AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
球脊髄性筋萎縮症の適正治療に関するエビデンス構築のための臨床研究
課題管理番号
20ek0109359h0003
統合プロジェクト
ゲノム・データ基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
難病克服プロジェクト
事業名
難治性疾患実用化研究事業
タグ(2020)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/観察研究等
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2019)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2018)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/神経系の疾患
代表研究機関
国立大学法人東海国立大学機構
研究代表者
(2020) 勝野雅央 , 国立大学法人東海国立大学機構 , 名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授
(2019) 勝野雅央 , 国立大学法人名古屋大学 , 大学院医学系研究科 神経内科学・教授
(2018) 勝野雅央 , 国立大学法人名古屋大学 , 大学院医学系研究科・教授
研究期間
2018年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 35,608
  • 2020年度
    10,868
  • 2019年度
    12,740
  • 2018年度
    12,000
研究概要(2020)
前年度に構築したシステムを用い、居住地、家族歴、合併症、内服中の薬剤、重症度、病歴、ADL指標の変化時期、重症度指標、その他の自覚的随伴症状などをレジストリに登録する。さらに、通院可能な患者については、定量的運動機能評価、嚥下機能評価、呼吸機能、電気生理学的解析、血液生化学、筋量測定を行う。また、安静空腹時に血清・尿のサンプルを定期的に採取し、凍結保存を行う。また、申請者らのSBMAのモデルマウスおよび患者脊髄での発現上昇が示されている生体分子の体液中濃度をELISA法により測定するとともに、血清のメタボローム解析を行う。各種探索的バイオマーカーの数値と、既存の定量的運動機能評価の相関を横断的に解析することにより、早期病態を反映するバイオマーカーを抽出し、その妥当性を検証する
研究概要(2019)
前年度に構築したシステムを用い、居住地、家族歴、合併症、内服中の薬剤、重症度、病歴、ADL指標の変化時期、重症度指標、その他の自覚的随伴症状などをレジストリに登録する。さらに、通院可能な患者については、定量的運動機能評価、嚥下機能評価、呼吸機能、電気生理学的解析、血液生化学、筋量測定を行う。また、安静空腹時に血清・尿のサンプルを定期的に採取し、凍結保存を行う。また、申請者らのSBMAのモデルマウスおよび患者脊髄での発現上昇が示されている生体分子の体液中濃度をELISA法により測定するとともに、血清のメタボローム解析を行う。各種探索的バイオマーカーの数値と、既存の定量的運動機能評価の相関を横断的に解析することにより、早期病態を反映するバイオマーカーを抽出し、その妥当性を検証する
研究概要(2018)
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は、本邦における罹病患者数が約2,500名の稀少疾患である。先般、リュープリン酢酸塩(本薬)のSBMAに対する効能が世界に先駆けて承認されたが、最も本薬の治療効果が得られる部分集団は同定できていない。本研究では、発症後のSBMA患者に加えて、発症前駆期(prodromal)患者、ならびに女性保因者も加えた横断的かつ縦断的データベースを構築し、SBMAの適正治療に関するエビデンスを構築する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
球脊髄性筋萎縮症(以下、SBMA)は、本邦の罹病患者数が約2,500名の稀少疾患である。2017年にリュープリン酢酸塩(以下、リュープリン)のSBMAに対する効能が世界に先駆けて承認されたが、リュープリンの適正治療のエビデンスは整っていない。本研究では、SBMAの適正治療に関するエビデンスを構築することを目的に、発症後のSBMA患者に加えて、発症前駆期(prodromal)患者、ならびに女性保因者も加えたデータベースを構築した。
前年度まで集積し今年度も継続して収集を継続している臨床データと、今年度新たに組み込んだ被験者で、合計392例分の臨床データを解析した。本研究開発計画に沿い、①リュープリンの実臨床下における有効性を推定するためのリュープリン導入前後におけるprogression slopeの比較、②新規に開発した複合評価指標の有用性の検討、③特にprodromal期に注目したバイオマーカー候補である血清Neurofilament light chain(以下、NfL)の有用性の検討を行った。392例の縦断解析対象例について、リュープリン介入前後のALSFRS-R合計スコアの1年あたりの変化量を最小二乗法を用いて推定したところ、介入前では-0.402±2.259、介入後では-0.490±1.879であり、導入前後に有意な変化は認めなかった。そこで、リュープリン投与開始前後2年間の観察記録が存在する47例を特に抽出して経時変化を比較したしたところ、介入前では-0.528 ±0.634/年、介入後では-0.292±1.471 /年(p = 0.3185)と、統計学的には有意ではないが、投与開始後に進行が緩やかになる傾向が示された。より正確な定量評価を目的に、複数の定量的筋力指標を用いた複合スコア(以下、SBMAFC)を開発しその有用性を検討した。レジストリに登録された49例におけるSBMAFCの48週間の経時的変化を、効果量(effect size)を示す指標の1つであるSRM(standardized response mean)を算出し既存の評価スケールと比較したところ、SBMAFCが0.556、ALSFRS-Rが0.277、SBMAFRSが0.311であり、SBMAFCが最も鋭敏な指標であることが示唆された。血清NfLを、prodromal期男性患者(ALSFRS-Rが45点以上)、女性保因者、および各群のコントロール(健康被験者)を対象に測定したところ、prodromal期男性患者ではコントロールに比較し有意に高値であった(prodromal期男性患者18.7±5.9 pg/ml、健康男性11.0±2.4 pg/ml)。女性保因者もコントロールに比較して高値となる傾向がみられた(女性保因者:15.2±5.9 pg/ml,健康女性13.4±5.5 pg/ml)。まだ明確な臨床症状を呈していないprodromal期やpreclinical期においても神経損傷の程度が血清から類推できる可能性を示しており、血清NfLが早期SBMA患者の有力なバイオマーカー候補であることが明らかとなった。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Hashizume A, Fischbeck KH, Pennuto M, Fratta P, Katsuno M. Disease mechanism, biomarker and therapeutics for spinal and bulbar muscular atrophy (SBMA). J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2020 Oct;91(10):1085-1091. doi: 10.1136/jnnp-2020-322949.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.Hashizume A, Hijikata Y, Yamada S, Ito D, Kishimoto Y, Katsuno M. Evaluation of efficacy of leuprorelin acetate for the subjects with SBMA using real world data. 日本神経学会学術大会, 2020/8, 国内, ポスター.

国内 / ポスター

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み
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1.球脊髄性筋萎縮症患者会における講演会、勝野雅央、2020/10/10

不明



更新日:2022-05-11

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