AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
ピロリ菌感染微小環境が誘導する発がんシグナルとその遮断による胃がんの制圧
課題管理番号
21cm0106506h0006
統合プロジェクト
医薬品プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト
事業名
次世代がん医療創生研究事業 , 次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム
タグ(2021)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2020)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2019)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2018)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2017)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
タグ(2016)
/研究の性格/医薬品・医療機器等の開発を目指す研究<医療機器開発につながるシステム開発を含む>
/開発フェーズ/応用
/承認上の分類/医薬品
/対象疾患/新生物
代表研究機関
国立大学法人東京大学
研究代表者
(2021) 畠山昌則 , 国立大学法人東京大学 , 大学院医学系研究科病因・病理学専攻 ・教授
(2020) 畠山昌則 , 国立大学法人東京大学 , 大学院医学系研究科 病因・病理学専攻 ・教授
(2019) 畠山昌則 , 国立大学法人東京大学 , 大学院医学系研究科病因・病理学専攻・教授
(2018) 畠山昌則 , 国立大学法人東京大学 , 大学院医学系研究科病因・病理学専攻 教授
(2017) 畠山昌則 , 国立大学法人東京大学 , 大学院医学系研究科病因・病理学専攻 教授
(2016) 畠山昌則 , 国立大学法人東京大学 , 医学部医学研究科 教授
研究期間
2016年度-2021年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 150,159
  • 2021年度
    18,620
  • 2020年度
    38,620
  • 2019年度
    19,000
  • 2018年度
    21,119
  • 2017年度
    22,800
  • 2016年度
    30,000
研究概要(2021)
胃がんをはじめとするピロリ菌関連疾患撲滅のため、ピロリ菌の産生する発がんタンパク質CagAが標的とする宿主細胞内のSHP2チロシンホスファターゼに着目し、CagAによるSHP2の活性亢進を特異的に阻害し胃がん発症を促進するがん微小環境の形成を阻止する低分子化合物の開発を目的とする。化合物ライブラリーより得られた候補化合物の分子骨格に基づき有機合成チームとの連携で一連の類縁体を取得し、試験管内レベル、細胞レベルおよびマウス生体レベルでの阻害活性評価を通して標的特異阻害剤を得る。構造解析チームとの連携により結合構造に基づいた合成展開サイクルを進め化合物の最適化を図り特許取得を目指す。
研究概要(2020)
胃がんをはじめとするピロリ菌関連疾患撲滅のため、ピロリ菌の産生する発がんタンパク質CagAが標的とする宿主細胞内のSHP2チロシンホスファターゼに着目し、CagAによるSHP2の活性亢進を特異的に阻害し胃がん発症を促進するがん微小環境の形成を阻止する低分子化合物の開発を目的とする。化合物ライブラリーより得られた候補化合物の分子骨格に基づき有機合成チームとの連携で一連の類縁体を取得し、試験管内レベル、細胞レベルにおいて有意な阻害活性を示す化合物を選抜する。近縁ホスファターゼに対する阻害活性を測定することで選択性を検討し、より高次のマウス生体レベルでの阻害活性評価に供する。候補化合物を構造解析チームと共有し結合構造に基づいた合成展開サイクルを進め化合物の最適化を図る。
研究概要(2019)
胃がんをはじめとするピロリ菌関連疾患撲滅のため、ピロリ菌の産生する発がんタンパク質CagAが標的とする宿主細胞内のSHP2チロシンホスファターゼに着目し、CagAによるSHP2の活性亢進を特異的に阻害し胃がん発症を促進するがん微小環境の形成を阻止する低分子化合物の開発を目的とする。そのため、化合物ライブラリーを利用したハイスループットスクリーニング(HTS)による標的阻害化合物の取得を通して、試験管内レベル、細胞レベルにおいて有意な阻害活性を示す化合物を選抜する。近縁ホスファターゼに対する阻害活性を測定することで選択性を検討し、より高次のマウス生体レベルでの阻害活性評価系を準備する。生化学的・生物学的解析結果を構造解析チームならびに有機合成チームと共有し、結合構造に基づいた合成展開による化合物の最適化を進める。
研究概要(2018)
ピロリ菌CagAとヒトSHP2との相互作用を特異的に阻害する低分子化合物のハイスループットスクリーニングより得られた候補化合物群を基に、培養細胞レベルで阻害活性を有するヒット化合物を見出す。
研究概要(2017)
ピロリ菌CagAとヒトSHP2との相互作用を特異的に阻害する低分子化合物の探索のため、化合物ライブラリーより薬剤スクリーニングし、培養細胞レベルで阻害活性を有するヒット化合物を見出す。
研究概要(2016)
胃がんをはじめとするピロリ菌関連疾患撲滅のため、ピロリ菌発がんタンパク質CagAの生物活性を阻害し、胃がん発症を促進するがん微小環境の形成を阻止する低分子化合物取得のためのスクリーニングを進める。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
前年度に引き続き、ピロリ菌 CagA によって異常に活性化される SHP2 を特異的に阻害する分子の開発を実施した。有機合成グループではこれまでの候補化合物のうち、芳香環の1つを脂環式構造に置換した類縁体を重点的に合成した。置換基の導入位置と脂環式化合物の立体異性体を考慮し、各異性体を選択的に合成した。結果、最も強い活性を示す不斉化合物(HA-079)を見出した。一方、環状エステル(ラクトン)部位を有する誘導体が速やかに加水分解され活性低下を招くことが実験的に明らかになり、加水分解されにくいと予想されるラクタムへの置換を試みたが難航している。
構造解析グループでは SHP2 と阻害剤化合物の複合体の結晶化条件を探索し、8 種類の条件で結晶を得た。化合物中の Br 原子の異常分散効果を指標とし、異常分散の S/N 比が高く化合物の含有が期待される結晶化条件を選定した。この条件をベースとし、結晶化条件及びクライオ条件の最適化を進めた。2021 年度は 4 種類の化合物(HA-073, HA-078, HA-079, HA-048)について計 250 個の結晶に X 線照射し、100 データセットを収集した。SHP2/HA-079 複合体結晶から得られた 1.97 Å 分解能のベストデータについてphenix refine で構造精密化を行い(freeR/R=0.249/0.213)、omit map を計算した結果 HA-079 の明瞭な電子密度を確認し、SHP2 と HA-079 の結合状態の立体構造決定に成功した。
生物学的解析グループでは、有機合成によって得た化合物の活性を順次解析した。HA-079 は、SHP2 活性に依存した増殖を示す細胞株の細胞増殖を有意に抑制することを見出した。また、複合立体体構造に基づき HA-079 による阻害に対して耐性を有する変異型 SHP2 を作成した。この薬剤耐性型 SHP2 と野生型SHP2 の比較により、細胞内で HA-079 が分子標的である SHP2 依存的に Erk1/2 分子の賦活化を阻害することを証明した。一方、LDH 漏出を指標とした細胞毒性試験により HA-079 は急性の細胞毒性を示さないことを明らかにした。また、ヌードマウスへの異種移植片を用いた in vivo 試験において HA-079 の腹腔内投与は腫瘍の肥大化を有意に抑制したことから、生体レベルでも細胞増殖の阻害活性を示すと考えられた。
学会誌・雑誌等における論文一覧
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1.Imai S, Ooki T, Murata-Kamiya N, Komura D, Tahmina K, Wu W, Takahashi-Kanemitsu A, Knight CT, Kunita A, Suzuki N, Del Valle AA, Tsuboi M, Hata M, Hayakawa Y, Ohnishi N, Ueda K,Fukayama M, Ushiku T, Ishikawa S, Hatakeyama M. Helicobacter pylori CagA elicits BRCAness to induce genome instability that may underlie bacterial gastric carcinogenesis. Cell Host & Microbe. 2021, 29(6), 941-958.

2.Kolinjivadi AM, Sankar H, Choudhary R, Tay LS, Tan TZ, Murata-Kamiya N, Voon DC, Kappei D, Hatakeyama M, Krishnan V, Ito Y. The H. pylori CagA Oncoprotein Induces DNA Double Strand Breaks through Fanconi Anemia Pathway Downregulation and Replication Fork Collapse. International Journal of Molecular Sciences. 2021, 23(3), 1661.

3.Shrestha R, Murata-Kamiya N, Imai S, Yamamoto M, Tsukamoto T, Nomura S, Hatakeyama M. Mouse Gastric Epithelial Cells Resist CagA Delivery by the Helicobacter pylori Type IV Secretion System. International Journal of Molecular Sciences. 23(5), 2492.

4.Murata-Kamiya N, Hatakeyama M. Helicobacter pylori-induced DNA double-stranded break in the development of gastric cancer. Cancer Science, in press

5.千田美紀、千田俊哉(2021)実験医学別冊『創薬研究のための分子間相互作用解析プロトコール』X 線結晶構造解析の流れとポイント・コツ

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター
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1.千田美紀、迅速で確実な結晶構造解析を達成するために、よこはまNMR研究会(オンライン開催)2021/7/30, 国内, 口頭

国内 / 口頭

2.Miki Senda, Toshiya Senda, A comprehensive strategy for efficient generation of well-diffracting crystals, ACA2021 (Online) 2021/8/5, 国外, 口頭

国外 / 口頭



更新日:2023-04-13

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