AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
貪食細胞-がん細胞相互作用を制御する新たながん免疫療法の開発
課題管理番号
21cm0106308h0006
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト
事業名
次世代がん医療創生研究事業
タグ(2021)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2018)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2017)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2016)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立大学法人神戸大学
研究代表者
(2021) 的崎尚 , 国立大学法人神戸大学 , 大学院医学研究科 生化学・分子生物学講座 シグナル統合学分野・教授
(2020) 的崎尚 , 国立大学法人神戸大学 , 大学院医学研究科 生化学・分子生物学講座 シグナル統合学分野・教授
(2019) 的崎尚 , 国立大学法人神戸大学 , 大学院医学研究科 生化学・分子生物学講座 シグナル統合学分野・教授
(2018) 的崎尚 , 国立大学法人神戸大学 , 大学院医学研究科生化学・分子生物学講座・教授
(2017) 的崎尚 , 国立大学法人神戸大学 , 大学院医学研究科 生化学・分子生物学講座・教授
(2016) 的崎尚 , 国立大学法人神戸大学 , 大学院医学研究科・教授
研究期間
2016年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 130,226
  • 2021年度
    17,952
  • 2020年度
    17,952
  • 2019年度
    18,318
  • 2018年度
    21,104
  • 2017年度
    30,900
  • 2016年度
    24,000
研究概要(2021)
本研究開発では、貪食細胞-がん細胞相互作用を制御するがん免疫療法の開発のため、がん細胞上のCD47と貪食細胞に発現するSIRPαとの相互作用を標的とした薬剤の開発を行い、その有効性と作用機序の解明を行う。SIRPαが高発現する腫瘍に対して、抗SIRPα抗体単独投与の有効性を検証すると共に、免疫学的な作用機序を明らかにする。さらに、各種がんに対する抗SIRPα抗体と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の可能性について担癌モデルマウスを用いて検証を行う。またCD47-SIRPα結合活性を阻害する新規の薬剤の開発を行い、貪食細胞のがん細胞に対する貪食能の増強や抗腫瘍効果の有無を明らかにする。一方、ヒトSIRPαを標的とした薬剤の開発を進めると共に、これらのヒト免疫細胞に作用する薬剤の薬効評価を動物モデルで行うことを目的に、免疫細胞ヒト化マウスを用いたがん免疫療法モデルの確立を行う。
研究概要(2020)
本研究開発では、貪食細胞-がん細胞相互作用を制御するがん免疫療法の開発のため、がん細胞上のCD47と貪食細胞に発現するSIRPαとの相互作用を標的とした薬剤の開発を行い、その有効性と作用機序の解明を行う。SIRPαが高発現する腫瘍に対して、抗SIRPα抗体単独投与の有効性を検証すると共に、免疫学的な作用機序を明らかにする。さらに、各種がんに対する抗SIRPα抗体と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の可能性について担癌モデルマウスを用いて検証を行う。またCD47-SIRPα結合活性を阻害する新規の薬剤の開発を行い、貪食細胞のがん細胞に対する貪食能の増強や抗腫瘍効果の有無を明らかにする。一方、ヒトSIRPαを標的とした薬剤の開発を進めると共に、これらのヒト免疫細胞に作用する薬剤の薬効評価を動物モデルで行うことを目的に、免疫細胞ヒト化マウスを用いたがん免疫療法モデルの確立を行う。
研究概要(2019)
本研究開発では、貪食細胞-がん細胞相互作用を制御するがん免疫療法の開発のため、がん細胞上のCD47と貪食細胞に発現するSIRPαとの相互作用を標的とした薬剤の開発を行い、その有効性と作用機序の解明を行う。SIRPαが高発現する腫瘍に対して、抗SIRPα抗体単独投与の有効性を検証すると共に、免疫学的な作用機序を明らかにする。さらに、各種がんに対する抗SIRPα抗体と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の可能性について担癌モデルマウスを用いて検証を行う。またCD47-SIRPα結合活性を阻害する新規の薬剤の開発を行い、貪食細胞のがん細胞に対する貪食能の増強や抗腫瘍効果の有無を明らかにする。一方、ヒトSIRPαを標的とした薬剤の開発を進めると共に、これらのヒト免疫細胞に作用する薬剤の薬効評価を動物モデルで行うことを目的に、マウスを用いたがん免疫療法モデルの確立を行う。
研究概要(2018)
本研究開発では、貪食細胞-がん細胞相互作用を制御するがん免疫療法の開発のため、がん細胞上のCD47と貪食細胞に発現するSIRPαとの相互作用を標的とした薬剤の開発を行い、その有効性と作用機序の解明を行う。SIRPαが高発現する腫瘍に対して、抗SIRPα抗体単独投与の有効性を検証すると共に、免疫学的な作用機序を明らかにする。さらに、各種がんに対する抗SIRPα抗体と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の可能性について担癌モデルマウスを用いて検証を行う。またCD47-SIRPα結合活性を阻害する新規の薬剤の開発を行い、貪食細胞のがん細胞に対する貪食能の増強や抗腫瘍効果の有無を明らかにする。一方、ヒトSIRPαを標的とした薬剤の開発を進めると共に、これらのヒト免疫細胞に作用する薬剤の薬効評価を動物モデルで行うことを目的に、ヒト免疫細胞を高度に有する免疫細胞ヒト化マウスを用いたがん免疫療法モデルの確立を行う。
研究概要(2017)
本研究開発では、貪食細胞-がん細胞相互作用を制御するがん免疫療法の開発のため、がん細胞上のCD47と貪食細胞に発現するSIRPαとの相互作用を標的とした薬剤の開発を行い、その有効性と作用機序の解明を行う。SIRPαが高発現する腫瘍に対して、抗SIRPα抗体単独投与の有効性を検証すると共に、免疫学的な作用機序を明らかにする。さらに、各種がんに対する抗SIRPα抗体と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の可能性について担癌モデルマウスを用いて検証を行う。またCD47-SIRPα結合活性を阻害する新規の薬剤の開発を行い、貪食細胞のがん細胞に対する貪食能の増強や抗腫瘍効果の有無を明らかにする。一方、ヒトSIRPαを標的とした薬剤の開発を進めると共に、これらのヒト免疫細胞に作用する薬剤の薬効評価を動物モデルで行うことを目的に、ヒト免疫細胞を高度に有する免疫細胞ヒト化マウスを用いたがん免疫療法モデルの確立を行う。
研究概要(2016)
本研究開発では、貪食細胞-がん細胞相互作用を制御するがん免疫療法の開発のため、がん細胞上のCD47と貪食細胞に発現するSIRPαとの相互作用を標的とした薬剤の開発を行い、その有効性と作用機序の解明を行う。SIRPαが高発現する腫瘍に対して、抗SIRPα抗体単独投与の有効性を検証すると共に、免疫学的な作用機序を明らかにする。さらに、各種がんに対する抗SIRPα抗体と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の可能性について担癌モデルマウスを用いて検証を行う。またCD47-SIRPα結合活性を阻害する新規の薬剤の開発を行い、貪食細胞のがん細胞に対する貪食能の増強や抗腫瘍効果の有無を明らかにする。一方、ヒトSIRPαを標的とした薬剤の開発を進めると共に、これらのヒト免疫細胞に作用する薬剤の薬効評価を動物モデルで行うことを目的に、ヒト免疫細胞を高度に有する免疫細胞ヒト化マウスを用いたがん免疫療法モデルの確立を行う。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
本年度は、昨年度に続き膜型分子SIRPαに作用する薬剤単独使用(項目①)または他の抗腫瘍剤との併用(項目②)による抗腫瘍効果の有効性とその作用機序の解析、SIRPαに作用して抗腫瘍効果を示す新規化合物の作出(項目③)、免疫細胞ヒト化マウスを用いた抗腫瘍薬剤のin vivo 評価系の開発(項目④)についての研究開発を進め、以下の成果を得た。
項目①: SIRPα非発現腫瘍モデルマウスでの抗SIRPα 抗体の抗腫瘍効果に、SIRPα と相同性の高い細胞外領域を有するSIRPβ が関与することを見出した。また、マクロファージ上のSIRPβ と抗SIRPα 抗体の結合によるマクロファージ からのTNFα の産生がこの抗腫瘍効果に関与することを示した。一方、SIRPα非発現およびSIRPα非発現腫瘍モデルマウスでの抗SIRPα 抗体の抗腫瘍効果には、CD8 陽性T 細胞が関与していたが、これにはマクロファージではなく他の抗原提示細胞によるがん抗原特異的CD8 陽性T 細胞の活性化が関与すると考えられた。
項目②:前年度の抗SIRPα 抗体と免疫チェックポイント阻害剤を利用した抗腫瘍効果には、マクロファージによるがん抗原特異的CD8 陽性T 細胞の活性化の関与は低いことを見出した。また、前年度とは異なる免疫チェックポイント阻害剤とSIRPα阻害剤を用い、SIRPα非発現腫瘍モデルマウスでの両薬剤の併用効果について解析を開始し、解析中である。
項目③:生化学・構造生物学的解析により、ヒトSIRPα阻害剤はCD47 とSIRPα の結合の拮抗剤として作用する結果が得られつつある。また、腫瘍モデルマウスを用い、ヒトSIRPα阻害剤とがん抗原を認識する抗体医薬との併用が抗体医薬単独に比べ、高い抗腫瘍効果を示すことを確認した。一方、ヒトSIRPα阻害剤に特定の化学的修飾を行い、よりCD47-SIRPα 結合を阻害する阻害剤が得られつつある。
項目④:ヒト造血因子を発現した免疫不全マウスにヒトさい帯血由来CD34 陽性細胞を移植し、ヒト免疫細胞を有する免疫細胞ヒト化マウスの作製を継続した。これらのマウスを用いてリンパ腫患者由来がん細胞を移植した腫瘍モデルマウス(PDX モデルマウス)の作製を行い、免疫細胞ヒト化マウスにおけるヒト患者由来細胞の生着を確認したことに加え、抗SIRPα抗体と抗CD20 抗体との併用投与を行い、ヒトリンパ腫細胞およびヒト正常B 細胞の減少を認めたことから、本モデルがPDX モデルマウスとしても有用である可能性が示唆された。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Sakamoto M, Murata Y, Tanaka D, Kakuchi Y, Okamoto T, Hazama D, Saito Y, Kotani T, Ohnishi H, Miyasaka M, Fujisawa M, Matozaki T. Anticancer efficacy of monotherapy with antibodies to SIRPα/SIRPβ1 mediated by induction of antitumorigenic macrophages. Proc Natl Acad Sci U S A. 2022, 119, e2109923118, doi: 10.1073/pnas.2109923118.

2.Kaneshige A, Kaji T, Zhang L, Saito H, Nakamura A, Kurosawa T, Ikemoto-Uezumi M, Tsujikawa K, Seno S, Hori M, Saito Y, Matozaki T, Maehara K, Ohkawa Y, Potente M, Watanabe S, Braun T,Uezumi A, Fukada SI. Relayed signaling between mesenchymal progenitors and muscle stem cells ensures adaptive stem cell response to increased mechanical load. Cell Stem Cell. 2022, 29,265-80.e6, doi: 10.1016/j.stem.2021.11.003.

3.Kotani T, Ihara N, Okamoto S, Setiawan J, Konno T, Saito Y, Murata Y, Matozaki T. Role of Ras in regulation of intestinal epithelial cell homeostasis and crosstalk with Wnt signaling.PLoS One. 2021, 16, e0256774, doi: 10.1371/journal.pone.0256774.

4.Jingu D, Iino M, Kawasaki J, Urano E, Kusakari S, Hayashi Y, Matozaki T, Ohnishi H. Protein tyrosine phosphatase Shp2 positively regulates cold stress-induced tyrosine phosphorylation of SIRPα in neurons. Biochem Biophys Res Commun. 2021, 569, 72-78, doi:10.1016/j.bbrc.2021.06.084

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.細胞間シグナルCD47-SIRPα系を標的とする環状ペプチドの開発と抗がん剤としての応用, 村田陽二, 日本がん分子標的治療学会 第17 回TR ワークショップ, 2022/01/28, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

2.マクロファージよる生細胞貪食を制御する分子基盤の解明, 小谷武徳, 高井智子, 齊藤泰之, 村田陽二, 的崎 尚, 第10 回日本プロテインホスファターゼ研究会学術集, 2022/01/22,国内, 口頭.

国内 / 口頭

3.SIRPα supports the survival of dendritic cells by regulating the NF-kB activation, Komori S, Saito Y, Datu R, Kotani T, Murata Y, Matozaki T, 第50 回日本免疫学会学術集会, 2021/12/09,国内, 口頭.

国内 / 口頭

4.Preclinical Evaluation of the efficacy of anti-human SIRPα antibody for cancer immunotherapy by the use of humanized mice, Saito Y, Iida-Norita R, Hazama D, Alaa R, Komori S, Kotani T,Murata Y, Matozaki T, 第50 回日本免疫学会学術集会, 2021/12/09, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

5.抗SIRPα/β1 抗体によるマクロファージを介したがん免疫療法の基礎的研究, 村田陽二, 坂本茉莉子,岡本武士, 齊藤泰之, 小谷武徳, 藤澤正人, 的崎 尚, 第44 回 日本分子生物学会年会, 2021/12/09,国内, ポスター.

国内 / ポスター

6.Antitumor effects of agents targeting SIRPα an immune checkpoint, and their combination with other agents, Murata Y, Saito Y, Kotani T, Matozaki T, 第80 回日本癌学会学術総会, 2021/10/02,国内, 口頭.

国内 / 口頭

7.A novel humanized mouse model in vivo evaluation of cancer immunotherapy targeting human macrophages, Saito Y, Iida R, Hazama D, Kotani T, Murata Y, Yokozaki H, Matozaki T, 第80 回日本癌学会学術総会, 2021/9/30, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

8.ランゲルハンス組織球症に対する抗SIRPα 抗体の効果, 岡本武士, 村田陽二、羽間大祐, 坂本茉莉子,角地宥香, 田中大介, 増田重人, 齊藤泰之, 小谷武徳, 眞庭謙昌, 的崎 尚, 第80 回日本癌学会学術総会, 2021/09/30, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

9.新規がん免疫療法ターゲット分子としての膜型分子SIRPβ1/SIRPβ1, 坂本茉莉子, 村田陽二, 角地宥香, 岡本武士, 田中大介, 羽間大祐, 増田重人, 齊藤泰之, 小谷武徳, 藤澤正人, 的崎 尚, 第80 回日本癌学会学術総会, 2021/09/30, 国内, 口頭.

国内 / 口頭

10.The antitumor effect of monotherapy with an anti-SIRPα antibody against bladder cancer cells,Murata Y, Sakamoto M, Okamoto T, Saito Y, Kotani T, Matozaki T, 2021 JCA-AACR JCA-AACR Precision Cancer Medicine International Conference, 2021/09/11, 国内, ポスター.

国内 / ポスター



更新日:2023-04-13

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