AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構（AMED）の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

• 2020
• 2019
• 2018

【成果報告書】

成果の概要

（１）無作為化比較試験による低線量CT肺がん検診の有効性と過剰診断の評価
令和２年度は、新型コロナ感染症の影響で4月開始の予定を中断、コロナ感染対策の方策を十分に検討したうえで8月から研究を再開し得た。コロナ感染対策のために、「住民検診型」の実施ができなくなったこと、「施設検診型」であっても「密」を避けるために1日の実施人数を絞らなければならなかったこと、全国的なコロナ禍により新規の研究参加施設がほとんど見込めなくなったことなどから、症例の登録は非常に厳しい環境に置かれたが、その中でも何とか単年度内に2,424例の登録を達成し、2020年度末には累積で18,648例の参加を得ることができた。コロナ禍の中にあっても何とか症例数を確保できた理由の一つとして、施設検診型が増えていたことも重要な点と考えられた。
　令和元年度までの両群合わせたE判定（肺癌疑いで要精密検査）757例に対して、精査結果連絡票未提出例に関する督促を順次実施している。令和３年２月中旬までに合計560例（74％）の精査結果連絡票を回収できた。

（２）無作為化比較試験による肺がん検診モダリティ別の受診後QOL比較
本課題では、令和元年度までにSF8を中心とした質問票によるQOL調査および調査票の回収を完了し、Preliminaryな解析結果を日本CT検診学会で報告した。令和２年度には新型コロナ感染症対策に人員と労力と割かざるを得ない状況となったために、若干の予定の遅れが生じ、現在、論文化に向けて作業を行っている。

（３）低線量CT肺がん検診における画像の特徴と治療の適応に関する研究
本課題では、予定通りCT画像の更なる収集に加えて、各研究参加施設の画質評価および要精検とされたケースの画像上の問題点の有無を評価している。現在、論文化へ向けて、更なる症例収集を進めると共に、より詳細な解析を行っている。

学会誌・雑誌等における論文一覧

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1.佐川元保．肺がん検診の現状と展望．胸部外科 74(1): 74-83, 2021.1

2.佐川元保、他．低線量CT肺がん検診は対策型検診として導入できるか？　―有効性評価研究の現況から―．CT検診 27(2): 3-7, 2020.7

3.須藤恵美、目時弘仁、小林　健、西井研治、田中洋史、佐藤雅美、中山富雄、佐川元保、他．低線量CT肺がん検診の無作為化比較試験参加者への健康関連QOLアンケート調査のPreliminary Report　―試験デザインと回収状況―．CT検診 27(2): 8-11, 2020.7

4.佐川元保, 中山富雄, 芦澤和人,小林 健,佐藤雅美,西井研治,他．「肺がん検診の手引き」2020改訂のねらい　特に「読影医の条件」と「症例検討会の実施」について．肺癌60(7): 929-935, 2020.12

5.Nakagiri T, Nakayama T, et al. Novel Imprint Cytological Classification for Small Pulmonary Adenocarcinoma Using Surgical Specimens: Comparison with the 8th Lung Cancer Staging System and Histopathological Classification. J Cancer. 2020 Feb 21;11(10):2845-2851. doi: 10.7150/jca.35027. eCollection 2020. PMID: 32226502

6.Tomoyuki Nakagiri, Tomio Nakayama, et al. Intraoperative Diagnosis and Surgical Procedure with Imprint Cytology for Small Pulmonary Adenocarcinoma J Cancer 2020; 11(10):2724-2729. doi:10.7150/jca.35026

7.Tadashi Umehara, Masami Sato, et al. Why does pulmonary vein thrombus predominantly develop after left upper lobectomy? Journal of Thoracic Disease. 2021/01; 13(1): 420-421. doi:10.21037/jtd-20-3411.

8.Sonoda Y, Ashizawa K, et al. Reduced Tumorigenicity of Mouse ES Cells and the Augmented Anti-Tumor Therapeutic Effects under Parg Deficiency cancers, 2020, doi:10.3390/cancers12041056

9.Gyotoku H, Ashizawa K, et al. Prediction of Anti-Cancer Drug-Induced Pneumonia　in Lung Cancer Patients: Novel High-Resolution　Computed Tomography Fibrosis Scoring. Jounal of Clinical Medicine, 2020, DOI: 10.3390/jcm9041045

10.otsu Y, Ashizawa K, et al. Dabrafenib and trametinib therapy in an elderly patient with non-small call lung cancer harboring the BRAF V600E mutation. Thoracic Cncer, 2021 Jan;12(2):272-276. doi: 10.1111/1759-7714.13756

11.Masaya Aoki, Masami Sato et al. Targeted Therapy Followed by Cytotoxic Chemotherapy in Preoperative Patients with Locally Advanced Lung Adenocarcinoma. ANTICANCER RESEARCH. 2020/05; 40(5): 2911-2916. Doi:10.21873/anticanres.14268.

12.Norihiko Ikeda, Masami Sato, et al. Current status of surgery for clinical stage IA lung cancer in Japan: analysis of the national clinical database. Surgery Today. 2020, 50(12):1644-1651. Doi:10.1007/s00595-020-02063-x.

13.芦澤和人.私の診療経験から―肺癌の胸部単純X線診断―.　臨牀と研究. 2020; 97(6): 758-761.

14.Tadashi Umehara, Masami Sato et al. Four-dimensional flow magnetic resonance imaging study to explain high prevalence of pulmonary vein stump thrombus after left upper lobectomy. JOURNAL of THORACIC DISEASE. 2020/10; 12(10): 5542-5551. Doi:10.21037/jtd-20-1606.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター

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1.低線量CT肺がん検診画像の読影自己演習のためのeランニングシステムの構築.　丸山雄一郎、芦澤和人、小林　健、他．第28回日本CT検診学会学術集会、2021/2/21,　国内、口頭（オンデマンド配信）

国内　/　口頭

2.単純X線写真・CT画像によるじん肺の評価実験.　森　奈々、芦澤和人、他.　第28回日本CT検診学会学術集会、2021/2/21、国内、口頭（オンデマンド配信）

国内　/　口頭

3.肺癌の胸部単純X線診断　-読影のポイントと演習ー.　芦澤和人.　岡山胸部疾患研究会講演会.　2021/3/6, 国内、口頭（Web配信）

国内　/　口頭

4.Japanese CT Screening Trial-The JECS Study. 佐川元保．第60回日本肺癌学会学術集会，2020．11．12．国内、口頭

国内　/　口頭

5.日本における低線量CT検診の有効性評価－日立コホート研究．名和　健、中山富雄、佐川元保、他．第60回日本肺癌学会学術集会，2020．11．12．国内、口頭

国内　/　口頭

6.胸部X線検査の判定基準に関する検診機関・読影医の意識調査．三友英紀、佐川元保、他．第60回日本肺癌学会学術集会，2020．11．12．国内、ポスター

国内　/　ポスター

7.わが国の肺がん検診の現状．中山富雄、第61回日本肺癌学会総会、WS-2　Aiming to Reduce Lung Cancer Mortality- Lung Cancer Screening; What’s Next?　2020/11/12, 国内, 口頭.

国内　/　口頭

8.肺がん検診における精度管理の重要性、中山富雄、第61回日本肺癌学会総会、肺がん検診セミナー、2020/11/14, 国内, 口頭

国内　/　口頭

9.肺癌のCT診断の基本、芦澤和人.第61回日本肺癌学会学術集会、2020/11/12-14，国内、口頭（Web）

国内　/　口頭

10.特別企画４　感染症を極める　２画像：呼吸器感染性の画像診断, 芦澤和人、第94回日本感染症学会学術講演会, 2020/08/20, 国内、口頭(Web）.

国内　/　口頭

11.教育セッション がん遺伝子パネル検査の実装～がんゲノム医療拠点病院の立場より～.　芦澤和人.第20回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2020 in長崎. 2020/10/03, 国内, 口頭(Web）.

国内　/　口頭

12.再発形式と予後から考える胸膜上皮性腫瘍の術式選択. 武田亜矢、佐藤雅美、他．第37回日本呼吸器外科学会学術集会. 2020/09/30、国内、口頭(Web）

国内　/　口頭

13.非小細胞肺癌におけるALKBH４の発現とその臨床病理学的重要性. 青木雅也、佐藤雅美、他．第73回日本胸部外科学会定期学術集会. 2020/10/29、国内、口頭(Web）

国内　/　口頭

14.EGFR変異の頻度は母系の起源の違いにより異なる：ミトコンドリアDNAの解析. 上田和弘、佐藤雅美、他．第61回日本肺癌学会学術集会. 2020/11/12、国内、口頭

国内　/　口頭

15.充実径1.0㎝～3.0㎝の原発性肺癌完全切除例の検討：solidT1bに術後補助化学療法の適応はないか？　前田光喜、佐藤雅美、他．第37回日本呼吸器外科学会学術集会. Web開催. 2020/09/29"

不明　/　

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み

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1.がんと検診, 中山富雄, 第55回がん医療セミナーONCOLO Meets Cancer Experts (OMCE) 2020, 2020/07/31, 国内

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2.コロナとがん患者～受診控えはいつまで続く？, 中山富雄, ちゃやまちキャンサーフォーラム2020, 2020/11/14, 国内

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