集団となった。
主要評価項目であるB-PVLDC-TITレジメンによる寛解導入療法終了時の寛解導入割合は、第一再発高リスク群では、寛解導入療法終了時の寛解ありが10名中6名で、寛解導入割合(正確な両側80%信頼区間)は60.0%(35.4~81.2)、P=0.556であった。拡大コホートでは、寛解導入療法終了時の寛解ありが6名中1名で、寛解導入割合(正確な両側80%信頼区間)は16.7%(1.7~51.0)、P=0.994であった。第一再発高リスク群では、帰無仮説は棄却されなかったが、主要評価項目であるB-PVLDC-TITレジメンによる寛解導入療法終了時の寛解導入割合は60.0%(6/10名)で、閾値寛解導入割合の57%を超えることが示された。安全性の解析では、第一再発高リスク群で観察された有害事象は、既知の事象であり、発現頻度や重症度が著しく高まることはなく、重篤及び重要な有害事象についても概ね許容範囲であることが確認された。拡大コホートでは、既知の事象ではあるが、同種造血細胞移植後早期の1名の患者に致死的な低酸素症及び間質性肺疾患が発生し、さらなる安全性の配慮が必要とされた。これ以外は、拡大コホートで観察された有害事象も既知の事象のプロファイルと概ね一致しており、安全性の新たな懸念はないことが確認された。


更新日:2022-05-11

TOPへ