AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
分子病態に基づく筋萎縮性側索硬化症の遺伝子治療開発
課題管理番号
20ek0109337h0003
統合プロジェクト
再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
難病克服プロジェクト
事業名
難治性疾患実用化研究事業
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/治験
/承認上の分類/再生医療等製品
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/再生医療等製品
/対象疾患/神経系の疾患
タグ(2018)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/再生医療等製品
/対象疾患/神経系の疾患
代表研究機関
学校法人自治医科大学
研究代表者
(2020) 村松慎一 , 学校法人自治医科大学 , 医学部・内科学講座 神経内科学部門・教授
(2019) 村松慎一 , 学校法人自治医科大学 , 医学部・内科学講座 神経内科学部門・教授
(2018) 村松慎一 , 学校法人自治医科大学 , 医学部・内科学講座・神経内科学部門・教授
研究期間
2018年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 390,000
  • 2020年度
    117,000
  • 2019年度
    156,000
  • 2018年度
    117,000
研究概要(2020)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、運動ニューロンにおいてRNA編集酵素adenosine deaminase acting on RNA 2 (ADAR2) の発現が低下し、グルタミン酸AMPA受容体のGluA2サブユニットが未編集型となっている。この変化はALSに特異的な分子異常であり運動ニューロン死の原因である。本研究では、血液脳関門を透過するアデノ随伴ウイルスベクター(AAV.GTX)を応用して、このALSの分子病態に基づいた遺伝子治療を世界に先駆けて臨床応用することを目標とする。2015年度より、本事業のステップ1課題として、臨床グレード(GMPレベル)のAAVベクターを作製する体制を構築してきた。医師主導の治験を実施し安全性を確認するとともに期待感のある有効性を示す成果を得てヒトにおけるPOCを確立する。
研究概要(2019)
Sf-Rhabdovirus negativeのSf9細胞を使用したマスターセルバンクを作製し、治験薬を製造する。バキュロウイルス法のバックアップとしてHEK293細胞を使用した製造も行う。新規作成したGCTPベクターによる非臨床試験を実施し、その結果を踏まえてPMDAの対面助言を行い、治験のプロトコールを確定する。治験準備のため、各種SOPの整備、モニタリングの手順、監査実施方法等を確認し、JaCALSの自然歴を参照した評価方法を設定する。神経細胞由来のエクソソームを単離し、ALSに関するバイオマーカーを特定する。ALS患者の血漿から特異抗体を利用して神経細胞由来のエクソソームを分離する。プロテオミックス解析を行い、バイオマーカー分子を同定する。
研究概要(2018)
血液脳関門を透過し脳と脊髄の広範な領域の神経細胞に遺伝子導入可能な改良型AAVベクターを使用して筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態に基づく遺伝子治療を開発する. 孤発性ALSでは, 運動神経細胞でRNA編集酵素ADAR2の活性が低下しており, グルタミン酸受容体のカルシウム透過性が亢進し細胞変性が生じる. そこで, AAVベクターにADAR2遺伝子を搭載し, ALS患者の脊髄腔内に投与する治験を計画している.

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の遺伝子治療に供する治験薬(ADAR2を搭載したAAV.GTXベクター)のGCTP基準による製造を実施した。AAV.GTXは、チロシン変異型の外殻蛋白質を持つアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターで、血液脳関門を透過し広範な領域の脊髄・脳幹の神経細胞に治療用遺伝子であるADAR2を送達できる。バキュロウイルス法に加えHEK293細胞を用いた製造法を確立し、治験薬を製造した。バキュロウイルス法では、ベクター精製過程におけるSf-rhabdovirus (Sf-RV)の混入のない除去法を構築しているが、新たにSf-RV Negativeの細胞を使用した製造方法を確立した。この間、平行してHEK293細胞の浮遊培養による製造を行い治験薬を製造した。本課題で確立したこれらの製造方法は、今後、他のAAVベクター製剤の製造における基盤技術であり、多くの疾患に対する治験を速やかに進めることが可能となる。ラットを使用した非臨床試験で、髄腔内投与により安全性に問題がないことを確認した。バキュロ法およびHEK293法により作製されたベクターの生物活性を比較し、両方法ともに期待される生物活性が得られていることを確認した。ベクター製造における品質・安全性、非臨床試験の要件、治験のプロトコールについて、PMDA薬事戦略相談を実施した。COVID-19の影響でベクター製造用の資材の供給が1年以上にわたり停止したため治験開始が遅れたが、本課題終了後に継続し可及的速やかに完了する。患者血中エクソソームとモデル培養細胞上清中に放出される細胞内分子の解析を行い、複数の候補分子を見出した。
学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.Muramatsu S: CNS gene therapy using AAV vectors in Japan. The 10th Conference of International Collaborative Forum for Gene Therapy of Genetic Diseases, Jan 16, 2020, Tokyo. (口頭)

不明 / 口頭

2.Kwak S: Development of gene therapy for amyotrophic lateral sclerosis based on molecular mechanism. Gene & Cell Therapy Symposium, Feb 22 2020, Tokyo. (口頭)

不明 / 口頭

3.Atsuta N, Hayashi N, Nakamura R, Katsuno M, Izumi Y, Kanai K, Taniguchi A, Morita M, Kano O, Shibuya K, Kuwabara S, Suzuki N, Aoki M, Oda M, Ohta Y, Abe K, Hattori N, Kaji R, Sobue G, JaCALS: Prognosis and clinical features of ALS patients in Japan. 第61回日本神経学会学術大会, 2020年8月31日-9月2日, 岡山. (口頭)

不明 / 口頭

4.AAVベクターによる神経疾患の遺伝子治療, 村松慎一, 薬物動態談話会, 2020/11/19, 国内, 口頭

国内 / 口頭

5.郭 伸 「孤発性ALSの分子標的治療」, 第3回JMU-CGTRシンポジウム2021, 2021/2/17, 国内, 口頭

国内 / 口頭

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み
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1.いま、拡がる遺伝子治療―AAVベクターが変える難病治療, 村松慎一, AMED再生・細胞治療・遺伝子治療公開シンポジウム, 2021/2/3, 国内

国内



更新日:2023-04-25

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