AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
医薬品の脳内移行性を評価可能な3次元血液脳関門(BBB)デバイスの開発
課題管理番号
21be0304206h0005
統合プロジェクト
再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
再生医療実現プロジェクト
事業名
再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 , 再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業
タグ(2021)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2020)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/再生医療等製品
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2018)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
タグ(2017)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/該当なし<対象とする疾患なし>
代表研究機関
国立大学法人東京大学
研究代表者
(2021) 竹内昌治 , 国立大学法人東京大学 , 東京大学・教授
(2020) 竹内昌治 , 国立大学法人東京大学 , 大学院情報理工学系研究科・教授
(2019) 竹内昌治 , 国立大学法人東京大学 , 東京大学・教授
(2018) 竹内昌治 , 国立大学法人東京大学 , 東京大学生産技術研究所・教授
(2017) 竹内昌治 , 国立大学法人東京大学 , 東京大学生産技術研究所・教授
研究期間
2017年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 264,000
  • 2021年度
    65,000
  • 2020年度
    65,000
  • 2019年度
    49,000
  • 2018年度
    45,000
  • 2017年度
    40,000
研究概要(2021)
ヒトiPS細胞から分化誘導された脳血管内皮細胞およびBBB周辺細胞を用いて、これらが階層的に共培養された3次元BBBデバイスを構築する。これを用いて灌流培養を行い、試験化合物4種(BBB小委員会合意項目)を用いた薬剤透過性試験によりデバイスの機能評価をさらに進める。これら低分子化合物の透過性試験の結果、マーカー遺伝子の発現レベルおよび流れ刺激に対する遺伝子発現変化などについて、不死化細胞を用いて構築した3次元BBBデバイスの結果と比較し、それぞれのデバイス特性を明らかにする。また、ユーザーより要望の高い高分子化合物のBBB透過性についてもその評価系構築に取組み、創薬研究におけるデバイスの有用性を探索する。
研究概要(2020)
不死化BBB細胞またはヒトiPS細胞から分化誘導された脳血管内皮細胞およびBBB周辺細胞を用いて、これらが階層的に共培養された3次元BBBデバイスを構築する。これを用いて灌流培養を行い、P-gpやBCRPなどの薬剤排出トランスポーターがHUVECと比べて高発現していること、及び流路側に局在していることを確認する。TEER値、BBBマーカーの発現解析および試験化合物4種(BBB小委員会合意項目)を用いた薬剤透過性試験を実施し、3次元BBBデバイスの特性評価を行う。デバイス使用に関わるプロトコール、施設間QCを決定し、項目1へのデバイス導出を推進する。
研究概要(2019)
ヒト脳血管内皮細胞による血管壁の構築方法の改良を推進する。トランズウェル型灌流デバイス内に形成された血管壁構造に対して流れ刺激を負荷し、P-gp、BCRPをはじめとする薬物トランスポーターの発現や局在、TEER値、血管内皮マーカーの発現などに対する効果を評価し、BBBの機能を発現するために最適な血管壁構築方法を決定する。さらに本年度は、最適化された血管壁構造とBBB周辺細胞が階層的に共培養された3次元BBBデバイスに対し、神経細胞を導入する。生体脳内を模倣した多種多様な細胞により制御された構造および機能を有すると考えられるが、その生体相関性を評価するために、脳内移行性が既知の薬剤を用いて透過性試験を行い、薬物動態について検証する。
研究概要(2018)
本年度は、より高い生体相関性の実現に向けて、3次元BBBデバイスの構築に取り組む。前年度に導出したBBB構成細胞の3次元共培養法と、灌流可能な血管壁構築技術を組み合わせることで、3次元BBBデバイスを構築し、TEERおよびP-gp, BCRPなどのトランスポーターの発現を計測・解析して、デバイスの特性評価を行う。
研究概要(2017)
流体せん断応力を負荷可能なトランスウェル型灌流デバイスと、血管壁構造と周辺細胞が階層的に共培養された3次元共培養デバイス(3次元BBBデバイス)の開発を実施する。そのために、研究項目1として細胞培養条件の最適化、および研究項目2として生体内に近い流体せん断力を負荷可能な灌流デバイスの開発を推進する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
本年度は、不死化BBB細胞を搭載した3次元BBBデバイスを構築し、TEER値やBBBマーカーの発現を指標として、これまでに構築したヒトiPS由来BBBデバイスとの特性比較を行なった。また、前年度に引き続き、ヒト不死化BBB内皮細胞を播種したBBB灌流デバイスにおいて、試験化合物3種を用いた薬剤透過性試験を様々な流れ条件で実施した。流れ条件0.3~1dyn/cm 2 においては、BBB透過性に関与する種々のトランスポーターの発現が上昇し、とりわけ、薬剤排出ポンプとして知られるP-gpのローダミン排出活性は静置培養と比べ有意に(最大2倍)上昇することを確認した。創薬研究へのデバイスの有用性を示すために、BBBデバイスを用いて受容体介在性トランスサイトーシス(RMT)の評価を行なった。具体的にはトランスフェリン受容体(TfR)に結合してBBBを透過することが知られるMEM-189抗体の透過量を計測した。不死化BBB内皮細胞を用いた場合、コントロール抗体と比較してMEM-189抗体の透過性が高く、低温培養によってその透過性が大きく減少したことから、RMTを検出できている可能性が示唆された。一方、ヒトiPS細胞由来脳内皮細胞を用いた場合、抗体の透過性は不死化脳血管内皮細胞を用いた場合の10分の1程度で、検出感度を改善する必要が生じた。そこで、MEM-189抗体のサンドイッチELISA検出系を独自に開発し、ヒトiPS由来脳血管内皮細胞におけるRMTを評価可能な体制を構築した。
分担研究開発課題では、ヒト不死化BBB細胞を提供するためのストックを維持管理するとともに、細胞培養法の開発や細胞の品質評価、細胞を提供するための指標の探索など、BBBデバイス開発に資する基盤データの取得に取り組んだ(降幡課題)。また、共培養によりヒトiPS細胞由来脳血管内皮細胞の経内皮電気抵抗値を有意に上昇させるヒトiPS細胞由来脳ペリサイトの分化誘導法の開発にも成功した(坡下課題)。
以上の研究成果に関して、論文発表3件、学会発表6件(国外1件、国内5件)、および2件の特許出願を行った。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Miura S, Morimoto Y, Furihata T, Takeuchi S, Functional analysis of human brain endothelium using a microfluidic device integrating a cell culture insert. APL Bioengineering, 2022, 6(1), 016103, doi: 10.1063/5.0085564

2.Morimoto Y, Nagata S, Matsumoto M, Sugawara K, Miura S, and Takeuchi S, Microfluidic system for applying shear flow to endothelial cells on culture insert with collagen vitrigel membrane. Sensors and Acutuators:B. Chemical, 2021, 348, 130675, doi: 10.1016/j.snb.2021.130675

3.Ito R, Morio H, Baba T, Sakaguchi Y, Wakayama N, Isogai R, Yamaura Y, Komori T, Furihata T. In Vitro-In Vivo Correlation of Blood-Brain Barrier Permeability of Drugs: A Feasibility Study Towards Development of Prediction Methods for Brain Drug Concentration in Humans. Pharm Res. 2022, doi: 10.1007/s11095-022-03189-y.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.BLOOD-BRAIN BARRIER SPHEROID ARRAY FOR DRUG-UPTAKE ASSAY, Shima A, Nie MH, Takeuchi S, MicroTAS2021, 国外,ポスター発表

国外 / ポスター

2.Characterization of a human immortalized cell-based BBB triculture model and its potential application to prediction of in vivo drug BBB permeability. Ito R, Morio H, Baba T, Sakaguchi Y, Wakayama N, Isogai R, Yamaura Y, Komori T, Furihata T. 日本薬物動態学会 第36回年会, 2021/11/17, 国内, ポスター発表

国内 / ポスター

3.BBB microphysiology system (MPS)のBBB機能評価基準の選定とヒト不死化細胞モデルでの検証. 北村 貴美子、最上 由香里、豊田 裕子、三原 郁恵、森口 博行、奈良岡 準、降幡 知巳、石田 誠一、佐藤 薫, シンポジウム:細胞アッセイ技術の現状と将来, 2022/1/25, 国内, ポスター発表

国内 / ポスター

4.血液脳関門(BBB)発達時期におけるBBB成熟マーカーの探索およびヒト型 3D in vitro BBBモデルでの発現検証, 最上 由香里、北村 貴美子、松崎 典弥、降幡 知巳、石田 誠一、佐藤 薫. 日本薬学会第142年会, 2022/3/25, 国内, ポスター発表

国内 / ポスター

5.病態解明研究に応用可能なヒトiPS細胞由来脳毛細血管内皮細胞の作製, 山下美紗季, 青木啓将, 青山峰芳, 坡下真大, 松永民秀, 第31回日本医療薬学会年会, 国内, 口頭発表(YIAノミネート)

国内 / 口頭

6.ヒトiPS細胞由来脳ペリサイトの分化誘導法の確立, 西 萌奈, 山下美紗季, 坡下真大, 岩尾岳洋, 松永民秀, 日本薬物動態学会第36回年会、ポスター発表

不明 / ポスター



更新日:2023-04-13

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