AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
身体・知的・精神3障害を併存する難病モデルとしての22q11.2欠失症候群AYA世代の統合的支援に向けたエビデンス創出
課題管理番号
20ek0109369h0003
統合プロジェクト
ゲノム・データ基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
難病克服プロジェクト
事業名
難治性疾患実用化研究事業
タグ(2020)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/観察研究等
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/先天奇形,変形および染色体異常
タグ(2019)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/先天奇形,変形および染色体異常
タグ(2018)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/先天奇形,変形および染色体異常
代表研究機関
国立大学法人東京大学
研究代表者
(2020) 笠井清登 , 国立大学法人東京大学 , 医学部附属病院精神神経科・教授
(2019) 笠井清登 , 国立大学法人東京大学 , 医学部附属病院精神神経科・教授
(2018) 笠井清登 , 国立大学法人東京大学 , 医学部附属病院・教授
研究期間
2018年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 44,499
  • 2020年度
    14,079
  • 2019年度
    14,820
  • 2018年度
    15,600
研究概要(2020)
2018年度に開始した22q11.2欠失症候群患者・家族に対する精神保健横断調査、2019年度に立ち上げた22q11.2欠失症候群レジストリ調査をさらに進めることにより、身体、知的、精神障害の程度や時期の多様性が大きい本症をもつ患者、家族がかかえる、医療、福祉、教育における支援から見逃されやすい課題について浮き彫りにしていく。また、2018年度から2019年度にかけて実施したニーズ調査の解析から、精神保健的課題についての課題抽出を補完する。これらの調査で得られた結果について、22q11.2欠失症候群患者・家族の意見を反映し総合的に考察する。これにより、22q11.2欠失症候群患者・家族の生活や人生の支援ガイドラインを完成させることを目的とする。
研究概要(2019)
2018年度に開始した22q11.2欠失症候群患者・家族に対する精神保健横断調査をさらに進めることにより、身体、知的、精神障害の程度や時期の多様性が大きい本症をもつ患者、家族がかかえる、医療、福祉、教育における支援から見逃されやすい課題について浮き彫りにしていく。また、22q11.2欠失症候群レジストリの立ち上げ、倫理申請と登録を進めるとともに、連携施設を追加していく。また、2018年度に実施したニーズ調査の解析から、精神保健的課題についての課題抽出を補完する。これらにより、2020年度に作成する22q11.2欠失症候群患者・家族の生活や人生の支援ガイドラインにむけての基礎的な情報を得ることを目的とする。
研究概要(2018)
本研究開発では、22q11.2欠失症候群を持つ本人とその家族に質量混合調査を行い支援ニーズを明らかにする。それに基づき、トランジション支援、身体・精神合併症医療へのアクセス、3障害合併に対応した統合的支援体制構築に関する支援ガイドラインを作成する。これらにより、22q11.2欠失症候群を背景とした多様な障害を抱える子どもを個別に支援するための心身の統合的支援のためのエビデンスを創出する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
研究開発項目(1)ニーズ調査と支援モデル構築、支援ニーズと有効な支援モデルに関する質量混合調査の実施については、22q11.2国際会議参加における国内外の研究者とのディスカッションや、AMEDキックオフシンポジウムにおける当事者や臨床家とのディスカッション及び文献レビューなどから、研究分担者とともに調査項目の検討を行った。質的研究(インタビュー調査)では、主に、本人・家族のニーズやトランジションにおける課題などを聴取した。質量混合研究(質問紙郵送調査:量的項目・自由記述項目)では、家族の困り感・必要な支援・家族自身の精神的健康などを調査した。これにより、選択項目だけでは得られなかった患者・家族の声がより浮き彫りとなり、ガイドラインの内容にも反映する重要な知見が得られたと言える。現在は調査結果をもとに論文化を進めている。
研究開発項目(2)精神保健横断調査実施と患者コホート構築、横断保健調査(身体・知的・精神面)については、家族会(22 HEART CLUB)や東大病院精神神経科22ハート専門外来を受診する患者・家族に依頼し、身体・知的・精神面に関する詳細な医学的面接と心理検査を含めた精神保健横断調査を開始した。実施に際して、小児難病の専門家である研究分担者からの助言を得た。また、難病プラットフォームのレジストリを構築し2019年より登録開始した。さらに、22q11.2欠失症候群の豊富な診療経験を持つ九州大学病院循環器内科を研究分担施設に加えることが承認され、さらに国立成育医療研究センターなどの医療機関についても追加の手続きを進めている。その後、新型コロナウイルス感染症の状況を確認しながら電話調査を中心とする体制に切り替え、より遠方の患者・家族への調査も実施可能とし、点在している患者情報を集約するという目標に寄与した。
研究開発項目(3)統合的支援ガイドライン策定については、研究開発項目(1)のニーズアンケート調査の結果等をふまえ、2019年の第3回班会議で、障害・人生・支援の3軸の視点を組み込んだ22q11.2欠失症候群キュービック型支援ガイダンスの骨子を提示し、当事者・家族・多職種専門家との議論を行った。これをもとに、2020年にオンラインで開催した当事者・家族・支援者との座談会・意見交換および班会議において内容を議論した。これらの検討結果を踏まえて細部を詰め、2021年3月にガイドラインを策定した。一方、指定難病の数は増え続けており、一つ一つの難病に対して固有のエビデンスとガイドラインを常にアップデートし続けていくことは、困難を伴う時代であるとも言える。22q11.2欠失症候群を難病モデルと位置づけ、その支援ガイドラインを他の疾患・難病にも汎用可能なものへと敷衍することも本研究開発では進めた。厚生労働省の提供する「指定難病患者データベース及び小児慢性特定疾病児童等データベース」から各難病固有の特徴や予後を知り、支援ガイドラインを汎用化する際の基礎資料を得るため、東京大学臨床疫学・経済学教室との共同研究体制を構築し、研究実施について東京大学医学部倫理委員会からの承認を得た。さらに、支援コーディネーターの育成・多分野の知識集積・人材交流のプラットフォーム構築として、当事者家族から、東京大学医学部附属病院が主催する文部科学省高度医療人材養成プログラム「職域・地域架橋型-価値に基づく支援者育成」事業で講演を行っていただいた。本研究を通じて、研究のデザインの段階から当事者・家族が参加するpatient-public involvement (PPI)を一貫して進め、日本の医学研究における研究の共同創造のモデルを示した。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Tamune H, Kumakura Y, Morishima R, Kanehara A, Tanaka M, Okochi N, Nakajima N, Hamada J, Ogawa T, Nakahara M, Jinde S, Kano Y, Tanaka K, Hirata Y, Oka A, Kasai K: Toward co‐production of research in 22q11.2 deletion syndrome: Research needs from the caregiver's perspective. Psychiatry Clin Neurosci. 2020, Sep 9. doi: 10.1111/pcn.13141.

2.笠井清登ら編:人生行動科学としての思春期学.東京大学出版会、2020.9(本症候群家族会の方に5章(pp287-298「医療を必要とする子どもの親の立場から」)を執筆いただいた)

3.熊倉陽介:身体・知的・精神の重複障害のある人のトランジション(4章).In: 笠井清登ら編:人生行動科学としての思春期学.東京大学出版会、2020.9, pp251-264

4.熊倉陽介、森島遼、田中美歩、金原明子、大河内範子、中島直美、濱田純子、小川知子、田宗秀隆、中原睦美、神出誠一郎、金生由紀子、岡明、笠井清登.22q11.2欠失症候群のある人の家族を対象としたウェブニーズ調査.統合失調症研究(10)1, p164, 2020.3(第15回日本統合失調症学会抄録号)

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.笠井清登:22q11.2欠失症候群をもつ本人・家族の統合的支援ガイダンス.2019年度AMED難治性疾患・免疫アレルギー疾患合同成果報告会、東京、2020年2月7日、ポスター

不明 / ポスター

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み
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1.笠井清登、AMED難病班 22q11.2欠失症候群・統合的支援研究 2020年度第一回班会議(ウェブ開催)、2020/5/17、国内

国内

2.笠井清登・当事者・家族会(22ハートクラブ)、Annual 22q at the Zoo(動物園イベント)、2020/5/17、国内

国内

3.笠井清登・熊倉陽介、AMED難病班 22q11.2欠失症候群・統合的支援研究 2020年度第二回班会議(ウェブ開催)、2020/12/28、国内

国内



更新日:2022-05-11

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