AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
C型肝硬変等に対するCBP/βカテニン阻害剤を用いた抗線維化治療薬の開発
課題管理番号
20lm0203057h0003
統合プロジェクト
シーズ開発・研究基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
革新的医療技術創出拠点プロジェクト
事業名
橋渡し研究戦略的推進プログラム
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/治験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/感染症および寄生虫症
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/治験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/感染症および寄生虫症
タグ(2018)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/治験
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/感染症および寄生虫症
代表研究機関
地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院
研究代表者
(2020) 木村公則 , 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院 , 肝臓内科・部長
(2019) 木村公則 , 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院 , 肝臓内科・部長
(2018) 木村公則 , 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院 , 東京都立駒込病院・部長
研究期間
2018年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 251,499
  • 2020年度
    75,400
  • 2019年度
    78,999
  • 2018年度
    97,100
研究概要(2020)
肝硬変が進行した非代償性肝硬変になると予後不良で、Child分類 Cの3年生存率は約30%である。しかし、非代償性肝硬変に対する現行の内科的治療法では進行を遅らせる対症療法のみである。肝硬変の病態である線維化に対する治療薬は国内外で現在実用化されておらず、治療薬の開発は喫緊の課題である。本研究提案では、PRI-724のHCV及びHBVの肝硬変に対する多施設による安全性、有効性を検証する医師主導治験を実施する。治験成果により有効な治療薬開発が実現すれば、肝硬変に伴う様々な合併症も改善され、肝細胞癌の発症も予防出来、治療法のない非代償性肝硬変患者を救済するだけでなく、医療経済的にも貢献する事が期待される。本研究計画では2020年度にPhaseIIa試験への開始、治験登録終了までを到達目標とする。
研究概要(2019)
進行した非代償性肝硬変の病態は現行の内科的治療法では進行を遅らせる対症療法のみで、肝硬変自体に対する治療薬(抗線維化薬)は存在しない。研究開発代表者等が実施したCBP-β-カテニン阻害剤PRI-724のPhaseI治験(PRI-724-1101試験)では、治験薬投与後C-P分類B症例の数名に肝予備能の改善が認められ、肝組織像所見から線維化面積の減少も認められた。本研究提案では、PRI-724のHCV及びHBVの肝硬変に対する多施設による安全性、有効性を検証する医師主導治験を実施する。治験成果により有効な治療薬開発が実現すれば、肝硬変に伴う様々な合併症も改善され、肝細胞癌の発症も予防出来、治療法のない非代償性肝硬変患者を救済するだけでなく、医療経済的にも貢献する事が期待される。本研究計画では平成31年度に進行中のPhase I試験を継続し、PhaseIIa試験への開始、治験終了、データ固定までを到達目標とする。
研究概要(2018)
PRI-724のC型及びB型肝硬変に対する多施設共同治験による安全性・有効性を検証するPhase I/IIa試験の治験実施計画書を完成し、IRB申請、治験届を提出する。患者登録を開始し。Phase I試験を駒込病院で行う。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
1)OP-724(PRI-724)のHCV及びHBV肝硬変等に対する多施設共同治験による安全性・有効性の検討;Phase I/IIa試験
Phase I/IIa試験(PRI-724-2101)のOP-724投与開始後から35日間の第I相段階の安全性および薬物動態のデータを総合的に評価した結果、第IIa相における推奨用量を280 mg/m 2 /4hrに決定した。令和2年6月以降は第IIa相段階に進み、都立駒込病院に国立国際医療研究センター国府台病院、九州大学病院を加えた3施設にて、第I相段階で決定した用量280mg/m 2 /4hrを目標症例数16名の患者に投与する計画で試験を進めた。当初の計画では令和2年12月頃の治験登録終了を見込んでいたが、COVID-19の影響により遅れを生じ、令和3年3月24日付けで治験登録を終了した。第IIa相段階への最終登録者数は15例(都立駒込病院:12例、国立国際医療研究センター国府台病院:2例、九州大学病院:1例)であった。

2)OP-724(PRI-724)の肝硬変に対する抗線維化治療効果の評価系の確立
あらかじめ駒込病院から送付されたPRI-724-2101試験のOP-724投与前後の肝生検組織標本を用いて、治療効果評価委員会事務局にてHE染色および鍍銀染色のバーチャルスライドを作成して治療効果評価委員(病理医) 3名に送付し、各委員に評価を依頼した。令和3年3月に第2回治療効果評価委員会(web会議)を開催し、各委員の評価を基に評価の異なっている項目については、サンプル画像を共有して協議を行い、評価対象標本(140mg/m 2 /4hr 群:3症例6標本、380mg/m 2 /4hr 群:6症例11標本)の評価結果を決定した。評価項目は新犬山分類とmodified HAI スコアで、それぞれの最終評価結果を得た。

3)OP-724(PRI-724)の肝硬変に対する抗線維化治療メカニズムの解析
OP-724(PRI-724)の抗線維化作用機序の解明のため、20~24ヶ月齢の線維化を発症させた高齢HCV-TgモデルマウスにOP-724投与後の肝臓内リンパ球を用いて1細胞トランスクリプトーム解析を実施した。マクロファージに興味ある変化が認められ、OP-724投与後の線維化改善に寄与している可能性が示唆された。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Anti-tumor Activity of the Small Molecule Inhibitor PRI-724 Against β-Catenin-activated Hepatocellular Carcinoma. Gabata R, Harada K, Mizutani Y, Ouchi H, Yoshimura K, Sato Y, Kitao A, Kimura K, Kouji H, Miyashita T, Tajima H, Ohta T. Anticancer Res. 2020 Sep;40(9):5211-5219. doi: 10.21873/anticanres.14524.PMID: 32878809

2.Phosphomolybdic Acid Prevents Nonspecific Nuclear Staining by Picrosirius Red but Is Converted to Molybdenum Blue by Blue Light. Hatori M, Moriya S, Fujimori M, Kobayashi S, Ikota H, Shirabe K, Yokoo H, Kimura K, Saio M. J Histochem Cytochem. 2020 Sep;68(9):621-634. doi: 10.1369/0022155420942620. Epub 2020 Jul 16.



更新日:2022-05-12

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