AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構（AMED）の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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• 2018

【成果報告書】

成果の概要

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群（ME/CFS）は、慢性疲労、労作後の極端な消耗、睡眠障害、認知機能障害、筋力低下などの症状を呈する難治疾患である。近年の研究によって中枢神経系炎症や免疫異常を示唆する所見が得られ、米国ではNIH主導で本格的研究が開始されているところである。本研究の目的は、ME/CFSの臨床を熟知した国内専門家、神経免疫学、放射線医学、リハビリテーション医学などの専門家のネットワークを強化して、診療・研究レベルの向上につなげることを目的としている。
　最終年度である本年度は、日本神経学会や国際ME/CFS学会など、国内外の専門学会との連携をさらに進め、また研究班のホームページで海外で広く用いられている「診療の手引き」の日本語版公開などの情報発信に努めた。NCNP内の各部門の連携をさらに進め、精神科や臨床心理士がチームに加わった。NCNP病院を受診し研究参加者は3年間でのべ411名となった。免疫研究部・放射線診療部での免疫学的解析・画像解析により、患者のMRI画像と疾患との関連が示唆される抗自律神経受容体抗体との関連が明らかにし、論文発表を行った（Fujii, Sato et al. 2020）ほか、「ME/CFS血液診断法の開発（代表：佐藤和貴郎）」と連携し、免疫病態解明研究を進めた。なお、班会議を2020年10月に佐藤班と合同でオンライン開催し分担研究者相互の情報共有を進めた。分担研究者の角田は臨床研究として、ME/CFS患者に反復性経頭蓋磁気刺激治療を継続している。また岡はアイソメトリックヨガの普及活動に努め、奏功機序解明研究も進めた。国民への情報発信としては、講演会での免疫学研究紹介（山村、佐藤）や日本疲労学会学術集会でのシンポジウム開催（倉恒）などの活動を行った。

学会誌・雑誌等における論文一覧

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1.Fujii H, Sato W, Kimura Y, Matsuda H, Ota M, Maikusa N, Suzuki F, Amano K, Shin I, Yamamura T, Mori H, Sato N. Altered Structural Brain Networks Related to Adrenergic/Muscarinic Receptor Autoantibodies in Chronic Fatigue Syndrome. J Neuroimaging. 2020 Jul 1. doi: 10.1111/jon.12751. Online ahead of print.

2.倉恒弘彦.　ME/CFSの疫学と歴史　総合診療　30(7):800-804,2020.

3.水野敬、倉恒弘彦、渡辺恭良. ME/CFSの最新病態生理　脳分子機能イメージング研究. 総合診療　30(7):805-808,2020.

4.倉恒弘彦. 　疲労の診断・治療法.　BIO Clinica 36(1), 27-30,2021.

5.Eguchi A, Fukuda S, Kuratsune H, Nojima J, Nakatomi Y, Watanabe Y. Identification of actin network proteins, talin-1 and filamin-A, in circulating extracellular vesicles as blood biomarkers for human myalgic encephalomyelitis/ chronic fatigue syndrome. Brain Behavior and Immunity 84:106-114, 2020. doi:10.1016/j.bbi.2019.11.015.

6.岡孝和: 仰臥位で行うアイソメトリックヨガの筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群患者に対する有用性. BIO Clinica 2021, 36(1):52-56

7.Yang G, Gu R Kubo J, Kakuda W: Is the efficacy of repetitive transcranial magnetic stimulation influenced by baseline severity of fatigue symptom in patients with myalgic encephalomyelitis? Int J Neurosci 2020; 130: 64-70.

8.Sato, W., Ono, H., Matsutani, T., Nakamura, M., Shin, I., Amano, K., ... & Yamamura, T. (2021). Skewing of the B cell receptor repertoire in myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome. Brain, Behavior, and Immunity. (in press: 2020/3/29)

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター

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1.Immune dysregulation with deviated B cell receptor repertoire in ME/CFS. Wakiro Sato, Hirohiko Ono, Keiko Amano, Isu Shin, Takashi Yamamura. IACFSME 2020 Virtual Conference 2020/8/21 国外　口頭

国外　/　口頭

2.山村　隆：免疫性神経疾患としての筋痛性脳脊髄炎. シンポジウム27. 自己免疫性脳炎の最前線. 第61回日本神経学会. 岡山. 9.1, 2020　国内　口頭

国内　/　口頭

3.筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群（ME/CFS）患者末梢血のB細胞受容体レパトア解析の有用性　佐藤和貴郎、小野紘彦、山村　隆　第32回日本神経免疫学会学術集会　2020年9月23日　国内　口頭

国内　/　口頭

4.筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群（ME/CFS）におけるB細胞受容体レパトアの偏倚　佐藤和貴郎、小野紘彦、山村　隆　第48回日本臨床免疫学会総会　2020年10月16日　国内　口頭

国内　/　口頭

5.Deviated B cell receptor repertoire associated with infection-related episodes at onset in Myalgic encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS)　Wakiro Sato, Hirohiko Ono, Keiko Amano, Ishu Shin, Takashi Yamamura　20th Annual Meeting of the Federation of Clinical Immunology Societies (FOCIS 2020) October 28-31, 2020　国外　ポスター

国外　/　ポスター

6.倉恒弘彦. 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群（ME/CFS）.　第38回日本神経治療学会学術集会（教育講演）（東京）2020年10月28日.　国内　口頭

国内　/　口頭

7.心療内科を受診した慢性疲労症候群患者の心理特性が心理状態や身体症状に与える影響（第２報）, 野口敬蔵, 吉原 一文, 岡 孝和, 乙成 淳, 平林 直樹, 朝野 泰成, 古川智一，富岡光直，須藤信行, 第16回日本疲労学会総会、学術集会, 2020/11/07，国内　口頭

国内　/　口頭

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み

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1.佐藤和貴郎　筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群（ME/CFS）の脳画像と免疫系の統合解析　第3回 起立不耐症研究会　2020年11月29日

不明