AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
精神疾患のゲノム医療実現に向けた統合的研究
課題管理番号
20km0405208h0005
統合プロジェクト
ゲノム・データ基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
疾病克服に向けたゲノム医療実現プロジェクト
事業名
ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業
タグ(2020)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/基礎的
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2018)
/研究の性格/生命・病態解明等を目指す研究
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2017)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2016)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
代表研究機関
国立研究開発法人理化学研究所
研究代表者
(2020) 加藤忠史 , 国立研究開発法人理化学研究所 , 脳神経科学研究センター 精神疾患動態研究チーム・チームリーダー
(2019) 加藤忠史 , 国立研究開発法人理化学研究所 , 脳神経科学研究センター 精神疾患動態研究チーム・チームリーダー
(2018) 加藤忠史 , 国立研究開発法人理化学研究所 , 脳神経科学研究センター 精神疾患動態研究チーム・チームリーダー
(2017) 加藤忠史 , 国立研究開発法人理化学研究所 , 国立研究開発法人理化学研究所 精神疾患動態研究チーム・チームリーダー
(2016) 加藤忠史 , 国立研究開発法人理化学研究所 , 脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム チームリーダー
研究期間
2016年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 236,611
  • 2020年度
    43,484
  • 2019年度
    44,991
  • 2018年度
    49,157
  • 2017年度
    48,990
  • 2016年度
    49,989
研究概要(2020)
本研究では、収集済の精神疾患家系および新たに収集された家系のエクソーム解析を行う。見いだされた変異について、変異の機能的意義についてのインシリコ解析により、候補遺伝子変異を絞り込み、有力な遺伝子が見出された際には、藤田医科大学と連携し、関連解析を行う。変異の機能的意義について、ゲノム編集等により作成したノックインマウスなどを用いて明らかにし、特定の遺伝子変異を持つ精神疾患の一群の特異的な診断法・治療法の開発につなげる。これらの目標を達成するため、令和2年度は、既報の79家系に、理研でその後収集した82家系および藤田医科大学で収集した10家系を加えた171家系、更に文献で報告された183家系をくわえた354家系での解析に基づいて、双極性障害で変異が多くみられる遺伝子を検討し、双極性障害のリスク遺伝子同定を目指す。更に、令和1年度までに集めた新たな双極性障害家系のエクソーム解析を行い、更なる解析を加える。また、CRISPR/Cas9法を用いて作成した見出された変異を有するノックインマウス・ノックアウトマウスについて解析を行い、見出した変異の機能解析を進め、診断法・治療法の開発につなげる。
研究概要(2019)
既報の79家系に、シーケンス済の92家系のデータを加えた171家系の全エクソームデータについて、データベースに登録されたデータと共通のパイプラインを用いて変異抽出を行い、双極性障害において、変異がエンリッチしているかどうかを検証すると共に、対照家系と比して、双極性障害で変異が多くみられる遺伝子や分子パスウェイを探索する。変異の意味づけにおいては、東北メガバンクのデータを活用する。これら171家系のデータに、海外との共同研究により得られたデータや、海外のグループが発表したデータがあれば、これらを加えた統合解析により、双極性障害のリスク遺伝子同定を目指す。 収集済および新たに収集する家系の全エクソーム解析を行う。 CRISPR/Cas9法を用いて作成した、見出された変異を有するノックインマウスについて解析を行い、診断法・治療法の開発につなげる。
研究概要(2018)
精神疾患患者家系の全エクソーム解析を行い、見いだされた変異の機能的意義について、iPS細胞モデル、モデルマウスなどを用いて明らかにすると共に、これらの結果を診断法・治療法の開発につなげる。
研究概要(2017)
精神疾患患者家系のエクソームまたは全ゲノム解析を行い、見いだされた変異の機能的意義について、iPS細胞モデル、モデルマウスなどを用いて明らかにすると共に、これらの結果を診断法・治療法の開発につなげる。
研究概要(2016)
収集済の精神疾患家系のエクソーム解析を行うと共に、新たな精神疾患家系のゲノムDNAを収集する。患者由来iPS細胞を神経細胞に分化させる方法およびCRISPRを用いたノックインマウス作成法について検討する。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
理研で収集した82家系および藤田医科大学の10家系に既報家系を加えた双極性障害354家系における全エクソームデータの解析を行った。患者では、一般人口では機能喪失変異が少ない遺伝子にデノボ変異が多く、デノボ変異はシナプスやイオンチャネルなどの遺伝子に多かった。一細胞RNAシーケンスのデータとの比較により、デノボ変異が見られる遺伝子が、特定の興奮性神経細胞に高発現する遺伝子群に多いことがわかった。また、体細胞変異は、神経発達障害の原因遺伝子に多かった。
双極型統合失調感情障害に関して不一致な一卵性双生児より樹立したiPS細胞から脳オルガノイドを作成し、シングルセルRNAシーケンスにより解析を行った。その結果、患者では大脳皮質様構造が小さく、GABA神経細胞への分化が亢進しており、これらはWntシグナリングの低下によるものであり、Wntシグナリングを活性化するリチウムにより改善した。
双極性障害に腎疾患を伴う家系の連鎖解析で、NTRK1(神経栄養因子受容体)遺伝子のミスセンス変異を同定し、この変異を持つ患者由来iPS細胞およびこの変異を模した脳特異的ノックインマウスを作成し、解析した。その結果、この変異を持つマウスはコリンエステラーゼ阻害薬投与後、尾懸垂試験において無動時間の延長という抑うつ関連行動が見られ、海馬神経細胞で、神経突起の減少が認められた。患者由来iPS細胞でも、神経突起の減少が見られた。
双極性障害を高頻度に伴うミトコンドリア病の原因遺伝子POLG(ポリメラーゼγ)の変異マウスが反復性うつ状態を示すことから、その原因を探求するため、ミトコンドリアDNAの変異スペクトラムを次世代シーケンサーで網羅的に解析し、フェノタイプの原因部位と考えられる視床室傍核では、欠失に加え、点変異やコントロール領域のマルチマーも多いことがわかり、これらがフェノタイプに関連している可能性が示唆された。
双極性障害患者死後脳より、神経細胞核を単離し、網羅的DNAメチル化解析を行った。その結果、双極性障害では全体に低メチル化状態にある一方、神経機能に重要な遺伝子は高メチル化を示し、見出されたDNAメチル化変化は、神経細胞株で気分安定薬により生じた変化とは逆方向であった。DNAメチル化状態が変化していた領域は、双極性障害のゲノムワイド関連解析で関連が報告されたゲノム領域に多かった。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Decreased DNA methylation at promoters and gene-specific neuronal hypermethylation in the prefrontal cortex of patients with bipolar disorder Miki Bundo, Junko Ueda, Yutaka Nakachi, Kiyoto Kasai, Tadafumi Kato, Kazuya Iwamoto Molecular Psychiatry 2021年4月20日

2.Unbiased PCR-free spatio-temporal mapping of the mtDNA mutation spectrum reveals brain region-specific responses to replication instability.Emilie Kristine Bagge, Noriko Fujimori-Tonou, Mie Kubota-Sakashita, Takaoki Kasahara, Tadafumi Kato BMC Biology 18(1) 150 - 150 2020年12月

3.Ntrk1 mutation co-segregating with bipolar disorder and inherited kidney disease in a multiplex family causes defects in neuronal growth and depression-like behavior in mice Kazuo Nakajima, Alannah Miranda, David W. Craig, Tatyana Shekhtman, Stanislav Kmoch, Anthony Bleyer, Szabolcs Szelinger, Tadafumi Kato, John R. Kelsoe Translational Psychiatry 10(1) 407 - 407 2020年12月

4.Developmental excitation-inhibition imbalance underlying psychoses revealed by single-cell analyses of discordant twins-derived cerebral organoids.Tomoyo Sawada, Thomas E Chater, Yohei Sasagawa, Mika Yoshimura, Noriko Fujimori-Tonou, Kaori Tanaka, Kynon J M Benjamin, Apua C M Paquola, Jennifer A Erwin, Yukiko Goda, Itoshi Nikaido, Tadafumi Kato Molecular psychiatry 25(11) 2695 - 2711 2020年11月

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み
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1.年輪の会講演会 双極性障害抑うつエピソードの治療の進歩 加藤忠史 2020年7月5日 スクエア荏原

不明

2.精神疾患動態研究チーム20周年記念オンラインライブシンポジウム 「双極性障害の原因解明を目指して~精神疾患動態研究チーム20年の成果と今後の展望」加藤忠史 2020年10月4日 (参加者900名以上)

不明



更新日:2022-05-11

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