AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構（AMED）の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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【成果報告書】

成果の概要

慢性肉芽腫症（CGD）は希少疾患であるが、感染症を繰り返す重症の原発性免疫不全症である。その約半数にCGD腸炎（広義の炎症性腸疾患（IBD））を合併する。これまで、CGD腸炎では確立した治療法はなく、IBDに準じて免疫抑制治療が行われた。しかし、免疫不全症では感染症の危険性が著しく悪化するため、感染症をおこさず抗炎症作用を示す治療法の開発が求められている。
サリドマイドは選択的抗サイトカイン作用によって、易感染性を悪化せず抗炎症作用を示す可能性があり、クローン病や潰瘍性大腸炎などで有効性が報告される。そこで、軽症から中等症までのCGD腸炎を対象に、医師主導治験『慢性肉芽腫症に関連する腸炎患者を対象としたサリドマイド口腔内崩壊錠のプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験』を実施し、サリドマイドの有効性と、易感染性を含むCGDにおける安全性について検討した。今年度は、前年度に試験を開始した1例と、新規登録被験者1例について臨床試験を完了した（目標症例数8例中6例終了）。今年度の被験者は、二重盲検期に疾患活動性が悪化したため、実薬投与期へ移行したが、軽快しなかったため試験を中止した。その後、CGD腸炎に対する従来の治療を行うことで腸炎は軽快したが、感染症を合併した。本有害事象について治験調整医師および全治験実施施設の治験責任医師と協議して、治験の継続は可能と判断した。本治験では、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」および「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」に基づき、モニタリングを実施した。なお、本疾患は希少疾患のため、2020年1月以降COVID-19の影響により遠方からの来院自粛なども、被験者組み入れ遅延に影響したと推測される。また、学術集会や研究会で治験に関する広報活動を行ったが、感染対策のため会場での情報収集は困難だった。しかし、本治験においてこれまで大半の被験者で実薬投与期に治療効果が得られたことから、本治験薬はCGD腸炎の治療法の確立に貢献し得ると考える。そこで、目標症例数に到達しなかった場合の適応拡大申請について、2022年度に医薬品医療機器総合機構の事前面談を実施し、2024年度の承認申請に向けた方策を検討することで、研究者および治験薬提供者と意見が一致した。

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター

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1.播種性BCG感染症を発症したIFNγR1完全欠損症、岡井真史, 石川尊士, 丸山悠太, 吉田美智子, 庄司健介, 加藤元博, 坂口大俊, 富澤大輔, 中林一彦, 重村倫成, 岡田賢, 内山徹, 小野寺雅史, 河合利尚、第12回関東甲越免疫不全症研究会、東京、2021.9.19

不明　/　

2.慢性肉芽腫症関連炎症性腸疾患の内視鏡所見の検討、柏木項介、河合利尚、藤川皓基、宇佐美雅章、竹内一朗、清水泰岳、岡井真史、石川尊士、新井勝大、口演、日本小児科学会学術集会、2021/4/17、京都

不明　/　口頭

3.慢性肉芽腫症に対する同種骨髄移植後の二次性生着不全に対して再移植を実施した2例、須川正啓, 坂本謙一, 坂本淳, 清水聡一郎, 藤森健太郎, 寶月啓太, 松井俊大, 竹林晃, 松川幸弘, 山田悠司, 牛腸義宏, 坂口大俊, 山田全毅,内山徹, 河合利尚, 塩田曜子, 清谷知賀子, 寺島慶太, 加藤元博, 松本公一, 富澤大輔、第56回小児血液腫瘍症例検討会．東京．2021.3.27

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4.A case of Wiskott-Aldrich syndrome in which hematopoietic stem cell transplantation effectively treated eczema.Inuzuka Y, Fukuie T, Kabashima S, Yamamoto-Hanada K, Sakamoto K, Shimizu S, Kawai T, Uchiyama T, Nakadate H, Kato M, Ishiguro A, Yukihiro Ohya Y, Asia Pacific Academy of Pediatric Allergy, Respirology and Immunology 2021.

不明　/　

5.臨床医による基礎研究、河合利尚、口演、ワークショップ、第53回日本小児感染症学会学術集会、2021/10/9、東京

不明　/　口頭

6.慢性肉芽腫症に合併する炎症性腸疾患、河合利尚、口演、シンポジウム、第4回日本免疫不全・自己炎症学会学術集会、2021/2/7、東京web開催

不明　/　口頭

7.造血幹細胞を標的とした遺伝子治療、河合利尚、口演、シンポジウム、日本小児科学会学術集会、2021/4/16、京都

不明　/　口頭

8.本邦の小児・成人炎症性腸疾患患者におけるEpstein-Barr virus感染状況と関連因子の検討．三浦みき，齋藤大祐，清水泰岳，三好潤，松浦稔，工藤孝広，平山大輔，吉田正司，新井勝大，岩間達，仲瀬裕志，清水俊明，久松理一：第12回日本炎症性腸疾患学会学術集会，2021.11.26，国内，口頭．

国内　/　口頭

9.内視鏡所見を中心とした家族性地中海熱関連腸炎の臨床像．我妻康平，松本主之，江崎幹宏，国崎玲子，松浦稔，大宮美香，荒木寛司，渡辺憲治，本谷聡，小林拓，上野伸展，細見周平，横山薫，松野雄一，大井充，新井勝大，石川大，酒見亮介，吉川周作，中村正直，小山文一，横山純二，櫻庭裕丈，武田輝之，吉田雄一朗，山本真義，細矢匡，久松理一，仲瀬裕志：第12回日本炎症性腸疾患学会学術集会，2021.11.26，国内，口頭．

国内　/　口頭

10.慢性肉芽腫関連腸炎の内視鏡・病理所見の検討．柏木項介，河合利尚，義岡孝子，桜井俊之，藤川皓基，宇佐美雅章，竹内一朗，清水泰岳，岡井真史，石川尊士，猿田雅之，新井勝大：第12回日本炎症性腸疾患学会学術集会，2021.11.26，国内，口頭．

国内　/　口頭

11.小児炎症性腸疾患における便中カルプロテキチン・便中ヘモグロビンの有用性に関する多施設共同前方視研究．清水泰岳，江花涼，工藤孝広，岩間達，細井賢二，竹内一朗，新井勝大，清水俊明：　第12回日本炎症性腸疾患学会学術集会，2021.11.26，国内，口頭

国内　/　口頭

12.思春期の炎症性腸疾患の子どもをもつ親のＱＯＬと心理的特徴についての検討．野村智実，平野友梨，大沼実華子，清水泰岳，竹内一朗，新井勝大：第48回日本小児栄養消化器肝臓学会，2021.10.2-3，国内，口頭．

国内　/　口頭

13.慢性肉芽腫症関連炎症性腸疾患の内視鏡所見の検討．柏木項介, 河合利尚, 藤川皓基, 宇佐美雅章, 竹内一朗, 清水泰岳, 岡井真史, 石川尊士, 新井勝大：　第124回日本小児科学会学術集会，2021.4.16，国内，口頭．

国内　/　口頭

14.急性骨髄性白血病治療の現状と展望:成人からみえてくる小児治療の将来、口頭、盛武 浩、第10回日本血液学会東海地方会、2021

不明　/　口頭

15.Clonal architecture and its prognostic significance in KMT2A-rearranged acute myeloid leukemia.口頭,Matsuo H, Yoshida K, Nannya Y, Kamikubo Y, Saito S, Koga Y, Moritake H, Terui K, Kawaguchi K, Okamoto Y,Nakayama H, Kanno M, Hino M, Akane Y, Inoue A, Shimada A, Goto H, Ueno H, Takita J, Yamato G, Shiba N, Hayashi Y, Shiraishi Y, Miyano S, Kiyokawa N, Tomizawa D, Taga T, Tawa A, Ogawa S, Adachi S,第83回 日本血液学会学術集会, 2021

不明　/　口頭

16.慢性肉芽腫症におけるMethylotroph infection.山田雅文、第4回 日本免疫不全・自己炎症学会総会　共催セミナー　「原発性免疫不全症における治療困難な感染症　～病態と治療～ 」 2021.2.6

不明　/　

17.若年性骨髄単球性白血病様の所見を呈したdeep intronic mutation によるNEMO deficiencyの診断と病態について、植木将弘，大畑央樹，竹崎俊一郎，信田大喜子，原和也，寺下友佳代，杉山未奈子平林真介，長祐子，井口晶裕，真部淳，山田雅文、第4回 日本免疫不全・自己炎症学会総会 2021.2.6 web開催

不明　/　

18.低ガンマグロブリン血症と特発性門脈圧亢進症を合併したRAS関連自己免疫性リンパ球増殖症候群、大畑央樹, 竹崎俊一郎，信田大喜子，植木将弘，藤田祥二, 木田毅, 山田雅文、第5回 日本免疫不全・自己炎症学会総会 2022.2.11 web開催

不明　/　

19.XIAP欠損症における臨床像と移行期医療における問題点、戸板成昭, Shimaa Said Abdrabou, 渡邊敏史, 藤原伸一, 高橋美智子, 真部淳, 山田雅文、第5回 日本免疫不全・自己炎症学会総会 2022.2.11 web開催

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20.本邦におけるElapegademase 製剤使用中のADA欠損症の臨床像、宮村能子, 山田雅文, 内山徹, 小野寺雅史、 第5回 日本免疫不全・自己炎症学会総会 2022.2.12 web開催

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「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み

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1.小児のIBD治療について．新井勝大：日本炎症性腸疾患学会（ＪＳＩＢＤ）市民公開講座， 2021.10.31，国内，Web配信．

国内