AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

> 課題検索詳細

研究課題情報

研究課題名
胆道がんに対する治療法の確立に関する研究
課題管理番号
21ck0106350h0005
統合プロジェクト
ゲノム・データ基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト
事業名
革新的がん医療実用化研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/市販後
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2020)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/臨床試験
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/新生物
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/臨床試験
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/新生物
タグ(2018)
/研究の性格/医療技術・標準治療法の確立等につながる研究<診療の質を高めるためのエビデンス構築<診療ガイドライン作成等>を含む>
/開発フェーズ/臨床試験
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/新生物
タグ(2017)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/臨床試験
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立研究開発法人国立がん研究センター
研究代表者
(2021) 小西大 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 東病院 肝胆膵外科・副院長
(2020) 小西大 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 東病院 肝胆膵外科・副院長
(2019) 奥坂拓志 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 中央病院 肝胆膵内科・肝胆膵内科長
(2018) 奥坂拓志 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 中央病院肝胆膵内科・肝胆膵内科長
(2017) 奥坂拓志 , 国立研究開発法人国立がん研究センター , 肝胆膵内科 ・ 肝胆膵内科長
研究期間
2017年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 61,760
  • 2021年度
    7,150
  • 2020年度
    7,150
  • 2019年度
    9,880
  • 2018年度
    17,580
  • 2017年度
    20,000
研究概要(2021)
根治切除後胆道癌に対する術後補助療法は、いまだエビデンスをもって有効とされる治療法が確立していない。術後補助療法としてのS-1療法の第III相試験(JCOG1202)は、根治切除例を対象として、術後S-1療法の手術単独療法に対する優位性の検証を行うことを目的として実施している。予定登録数440例に対し、予定集積期間中の2018年6月に登録を終了した。5年の登録期間中に、この症例数を集積しえた胆道癌補助療法の研究は世界では類をみないものである。現在追跡期間になっているが、令和3年度中に主たる解析を行う予定である。
研究概要(2020)
根治切除後胆道癌に対する術後補助療法は、いまだエビデンスをもって有効とされる治療法が確立していない。術後補助療法としてのS-1療法の第III相試験(JCOG1202)は、根治切除例を対象として、術後S-1療法の手術単独療法に対する優位性の検証を行うことを目的として実施している。予定登録数440例に対し、予定集積期間中の2018年6月に登録を終了した。5年の登録期間中に、この症例数を集積しえた胆道癌補助療法の研究は世界では類をみないものである。現在追跡期間になっているが、研究代表者として研究の質向上に向け、ここまでのデータのクリーニングを行うとともに、追跡期間の有害事象やイベントの発生などを正確に把握しデータの精度アップに努めていく
研究概要(2019)
本課題においては、胆道がん全体の治療成績の向上をめざして、切除不能および根治切除後の各々に対して第III相試験を行い新治療の有用性を検証することを目的として研究を進めている。今年度は前年度に引き続き班会議等を通じて試験を継続し、研究全体の進捗を管理する。切除不能例本体研究(JCOG1113)は研究の詳細解析の追加や論文化、付随研究(JCOG1113-A1)の解析を実施する予定である。切除不能例二次治療の開発研究(アキシチニブ第II相試験)は詳細解析のうえ論文化を目指し、根治切除例本体研究(JCOG1202)はほぼ計画通りの登録ペースであり、登録終了後5年後まで追跡し、最終解析を予定、付随研究(JCOG1202-A1)においても登録の一層の促進をめざす。
研究概要(2018)
胆道がん全体の治療成績の向上をめざして、切除不能および根治切除後の各々に対して第III相試験を行い新治療の有用性を検証すること
研究概要(2017)
胆道がん全体の治療成績の向上をめざして、切除不能および根治切除後の各々に対して第III相試験を行い新治療の有用性を検証すること

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
本研究はS-1補助療法と標準治療である手術単独療法との第III相試験を実施し、S-1補助療法の有用性を検証(JCOG1202)し、さらに付随研究として登録患者の病理標本を用いてバイオマーカーと治療効果との関連を探索的に検討することを目指している(JCOG1202-A1)。
JCOG1202試験は平成30年6月に予定登録数の440例に達し登録を完了。主たる解析は予定通り登録終了後3年の令和3年8月に行われた。内訳は手術単独群222例、S-1群218例であり、患者背景は両群に差がなかった。S-1群の治療完遂率は72%と、他の胆道癌補助療法の試験と比べ非常に高率であった。主要評価項目であるITT解析による全生存期間において、S-1群は手術単独群に比し有意に良好な成績であり(HR 0.694, 95%CI: 0.514-0.935, P = 0.008)、3年生存率は手術単独群が67.6%であったのに対し、S-1群では77.1%であった。また副次的評価項目である無再発生存期間のHRは0.80(95%CI: 0.61-1.04, P=0.088)であり、3年無再発生存率は手術単独群が50.9%であったのに対し、S-1群では62.4%であった。サブグループ解析では、女性、リンパ節転移陽性例、ステージⅢ/Ⅳ症例、R0切除例にてS-1群が有意に良好な成績であった。S-1群の主なGrade3-4の有害事象は、好中球減少(14%)、胆道感染症(7%)であり、Grade4の非血液毒性は、S-1群で4例に、手術単独群で5例に認められた。両群併せて治療関連死は認められなかった。以上の結果から、切除可能胆道癌に対する術後補助療法として、S-1療法の有効性が示され、かつ非常に忍容性の高い治療法であることが証明された。ITT解析にて胆道癌術後補助療法の有効性が示されたのは世界初であり、今後本邦において標準治療と位置付けられることが期待される。この結果は令和4年1月のASCO-GIにて発表され、現在英文論文を作成中である。胆道癌診療ガイドラインには、令和4年3月にホームページ上に追記として掲載され、その位置づけに関しては次回改訂時に審議されることとなっている。
JCOG1202-A1では、令和2年4月23日にすべての検体収集を完了した。令和2年度中に腫瘍組織からの核酸試料抽出を終了し、続いて遺伝子発現解析を令和2年10月28日に完了している。その後データマイニングの解析を行い、遺伝子発現解析データは令和3年12月1日にデータセンターへ提出した。令和5年度中に統計解析が終了する見込みである。
学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
  • ◀◀
  • 1
  • ▶▶

1.Masafumi Ikeda, Kohei Nakachi, Masaru Konishi, Shogo Nomura, Hiroshi Katayama, Tomoko Kataoka, Katsuhiko Uesaka, Hiroaki Yanagimoto, Soichiro Morinaga, Hiroshi Wada, Kazuaki Shimada, Yu Takahashi, Toshio Nakagohri, Kunihito Gotoh, Ken Kamata, Yasuhiro Shimizu, Makoto Ueno, Hiroshi Ishii, Takuji Okusaka, Junji Furuse. Adjuvant S-1 versus observation in curatively resected biliary tract cancer: A phase III trial (JCOG1202: ASCOT). (Rapid Abstract Session) (Abstract382) ASCO-GI2022 Gastrointestinal Cancers Symposium January 20-22 2022 Virtual

不明 / 

2.Shogo Kobayashi, Kohei Nakachi, Masafumi Ikeda, Masaru Konishi, Gakuto Ogawa, Katsuhiko Uesaka, Hiroaki Yanagimoto, Soichiro Morinaga, Hiroshi Wada, Kazuaki Shimada, Yu Takahashi, Toshio Nakagohri, Kunihito Gotoh, Ken Kamata, Yasuhiro Shimizu, Tetsuo Ajiki, Yasuyuki Kawamoto, Makoto Ueno, Takuji Okusaka, Junji Furuse, Hepatobiliary and Pancreatic Oncology Study Group of Japan Clinical Oncology Group (JCOG) Feasibility of adjuvant S-1 chemotherapy after major hepatectomy for biliary tract cancers: An exploratory subset analysis of JCOG1202. (Poster Session) (Abstract408) ASCO-GI2022 Gastrointestinal Cancers Symposium January 20-22 2022 Virtual

不明 / ポスター

3.戸高明子、仲地耕平、池田公史、小西大、野村尚吾、片山宏、片岡智子、柳本泰明、森永総一郎、和田浩志、島田和明、高橋祐、中郡聡夫、後藤邦仁、鎌田研、清水泰博、上野誠、石井浩、奥坂拓志、古瀬純司. A phase Ⅲtrial of adjuvant S-1 vs observation for resected biliary tract cancer : JCOG1202, ASCOT (Presidential Session) 第19回日本臨床腫瘍学会学術集会 京都 2022/02/18

不明 / 



更新日:2023-04-17

TOPへ