AMED研究開発課題データベース 日本医療研究開発機構(AMED)の助成により行われた研究開発の課題や研究者を収録したデータベースです。

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研究課題情報

研究課題名
適時適切な医療・ケアを目指した、認知症の人等の全国的な情報登録・追跡を行う研究
課題管理番号
20dk0207027h0005
統合プロジェクト
ゲノム・データ基盤プロジェクト
9つの連携分野プロジェクト
脳とこころの健康大国実現プロジェクト
事業名
認知症研究開発事業 , 長寿・障害総合研究事業
タグ(2020)
/研究の性格/調査等の解析による実態把握を目指す研究<フィールドワーク、サーベイランス、モニタリングを含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2019)
/研究の性格/調査等の解析による実態把握を目指す研究<フィールドワーク、サーベイランス、モニタリングを含む>
/開発フェーズ/該当なし
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2018)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/観察研究等
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2017)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/観察研究等
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
タグ(2016)
/研究の性格/研究基盤及び創薬基盤の整備研究<創薬技術・ICT基盤・プラットフォーム関係含む>
/開発フェーズ/臨床試験
/承認上の分類/薬機法分類非該当
/対象疾患/精神および行動の障害
代表研究機関
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究代表者
(2020) 鳥羽研二 , 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター , 理事長特任補佐
(2019) 鳥羽研二 , 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター , 理事長特任補佐
(2018) 鳥羽研二 , 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター , 理事長
(2017) 鳥羽研二 , 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター , 理事長
(2016) 鳥羽研二 , 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター , 理事長
研究期間
2016年度-2020年度
課題への総配分額

(単位:千円)

  • 1,051,000
  • 2020年度
    135,000
  • 2019年度
    120,000
  • 2018年度
    520,000
  • 2017年度
    155,000
  • 2016年度
    121,000
研究概要(2020)
我が国における認知症に関する治験、臨床研究を推進する基盤として健常者から認知症までの各ステージから登録し(オレンジレジストリ)、追跡可能なシステムを構築し、維持可能なレベルまで到達する。また、未だ未整備である認知症ケアのグッドプラクティスを登録し、類型化してオレンジケア(仮称)を国内外に情報発信する。
研究概要(2019)
我が国における認知症に関する治験、臨床研究を推進する基盤として健常者から認知症までの各ステージから登録し、追跡可能なシステムを構築し、維持可能なレベルまで到達する。また、未だ未整備である認知症ケアのグッドプラクティスの登録数を増やし、類型化して国内外に情報発信する。
研究概要(2018)
本研究は認知症患者のすべての病気を網羅して、観察追跡する「オレンジプラットフォームを確立し、このプラットフォームを利用して、多数の症例と膨大なデータを活用して、新薬治験や生活習慣介入試験、バイオマーカー、画像診断などの臨床研究、ケア手法の科学的検討を行うためことを目的とする。 このため、本研究では、地域の前臨床コホート、MCIコホート、ケアコホートの3つの異なるコホートを有機的にリンクして、既に相当数の登録が達成されている。 全国的な参加施設は主要な研究機関が網羅され、相当数の機関ではアミロイドイメージングやタウイメージングが可能で、将来の更なる臨床研究への対応も準備出来ている。
研究概要(2017)
本研究は認知症患者のすべての病気を網羅して、観察追跡する「オレンジプラットフォームを確立し、このプラットフォームを利用して、多数の症例と膨大なデータを活用して、新薬治験や生活習慣介入試験、バイオマーカー、画像診断などの臨床研究、ケア手法の科学的検討を行うためことを目的とする。 このため、本研究では、地域の前臨床コホート、MCIコホート、ケアコホートの3つの異なるコホートを有機的にリンクして、既に相当数の登録が達成されている。 全国的な参加施設は主要な研究機関が網羅され、相当数の機関ではアミロイドイメージングやタウイメージングが可能で、将来の更なる臨床研究への対応も準備出来ている。
研究概要(2016)
本研究は認知症患者のすべての病気を網羅して、観察追跡する「オレンジプラットフォームを確立し、このプラットフォームを利用して、多数の症例と膨大なデータを活用して、新薬治験や生活習慣介入試験、バイオマーカー、画像診断などの臨床研究、ケア手法の科学的検討を行うためことを目的とする。 このため、本研究では、地域の前臨床コホート、MCIコホート、ケアコホートの3つの異なるコホートを有機的にリンクして、既に相当数の登録が達成されている。 全国的な参加施設は主要な研究機関が網羅され、相当数の機関ではアミロイドイメージングやタウイメージングが可能で、将来の更なる臨床研究への対応も準備出来ている。

研究成果情報

【成果報告書】

成果の概要
1研究開発代表者:鳥羽 研二
 欧州のレジストリ(EPAD)に準じて体勢を整備し、進捗管理を行った

国内外の連携を図るため、全体の登録制度(オレンジプラットホーム)を2016年、国際アルツハイマー学会の国際ネットワーク部会で発表し、オレンジレジストリがJapan Orange Planという名称で国際的に認知された。(Lancet Neurol. 2016;15:661-662.)

 2020年日本認知症学会、国際連携コホートシンポジウムでオレンジレジストリ成果発表

2研究開発分担者:飯島 祥彦
前臨床期を含めた認知症患者の画像や遺伝情報を含む診療情報データを大規模に収集する認知症レジストリーシステムを構築するにあたっては、遺伝情報や脳画像などデータの適切な管理・利用、及び個人情報の保護が必要である。また、認知症患者を研究参加者とするため、インフォームド・コンセント(以下I.C.)の取得の場面にて代諾、インフォームド・アセントの適切な実施の確保が問題となる。本課題は、認知症レジストリーシステムにおける倫理的・法的課題を検討するとともに、実際に計画の初期段階から研究倫理支援体制の構築を図ることを目的とする。
高齢者を中心とする認知症患者からのI.C.取得状況を明らかにするために、東海地域の4県(愛知、岐阜、三重、静岡)の神経内科および精神科専門医302名を対象に質問紙調査を行い、120名から回答を得た(回答率39.7%)。本調査により、認知症の患者を診療するにあたっては、家族を重視する医療現場の実態など、医療現場のI.C.の取得状況とその課題が明らかにして、論文にいて公表した(飯島祥彦「・認知症患者におけるI.C.の取得の現状に関する調査」生命倫理27巻1号79-86頁)。
さらに、高齢者の終末期医療に関してのI.C.取得状況などについて、全国の医療機関に対して調査を行い、回答結果の解析を終了、現在論文投稿中である。

3研究開発分担者:平川 晃弘
当該計画の初期段階からデータの品質確保に努めることが重要であり、班会議等をとおして統計学的観点から助言した。

4研究開発分担者:鈴木 啓介
1) 事務局体制の整備人員確保、データ管理体制の構築
CRC・データマネージャー・事務担当者・プロダクトマネージャーからなる事務局体制を構築できた。ITシステム担当者の確保には至らなかったものの業務を併任することで必要な人員を確保し、データ管理体制を構築することができた。
2) 運営委員会に関わる支援
 オレンジレジストリ運営委員会の体制を整備し、運営に関わる各種手順書を作成した。定期的な運営委員会の開催(2回/年)を支援した。
3) レジストリホームページの更新・維持管理
 レジストリやその利活用の実例を国民や外部研究者に広報するためのホームページを作成した(https://www.ncgg.go.jp/orange/index.html)。班会議の開催状況や最新の研究成果など適宜、内容を更新した。
4) レジストリデータの二次利用に関する支援
運営委員会における二次利用に関する規定の作成を支援した。本規定を基に二次利用に関する審査体制を整備し、レジストリデータの二次利用に関する支援を実施した。
5) コンソーシアム作成に関する協議の支援
製薬企業とのコンソーシアム作成に関する協議を支援した。

5研究開発分担者:小島 伸介
研究開発担当者はオレンジレジストリ令和2年度第1回研究会議(2020年9月7日開催)において、認知症レジストリシステム構築の進捗状況およびレジストリの症例登録状況を聴取するとともに、上海MCIコホート研究の現状を報告し、意見交換を行った。
また、研究開発担当者は第2回研究会議(2021年1月18日開催)において、認知症レジストリシステム構築の進捗状況およびレジストリの症例登録状況を聴取し、意見交換を行った。

6研究開発分担者:勝野 雅央
本研究では健診受診者に対しレビー小体型認知症(DLB)のprodromal症状に関する質問紙調査を行い、それぞれの質問紙について90パーセンタイルをcut-offとし、2つ以上の異常を有する者(ハイリスク)および全て異常の無い者(正常群)とを抽出し、それぞれについて運動・認知機能や画像を評価する二次精査を行った。2020年度にはアンケート正常群169名について、二次精査の案内を行い、その結果28名から同意を得た。頭部MRIで脳萎縮のみられた1名と二次精査で嗅覚低下が明らかとなった1名を除く26名について運動機能、認知機能、DaT SPECT、MIBGの精査を行ったところ、運動・認知機能はほとんどの例で正常であり、2名 (7.7%) でDaT SPECTもしくはMIBGの集積低下が認められた。この結果から、ハイリスクの約3分の1で画像異常が認められたのと対照的に、アンケート正常群ではDLBの画像変化が乏しいことが明らかとなった。

一方、バイオマーカー解析については、サンプル数を増やして解析を行い、血清ニューロフィラメントL鎖および尿p75ECDのいずれについても、健常者に比べパーキンソン病患者やDLB患者で有意に上昇していること、DLB患者ではパーキンソン病患者に比べてもより高値であること(図2)、および患者の認知機能との相関が認められることが明らかとなった。

7研究開発分担者:伊藤 健吾
レジストリ登録者に治験を紹介する仕組みであるもの忘れ治験情報センター(CLIC-D, Clinical Trial Information Center in Dementia)において登録者の確保に努めるとともに、製薬企業と協議を重ね、プレクリニカルADとMCIを対象とする治療薬治験それぞれ1件、計2件においてCLIC-Dを活用する契約が締結され、CLIC-D登録者に対して治験の紹介が開始された。

8研究開発分担者:島田 裕之
2020年度は中部コホートの登録者拡大のために知多市を対象にスクリーニング調査を実施した。現時点で中部コホートの初期登録者は7,127名であり、当初計画の目標を大きく上回った結果となった。また、登録者に対しては開発したインターネット経由の認知機能検査ツール(コグニチェック)を利用し、定期的に検査(年1回)を実施した。定期検査の参加率向上のために、自宅等でインターネット経由の検査に両立し、会場招聘型の検査も行った。その結果、名古屋市緑区、高浜市、大府市、東海市、豊明市の登録者7,127名のうち、3,865名(54.2%)が定期検査に参加した(内訳:自宅で検査実施者1,850名、会場で検査実施者2,015名)。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により追跡率の低下が懸念されたが、昨年度の54.9%とほぼ同等の追跡率であった。このような長期追跡により個々の方の健康状態や疾患の変化を把握できるため、生活習慣介入やリハビリテーションの研究などに対応でき、先制治療薬、病態修飾薬、病状緩和薬などの薬物治験の対応が期待できる。
また、利活用研究としてアミロイドイメージングによるNCGG-FAT妥当性検証を行った結果、単語の記憶と符号検査においてアミロイドβ蓄積との関連が認められ、感度は低いものの陽性的中率は44~60%となり、アミロイドβ陽性者の濃縮が非侵襲的検査によって可能であることが確認できた。

9研究開発分担者:金 憲経
新規登録者:新規登録のために2015年689名、2016年325名、2017年1,035名、2018年552名、2019年757名(合計3,358名)を調査した。中、52.9%(1,775/3,358名)を登録し、新規登録目標は達成できた。
登録情報更新:初期登録者1,775名中808名の登録更新を行い、更新率は45.5%と低かった。
成果1:体操習慣を有する者は、認知機能の低下が抑制されることを縦断データより解明し、報告した。
成果2:MMSE得点が低下するほどD-プロリンやD-セリンが上昇する傾向を解明し、報告した。
成果3:白カビチーズ補充はBDNF上昇に効果的であることをRCTより検証し、報告した。

10研究開発分担者:宮野 伊知郎
本研究においては、地域コホートから健常高齢者および前臨床期にある高齢者を抽出して登録するための評価指標の決定とその基準値の作成を目的とする。今年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により地域での調査が困難であった。感染状況が比較的落ち着いていた時期に、既に同意を取得していた対象者13名に対して、認知機能を含む総合機能評価のフォローアップ調査を行った。
これまで同意を取得した412名の総合機能評価のデータ分析を行い、認知機能低下の要因を検討した。高知県コホートにおいて、認知機能低下の要因となる生活習慣、運動機能等について検討した。

11研究開発分担者:小塚 直樹
令和2年度は既登録者を対象に、インターネットを活用した追跡を実施した。平成30年度までに調査を終了した健常高齢者および前臨床期にある高齢者のうち、除外基準の該当者を除いた279名を対象とした。調査期間を10月1日~31日としてレンジレジストリパソコン版「コグニチェック」の実施に関する依頼文を郵送した結果、50名の調査協力があり、47名分のフォローアップデータを収集した。

12研究開発分担者:米田 哲也
初年度からのマイルストーンは、データ収集と解析の自動化であった。自動解析では、機能野毎のアミロイド蓄積評価を行うために、客観的なアトラスを用いて評価を行えるようにマイルストーンを設定。また、自動化の後に供出される定量化されたスコアは、MMSE等の臨床評価指標との関連を明らかにするように、これらの指標を共変数として解析を進めた。
研究開発では、自動解析のためにMatlabを用いて開発を進め、AALアトラスを導入した自動解析かを実現した。この結果、アミロイド定量値と共に、臨床指標と相関する加齢鉄の異常蓄積評価法を開発し、解析の簡便化を図ることも可能になった。本開発によって提供することが可能な定量値は、アミロイド鉄と加齢鉄を区分する位相値、アミロイド鉄位相平均値、加齢鉄位相平均値、位相分布の歪度の4つであり、これらは臨床評価と相関することを示すことに成功したため、当初のマイルストーンはほぼ達成した。

13研究開発分担者:水澤 英洋
国立精神・神経医療研究センター内に認知症センターを設立し、さらに精神科病棟の一つを一般病棟「脳と心のケア病棟」に変更し、地域での認知症患者あるいは前臨床期症例の受け皿を確保した。
地域自治体と協議を重ね、行政が行う認知症対策事業および健康増進事業に協力して、その中に認知機能チェックを盛り込んで、前臨床期・MCI・認知症の簡易診断を可能とした(ブレインチェックプロジェクト小平)。これらの参加者に認知症センターでの早期認知症者コホートへの登録を案内し、これまでに63名の前臨床期の登録を完了した。登録された対象者は当センターで診察・検査し、結果をデータベースに入力し、治験・臨床試験への参加を希望する者を当該の試験へ紹介した。参加者には1年毎に各種心理検査・画像検査・血液検査・受診を呼びかけており、経時的なデータをデータベースに蓄積している。今年度はCOVID-19の影響で一部中止となったが、感染予防処置を行いながら事業を再開している。

14研究開発分担者:塚本 忠
認知症の予防的研究・治験薬研究の推進のためには発症前(前臨床期)の被験者にどのような変化が生じているのかを明らかにし、予防的あるいは超早期に治療することが重要である。我々の研究事業をブレインヘルスプロジェクトと名付け、その事業の中核となる当院所在地域でのコホート構築の具体化を進め他地域への事業の進展を計画している。まずは、地域自治体(小平市健康福祉部高齢者支援課)と協議を進め、行政の認知症対策事業や健康増進事業への参加者に前臨床期・MCI・認知症の簡易診断をつけることが可能となるように、その具体的な内容を策定し実施するべく、認知症対策事業として「もの忘れチェック会」、健康増進事業として同市健康福祉部健康推進課が行う「健康ポイント(健康マイレージ)」に参画することとなった。認知症啓発講演を行うと共に、参加者に自記式認知機能検査(Test Your Memory-J)を行い、前臨床期・MCI・認知症の簡易診断をつけることを可能とし、一部の参加者は当院認知症センターでの前臨床期コホートへの登録に進んだ。「健康ポイント」事業では参加者の運動量の経時的変化と認知症の進行との関連の検討も開始した。

15研究開発分担者:櫻井 孝
MCI班全体では2020年10月までに、1782例の研究参加の同意、1689例の登録を得た(図)(国立長寿医療研究センター(NCGG)では321例)。登録数の最も多かった3施設(NCGG,名大老年科、杏林大)において経年フォロー率を調査したところ、年間約20%が脱落していた。また、MCIの一年後の疾患変化を調査したところ、認知症へのコンバート率21.1%、リバート率1.3%であった。以上より、登録されたMCIの約35%が脱落または変化することが明らかになった。本研究の基本デザインでは、MCIの約30%が一年で脱落または変化すると仮定していたが、概ね該当するMCIコホートが蓄積されたと考えらる。MCIレジストリで得られた情報は、カタログ(プロトタイプ)として整理した。カタログを使用することで、登録者の基本情報、病名、認知機能を検索でき、認知症リスクを層別化することが可能となった。また、登録者の一部で血液検体を回収した。「NCGGバイオバンクへの登録研究」として同意を得た対象から、SOPで定められた方法で採血・処理された血液検体(遺伝子を含む)296例を取集した。他施設からNCGGへの安全な搬送システム(感染対策・温度管理)についても確認した。レジストリの利活用では、治験の整備、多くの臨床研究が進められた。高血圧、糖尿病、心房細動、バイマーカー、DLBに関する研究、難聴、顔認識、東北メディカル・メガバンクとの連携研究等である。J-MINT研究のような大規模臨床試験に対象者を紹介する役割も果たした。
MCI班全体では2021年2月までに、1738例の登録を得た(。
(国立長寿医療研究センター(NCGG)では328例)。

16研究開発分担者:荒井 秀典
マイルストーン:軽度認知障害者の登録継続及びレジストリを活用した臨床研究の推進、台湾との共同研究 達成時期:2021年2月頃
研究開発:当院の患者に同意を得た上で、国立長寿医療研究センターに軽度認知障害の患者の情報を登録した。研究成果の利活用を推進するため、漢方薬(人参養栄湯、加味帰脾湯)を用いた2つの臨床研究に登録した。また、認知症予防を目指した多因子介入試験(J-MINT)研究においても登録を行った。台湾国立陽明大学との共同研究により、NCGG-FATの中国語版を作成し、台湾での認知症スクリーニングに活用している。

17研究開発分担者:佐治 直樹
研究開発項目:各ステージの患者等の登録及びその方法の検討
マイルストーン:病院における前臨床期患者やMCI患者の登録継続とデータ調査
達成状況:認知症の危険因子に関する調査項目を検討して、症例登録を継続した。
また、既存登録症例の縦断データも更新し、データベースをアップデートした。

18研究開発分担者:羽生 春夫
2型糖尿病を合併した認知症では、血管性認知症やアルツハイマー病(AD)とは異なる神経心理所見(近時記憶障害よりも注意、遂行機能障害が優位となり、BPSDや神経症状はほとんどみられない)や脳画像所見(海馬の萎縮は軽度で頭頂側頭葉の血流低下はみられにくい、血管性病変はみられないかあっても軽度)を示す一群があり、特に糖尿病のコントロール不良例に多いことから糖尿病性認知症(diabetes-related dementia)と呼び病態の解析を行ってきた。PETによる解析では、多くはアミロイド陰性・タウ陽性(primary age-related tauopathy)またはアミロイド陰性・タウ陰性(suspected non-AD pathology)を示すことが多かった。認知機能障害の進行や経過はADよりも緩徐であり、血糖管理によって注意や遂行機能は一時的な改善がみられたが、身体合併症やフレイルの合併のために通院が困難となりやすく、入院リスクが高く生命予後はADより不良であった。本症の背景病理や臨床像はADやその他の認知症とは明らかに異なり、適切な治療やケアを考える上でその診断や鑑別が重要である。

19研究開発分担者:武井 洋一
MCI は今年度4名追加し合計50名を登録した。50名のうち12名は経過観察中に脱落し、38名は現在も経過観察中(最長46か月観察)。36か月以上の経過観察をしているMCI は12名で、そのうち8名で登録時にPib-PETを施行。アミロイド陽性は8名中6名、陰性は2名であった。36か月の経過観察中、アミロイド陽性6名のうち、2名が認知症へ進行した。一方で高度にアミロイド沈着が認められたMCI2名では比較的認知機能の低下は緩やかであり、認知症への進展は見られなかった。

20研究開発分担者:松原 悦朗
外来受診のMCI登録者は9名に留まったが、別途855名から構成される前向きコホート(健常者737名とMCI 118名)においては、ライフスタイル関連因子(生体センサによる歩数・睡眠・会話量など)、神経心理検査、画像検査(MRI, FDG-PET, PiB-PET)の横断的・縦断的データベースを作製し、機械学習や深層学習を取り入れて、MCIの認知機能の危険因子・防御因子を同定し、MCI診断アルゴリズムの策定を行うとともに、ライフスタイル介入によるRCTを行った。

21研究開発分担者:石井 一成
研究期間内において当院を受診したMCIの患者をスクリーニングし、登録を行ってきた。認知症の危険因子や関連因子に関する情報を得るためにプロトコル上、CDR検査が必須となっているが、CDR検査を当院で行うにあたっては通常の神経心理検査枠では心理士を確保できず、大学院生医師によりCDR検査を実施して、MCI患者をスクリーニングする体制を整えた。これによりMCI患者を本研究全期間において累積23名の同意を得てオレンジレジストリに登録することができた。登録患者においては全例MRIによる3D-T1強調画像の撮像を実施しており、今後の神経心理検査とMRIによる萎縮等による局所脳構造変化との対比に利用できる。また 123 I-IMP脳血流SPECT、 18 F-FDG-PET, 11 C-PiBによるアミロイドPET、 18 F-PM-PBB3によるタウPETも実施できた患者も含まれており、将来の経過観察による変化を期待できる。2020年に入ってからは新型コロナ禍の影響により、当院においてはCDR検査を実施することができず、新規登録、経過観察ができない状態で経過してしまった。しかし、本レジストリー登録患者のうち1名を別のAMED研究に登録して、 18 F-FDG-PET, 18 F-flutemetamolによるアミロイドPET、 18 F-PM-PBB3によるタウPET当該研究を実施することができた。

22研究開発分担者:砂田 芳秀
MCI患者をオレンジレジストリに累積19名同意を得て登録することができた。

23研究開発分担者:尾内 康臣
適切な医療を提供する患者登録システムを構築するため、軽度認知障害(プレクリニカルAD~ADを代表とする認知症を含んでも可)の患者で、本人または家族から患者登録に対する同意を得て、CITRUSを使って、11名の患者を登録できた。この登録では、患者の一般臨床情報、病名、生活情報、身体機能、神経心理や脳画像検査の情報、認知症の危険因子に関する情報等を、代表機関である国立長寿医療研究センターのデータベースに集約させた。登録患者の一部で、長寿研代表の研究:FDG-PETによるアルツハイマー病の診断に関する多施設共同研究(SDAF-PET研究)にも展開できており、認知症のリスクである、運動、食事、生活習慣(病)等への介入、リハビリテーション、社会参加や心理的啓発(患者・家族の教育)等の臨床研究も行える登録である本研究の趣旨に合致していた。本年度では登録数が限定されているが、FDG-PETやアミロイド画像その他の分子画像との併用でレジストリ項目に分子画像を取り入れてより詳細に検証できるシステムとなっていて本施設の特徴と位置づけて実施した。今後血液バイオマーカーによる認知症の鑑別と、分子イメージングによるより脳内病変の精査によって、臨床診断から得られた本登録システムの検証が行われることで、よりレジストリ内容を充実することができる。今後治療薬の開発および上市後の評価に活用される重要な原資となると予想される。

24研究開発分担者:高橋 竜一
医療機関に来られたMCIの方から研究参加の同意書を取得、指定の検査を行い研究開始から総計で125例のデータベースへの登録を行った。また、半年、年一回の評価を行い、のべ449例データベースへの登録を行った。また前例に嗅覚検査を施行し嗅覚と認知機能の関連についても検討し論文化を行った。

25研究開発分担者:石井 賢二
地域コホートで日常生活の自立している高齢者136名に対し、アミロイドPETを実施した。内訳は、男/女:40/96、年齢68-86歳(79.3±4.0歳; 平均±SD)、ApoEε4保有率14.7%である。136名の内アミロイド陽性者は47名(34.6%)であった。認知機能区分では、CDR 0が101名、CDR 0.5が33名、CDR 1が2名であったが、CDR別のアミロイド陽性者はCDR 0群で28.7%、CDR 0.5群では48.5%、CDR 1.0群では100%である。またApoEε4保有者におけるアミロイド陽性率は60.0%、ApoEε4非保有者における陽性率は30.2%であった。80歳未満72名(76.2±2.9歳)におけるアミロイド陽性率は33.3%、80歳以上64名(82.5±1.8歳)における陽性率は35.9%であり、年齢が近いためか大差はなかった。3D MRIのVoxel Based Morphometry(VSRAD(R))解析で求めた側頭葉内側部関心領域のZスコア別で見ると1.2以上の萎縮がある群44名におけるアミロイド陽性率は38.6%、Zスコア1.2未満の萎縮がほとんどない群92名における陽性率は32.6%であった。側頭葉内側部の萎縮がある群でアミロイド陽性率がわずかに高いが、わずかな違いしかなかった。また、アミロイド陰性で側頭葉内側部萎縮のある被験者は、CDR0群で21.8%、CDR0.5群で15.2%にのぼり、アルツハイマー病以外の背景病理を考慮すする必要がある被験者が相当数いることがわかる。地域高齢者コホートからのアミロイド陽性者抽出には、ApoE区分や軽度認知機能低下者のスクリーニングが有効だが、年齢区分やMRI診断は余り有効ではなく、アミロイドバイオマーカーの評価が必須であると考えられる。

26研究開発分担者:池田 佳生
当施設は令和元年度からの本研究参加であり、令和元年度はMCIの5例と早期認知症の2例の計7例をオレンジレジストリに登録した。
令和2年度は、現時点まででMCIの11例と早期認知症の3例の計14例を登録した。新型コロナウイルス感染症拡大時に外来受診患者数が減少し新規登録も減少したが、現在は月に2例程度の新規登録を継続している。令和2年度に登録した14例は全例がCDR 0.5であり、MCI中心の患者登録を積極的に進めている。また前年度に登録した症例も含めて、21例中20例の経過観察を継続している。
近年、認知症発症のリスクとして身体的フレイルの関与が報告されている(Kojima G. J Am Med Dir Assoc 2016)。当院の登録症例は全例フレイルの評価を行っており、Friedらのフレイル評価基準(Fried LP. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2001)では、21例中2名がフレイル、10名がプレフレイル、9名が健常であった。
当施設では登録症例の大半を経過観察しており、調査項目と認知機能との関連について、経時的な変化を含めた検討を行っていく。認知機能低下と関連する因子の検討により、認知症に対する適切な医療・ケアの確立に役立てることができる。

27研究開発分担者:渡辺 千種
2020年は、脱落者、登録者で変動があるものの、50名前後のMCI登録者を維持している。
7名の登録者が治験への移行し、1名の登録者が特定臨床研究へ参加となった。12名が転居や認知症の進行による入院・入所などで脱落した。約2割の登録者で2年以上経過を追跡している。
研究開始時のマイルストーンはほぼ達成できたと考えている。

28研究開発分担者:葛谷 雅文
施設内の登録患者データを用いて、データ解析を実施した。サルコペニアとQOLの関連などについて検討し、サルコペニアが認知機能低下者のQOL低下と関連することを明らかにし報告した。

29研究開発分担者:樂木 宏実
大阪大学医学部附属病院 老年・高血圧内科の物忘れ外来受診患者を中心にエントリーし、MCI患者60人のエントリーを行い(12ヶ月経過後フォローが不可7名あり)、CLIC-Dには33人の同意が得られた。また、当科では特に地域からの紹介などによるMCI患者には「1週間認知症パス」にてより詳細な認知機能検査や画像検査、睡眠検査などとともに全例に脳脊髄液検査を実施しており、CSF(cerebrospinal fluid)バンクを構築している。現時点では本研究対象者26名(平均年齢 75.3歳、平均CDR 0.8、平均MMSE 22.7 平均ADAS-Cog 14.2)を含み、今後も大幅に対象患者が増える見込みである。また、週に一度、認知症診療グループによるカンファレンスにて、MCI患者の認知症関連の臨床データのレビューを行い、より正確なデータベースの構築を行った。経過観察は年一回を基本として、心理検査(MMSE、CDR)、生活機能検査を継続的に調査した。

30研究開発分担者:秋下 雅弘
AIの解析の結果は、当科物忘れ精査の軽度認知症者125名(平均年齢 80.3±7.2 平均MMSE 22.0±5.6)と地域在住高齢者(柏コホート)116名(平均年齢 76.8±7.5 MMSE 28.9±1.5)を対象とした。いくつかのモデルで試みたが、Xceptionモデルでは92%のaccuracy(AUC 0.9717)で認知症か正常か弁別できた。また、顔のどの部分に注目しているかを検討すべく、目を含む上半分、口を含む下半分にわけて解析を行ったところ、顔の下半分の写真(AUC 0.9803)の方が上半分(AUC 0.9635)よりも判別能(AUC)が高かった。本結果はAging (Albany NY); 13:1765-1772, 2021に発表した。

31研究開発分担者:神﨑 恒一
1. 患者登録システムの現状:オレンジレジストリへの参加同意取得は131例、追跡状況としては1年後97名、2年後69名、3年後38名に対して追跡調査を実施した。なお脱落者は42名であった。NCGGバイオバンク事業に関しては、2名のオレンジレジストリ登録患者より新たに同意を取得し、血液サンプルを取得した。
2. 脱落者の現状に関するアンケート調査:オレンジレジストリに登録後、一定の期間以上通院していない40名に対して郵送による追跡調査を実施し、20名(男性9名/女性11名、平均年齢82.2歳)から回答が得られた。レジストリ登録時と調査時との変化を確認したところ、要介護度や身体的フレイルの状態に有意な変化は見られなかったものの、JABCランクにて評価した活動度は有意に低下していた(p <0.01 by χ2 test)。なお通院中断に至った主な理由は①通院困難、②転院、③逆紹介であり、症状が気にならなくなった方以外の16名は近医に通院中もしくは往診を受けている状態であった。
3. 認知機能低下・身体機能低下に対する最終糖化生成物の関与:皮膚組織のAGEs蓄積量(SAF)をAGE Reader MUを用いて測定し、フレイルとの関連を横断的に検討した。対象はもの忘れ外来初診患者44名(男性22名/女性22名、平均年齢:79.9歳)、簡易フレイルインデックス得点:2.5±1.2点、SAF値:2.64±0.52であった。簡易フレイルインデックスの下位項目「5分前のことが思い出せない」に該当した患者はSAFの実測値が高値であった(2.7 vs 2.3, p=0.08)。また年齢より算出されるSAF推定値と実測値の差を求めたところ、推定値よりも実測値の方が高値である患者では「以前に比べて歩く速度が遅くなった」(p=0.07)、「半年で2kg以上体重が減少した」(p=0.09)といったフレイル評価項目に該当する傾向が見られた。
4. コグニティブフレイルの実態調査と臨床意義に関する検討
MCIかつ身体的フレイルを併せ持ったコグニティブフレイル群、およびMCI単独群の特徴を比較した。年齢をマッチさせた224例の検討では、MCI群(168名)よりコグニティブフレイル群(56名)の方が服薬数が多く(4.4 vs 5.3剤, p=0.05)、栄養状態が悪かった(MNA-SF得点:12.1 vs 11.1点, p <0.05)。またbaPWVは高値(1,895 vs 2,215cm/sec, p <0.05)、ラクナ梗塞多発例が多かった(42 vs 60%, p <0.05)。すなわち、コグニティブフレイル群はMCI群に比べて、栄養状態が悪く、動脈硬化性変化が多くみられるという臨床症状の相違が認められた。

32研究開発分担者:横手 幸太郎
2019年度に引き続き、当院糖尿病・代謝・内分泌内科に入院した65歳以上の患者において、対象者の登録を継続した。また登録患者数を増加させる目的で、対象とする患者を当科の入院患者のみならず、当院の認知症疾患医療センターおよび当院高齢者医療センターにも拡大した。具体的には、両センターを受診した65歳以上の患者に対して本研究の認知機能に対するスクリーニングを実施し、該当者を本研究チームに紹介・登録する仕組みを確立した。今年度はCOVID-19の蔓延に伴う緊急事態宣言の影響を強く受け、特に上半期において当院の両センターを受診する高齢者が激減した。その結果患者からの同意取得に難渋したものの、今年度下半期に新たに3名の患者から同意を得た。また現在、一昨年および昨年度登録した患者の評価も当センターの外来で施行中である。
なお、当科では糖尿病(1型、2型)や脂質異常症などの代謝性疾患、副腎疾患(クッシング症候群、原発性アルドステロン症)や下垂体疾患(末端肥大症、下垂体機能不全)などの内分泌疾患、さらにはWerner症候群などの多岐に渡る疾患を対象に診療を行っている。そのため、今後本研究を長期間実施することで、加齢に伴う認知機能および体組成の経時的な変化に対する、基礎疾患の影響を経時的に観察・評価することが可能となる。これらを明らかにすることで、代謝・内分泌性疾患、さらには早老症を有した個々の患者に対する、老年症候群の予後や治療介入への新たな知見を得ることが期待され、ひいては一般の高齢者に対する医療・福祉分野にも広く還元できると考える。

33研究開発分担者:藤田 浩樹
オレンジレジストリ登録にあたり、秋田大学医学部附属病院老年科(老年内科、糖尿病・内分泌内科)に通院中あるいは入院した高齢2型糖尿病患者を対象として、臨床心理士によるCDR (clinical dementia rating)、MMSE (mini-mental state examination) などの認知機能検査に加えて、基本的ADL (activity of daily living)や手段的ADL、血糖コントロール状態の評価を行った。計50名の高齢2型糖尿病患者で、平均年齢は77歳であり、正常認知機能が4名、MCIが33名、軽度認知症が9名、中等度認知症が4名であった。MCIと診断された患者のうち、9症例についてオレンジレジストリの登録を行い、経年的な評価を行っている。

34研究開発分担者:武地 一
研究の一番の趣旨に沿ってMCI患者50症例をレジストリ登録患者として同意取得し、経年変化を追跡した。その過程で初期の目標とした事柄について分担研究を進め、認知機能障害の効率的な経年的経過観察方法の提示(Li F, Takechi H et al. Dement Geriatr Cogn Dis Extra. 2017 Nov 8;7(3):366-373)、頭部MRIでの視覚的スクリーニング方法の提示(Li F, Takechi H et al. Psychogeriatrics. 2019 Mar;19(2):95-104)、認知症初期の社会的資源としての認知症カフェや認知症初期集中支援チームの有用性の提示(Takechi H et al. Dement Geriatr Cogn Disord 2018;46:128-139, Takechi H et al. J Am Med Dir Assoc. 2019 Dec;20(12):1515-1520, Takechi H et al. Dement Geriatr Cogn Disord. 2020 Mar 4:1-10, Kawakita H, Takechi H et al. Int Psychogeriatr. 2020 Feb 17:1-11)、認知症の進行に伴う社会資源に関する医療経済的検討(Takechi H et al. Dement Geriatr Cogn Disord. 2020 Mar 4:1-10)、主観的物忘れの意義に関する検討(Takechi H et al. Geriatr Gerontol Int. 2020 Oct;20(10):867-872)を行い、成果として論文にまとめた。

35研究開発分担者:祖父江 元
17名のMCIおよび早期認知症を登録するとともに、引き続き症例の収集に努めている。
経過とともに軽度認知障害あるいは早期認知症から進行期認知症へ進行する例もあるため、引き続き対象症例の収集を行っている。
症例の収集を進めるとともに健常者、MCI、早期ADに対して、PiB PETおよびTHK5351 PETを施行し、安静時脳機能MRI解析の手法も加えることでTHK5351にて集積が認められた部位(precuneus/PCC)が、健常加齢において重要なハブとして機能しており、このハブ機能の破綻がADの認知症発症と関連することを見出した。

36研究開発分担者:阿部 康二
当院で開設している認知症専門外来などの医療機関に来られたMCIの方をスクリーニングし、登録するとともに、認知症の危険因子や関連因子に関する情報を得ることを目的に研究をすすめた。MCIのスクリーニングは、国際標準と整合性をはかることを第一とし、MCIの診断には、薬剤作用、血液異常を通常医療行為の中で検討し、頭部MRI検査や脳血流SPECT検査などの脳画像検査、てんかんとの鑑別のための脳波検査、CDRを含む標準的な認知機能検査からなる共通の診断基準によって行った。経過観察は3-6か月おき、年2-4回を基本として、認知機能検査(MMSE, 長谷川式スコア、CDR)、情動機能検査(GDS、アパチースコア、阿部式BPSD)、ADCS-ADLなどの生活機能検査、睡眠状態の問診を必須項目とする。認知症への移行や認知症の進行が疑われる例では、画像検査など通常医療行為の枠内で行い、早期以外の認知症へ移行しても引き続き情報は収集を行った。また、治験への登録の他、認知症のリスクである生活習慣病への介入、運動習慣、食習慣への介入、社会参加や啓発(認知所カフェ)等の臨床研究も行える登録のあり方を検討した。検査体制を整えることができた。

37研究開発分担者:北岡 裕章
登録対象者は、医療機関を受診しCDRを含む認知機能検査によりMCIと診断された方とする。認知機能検査の他、認知症の危険因子や関連因子に関する情報を得る。これまでにのべ634名に対してスクリーニングを行い、18名のMCIの方を登録した。

38研究開発分担者:冨本 秀和
平成29年から令和2年の4年間に亘って、当科もの忘れ外来を受診した患者の脳小血管病変と、各病変から算出される脳小血管病スコア(Small vessel disease; SVD score)、認知機能検査(MMSE, RBMT, TMT、語頭音検査、MCAS)、運動機能検査(UPDRS part III)などの評価スコアを調べた。
(結果1)
受診患者で軽度認知機能障害(MCI)または軽度認知症と診断された患者を対象として、高血圧性脳小血管病(Hypertensive vasculopathy(HA)-SVD)スコアをラクナ梗塞、白質病変、微小出血(深部型)、基底核領域の血管周囲腔拡大の4因子の総和として算出した。認知機能と個々の因子との間ではいずれにも相関を認めなかった。また、HA-SVDスコアについても有意差を認めなかった。一方、CAA-SVDスコアは脳葉型脳微小出血,cSS,半卵円中心の血管周囲腔拡大および白質病変の各スコアの総計を0~6の7段階で算出した。その結果、各個の因子と認知機能との間には相関を認めなかったが、CAA-SVDスコアとMMSE (p=0.006)、語頭音検査(p=0.04)、MCAS (p=0.03)との間に有意な相関を認めた。
(結果2)
UPDRS part IIIで評価した歩行機能はHV-SVDスコア、CAA-SVDスコアのいずれとも相関しなかった。

39研究開発分担者:内海 久美子
登録数は、2017年度65件、2018年度27件、2019年度32件、2020年度4~8月4件で総計128件となった。
1年ごとのフォロー受診では、1年後にMCIからアルツハイマー型認知症(AD)に移行したのは18例、レビー小体型認知症(DLB)に移行したのは1例であった。2年後にMCIからADに移行したのは9例であった。レビー小体型認知症(DLB)に移行したのは1件であった。3年後にMCIからADに移行したのは2例であった。レビー小体型認知症(DLB)に移行したのは1件であった。
また認知症の診断名告知直後に実施した治験参加意思のアンケート調査は,2018年8月から2020年8月までに本人(MMSE 20点以上)271名、家族523名から回答を得た.結果、参加への意欲は本人38.0%、家族27.2%で、むしろ本人の方が参加意欲が高かった。参加希望理由は、家族本人とも「新しい治療薬を試したい、進まないように、良くなりたいから」が多かった。「分からない」と答えたのは、本人が50.6%、家族が64.2%で、その理由としては、本人は「不安だから、まだよくわからない」、家族では「副作用が気になる」が多かった。「参加したくない」と答えたのは、本人が11.4%、家族が8.6%で、その理由としては、本人は「薬を増やしたくないから、不安だから」、家族は「年なので、不安だから」が多かった。
根本治療薬のない認知症では、新薬に治療効果を期待して治験参加希望する傾向があり、それは家族よりも本人で強かった。

40研究開発分担者:下濱 俊
令和2年度は12例の同意取得までの成果であったが利活用は特になし
 2020年度は新たに1例から同意を取得し、合計12例からの同意取得に至った。11例について登録完了し、うち1例は2019年度に中止登録している。登録未完の1例は通院が途絶えてしまい登録の目処が立たなかったが、10例は研究継続できた。

41研究開発分担者:森本 茂人
軽度認知障害~軽度認知症患者の登録 MCI登録は65例を登録した。
健常例、軽度認知障害例、認知症例における嗅覚と生活機能障害の関連
高齢・認知症外来に通院する健常・MCI・アルツハイマー型認知症例 135例において、嗅覚・認知機能指数(ロジスティック回帰式におけるOpen EssenceとMMSEへの係数の比の絶対値)が高値を示すサルコペニアでは有意の前頭葉萎縮を認め、嗅覚・認知機能指数が低値を示すBarthel-ADL要介助( <85/100)、基本チェックリストフレイル(>8/25)、Lawton-IADL要介助(男女共通5項目 <4/5)、要支援要介護認定例では有意の海馬領域・全脳萎縮を認めることを明らかにした(Geriatr Gerontol Int 2021; 21: 291-298)。脳内の嗅覚情報処理には、一次嗅覚皮質(梨状皮質)、二次嗅覚皮質(眼窩前頭皮質)との間に、海馬を含む辺縁系が介在する。ロジスティック回帰分析における認知機能で補正した嗅覚は、辺縁系が相殺され、前頭前野機能を現すようになると考えられる。
本研究で新たに開発された嗅覚・認知機能指数を用いることにより、加齢により最も萎縮が進行する前頭前野と海馬領域における両部位機能低下の、各種老化指標に対する関与判別が可能となる。また、嗅覚(Open Essence)とMMSEを測定すれば、今回得られたロジスティック回帰式に当てはめることにより、個々人のサルコペニア、フレイル、要介助状態の易発症性を予測しうる。

42研究開発分担者:池田 学
大阪大学医学部附属病院を受診した物忘れ等、認知機能低下を主訴とする方に対して、以下①~⑧を行った。
① 被験者情報
被験者の年齢、性別、発症年齢、主介護者との続柄、内服薬の種類と量、介護認定の有無と要介護度、介護サービスの利用状況、身体合併症(既往症)
② 認知症重症度
Clinical Dementia Rating (CDR)
③ 神経心理検査
Mini-Mental State Examination (MMSE)
Alzheimer’s Disease Assessment Scale (ADAS)
Wechsler Memory Scale-Reviced(WMS-R)の論理記憶
④ 画像検査
形態画像検査として頭部Computed TomographyもしくはMagnetic Resonance Imaging
⑤ その他の検査
血液、髄液、脳波、脳機能画像検査など、鑑別診断の必要性に応じて適宜実施する。
⑥ BPSDの評価
Neuropsychiatric Inventory (NPI)
⑦ 介護負担の評価
日本語版Zarit Caregiver Burden Interview (ZBI)
⑧ 日常生活活動の評価
Physical Self-Maintenance Scale (PSMS)、Instrumental Activities of Daily Living Scale (IADL)
 これらの検査結果より、臨床診断を行い、その中から、MCIの方を抽出した。そのMCIの方に対して研究説明を行い、同意が得られた方が令和2年度は11名であった。なお、MCIのスクリーニングは、国際標準と整合性をはかることを第一とし、MCIの診断には、上記の標準的な認知機能検査からなる共通の診断基準によって行った。また、すでに同意を得た方については、経過観察は年1回を基本とし、上記①~⑧を行った。

43研究開発分担者:大石 充
Orange Registry症例登録およびフォローを行った。当該施設では7名の症例を登録したが、内2名の死亡を確認した。残る5名のうち2名は、フォロー検査上MCIの進展はみとめず、かつこれらの症例ではFrailの進展も認められなかった。残る3名のうち1名は2019年度追跡不能となり、2名は皆本年度原疾患(心血管疾患)の増悪による準緊急的な入退院を繰り返され十分なMCIフォロー検査が施行困難であった。

44研究開発分担者:荒木 厚
高齢糖尿病患者は軽度認知障害(MCI)や認知症をきたしやすい。また、フレイル、サルコペニアなどの身体機能低下もきたしやすい。そこで、高齢糖尿病患者において、MCIとフレイル・サルコペニアとが関連するか否か検討を加えた。対象はオレンジレジストリー登録を行った患者の母集団であるフレイル外来の糖尿病患者260名(平均年齢78.1歳、男100例、女160例)である。MoCA-Jの点数により、24点以上を正常群、19点~23点をMCI群、18点以下を認知症疑い群の3群に分類した。フレイルはJ-CHS基準と基本チェックリスト(KCL)で判定し、サルコペニアは四肢骨格筋量(BIA法)、握力、歩行速度を用い、AWGS2019の基準で判定した。その他片足立ち時間、BMI、HbA1、血圧、脂質などを測定し、3群の比較はANOVAとDunnettの多重比較で解析した。さらに、MCI群と正常群を合わせた対象で、ロジスティック回帰分析を用いて、フレイル、歩行速度低下がMCIと独立した関連があるかについて検討した。
1)フレイル外来を受診した糖尿病患者において、認知正常群は14.6%、MCI群は54.6%、認知症疑い群は30.8%であり、大半が認知機能障害を有していた。2)3群間の比較でフレイル(J-CHS)は12.8%、28.0%、27.3%、フレイル(KCL)は17.2%、32.5%、46.7%と認知機能が進むにつれて頻度が有意に増加した。3)年齢、性、BMI、教育歴、脳卒中既往、HbA1c、収縮期血圧、HDL-Cを補正したロジスティック解析では、フレイル(J-CHS)では3.3倍(p=0.013)、KCL(7点以上)は3.3倍(p=0.007)、歩行速度低下(1.2m/秒未満)は2.3倍(p=0.033)、MCIが高頻度にみられた。しかし、MCIと骨格筋量、握力、サルコペニアとの関連はなかった。フレイルや歩行速度の評価がMCIを疑う手がかりなることが明らかとなった。さらに、歩行速度低下は脳MRIでの前視床放線の白質統合性異常と関連することを明らかにした。

45研究開発分担者:中村 治雅
国立精神・神経医療研究センターにおける、適切な医療を目指した軽度認知障害等の患者の情報研究開発項目(マイルストーン):MCIおよび早期認知症の登録及びその利活用の検討
達成状況と成果:現在(2020年11月10日)までに34名の登録を行い、登録日から1年以上経過した22名のうち12名については1年に1回の評価を行った。また、登録者のうち16名については自施設でMCIを対象に行っている他の研究にも別途同意を得たうえで組み入れを行った。
令和2年度の成果:病院を受診されたMCIの方をスクリーニングし、本研究にご理解いただき同意を得た6名の登録を行った。前年度までに登録を行った28名に関しては、登録日から現在(2020年11月10日)までに1年以上経過している22名のうち12名に対して1年に1回の評価を行った。また、研究参加者のうち7名に関しては自施設でMCIを対象に行っている認知機能が悪化しないMCIの背景因子を探索する研究にも別途同意を得たうえで組み入れを行った。
登録(MCIオレンジレジストリ)を推進するために、当センター認知症センターへ心理師クリニカルリサーチコーディネーター(CRC)を配置し、初診時・再診時における研究参加への必須心理検査の実施、同意取得補助、被験者からの問い合わせへの対応、次回受診時の予約なども含めた業務手順に基づき、外来患者の円滑な登録促進を継続した。また、治験管理部門とも連携し、患者組み入れを促進した。これらにより、医師への負担を軽減、また必要な心理検査を一律に実施できることで、患者登録が促進された。その結果として120名のMCI患者から同意取得を得て、その後もフォローアップを実施した。当センターのデータマネジメント室、医療情報部門とも連携して、CIRTUSへの患者情報登録も継続した。
本研究により、MCIレジストリの構築と運用が確立され、今後の臨床研究、医薬品等の開発を促進するための研究基盤が構築された。軽認知症の疫学研究、治療法開発を進める研究基盤として、研究期間終了後も活用を引き続き進めていく。

46研究開発分担者:浦上 克哉
達成状況と成果:現在(2021年3月24日)までに36名の登録を行い、登録日から1年以上経過した28名のうち17名については1年毎の評価を1回以上実施した。また、登録者のうち16名については自施設でMCIを対象に行っている他の研究にも別途同意を得たうえで組み入れを行った。
令和2年度の成果:病院を受診されたMCIの方をスクリーニングし、本研究にご理解いただき同意を得た8名の登録を行った。前年度までに登録を行った28名のうち7名に対して1年毎の評価を行った。また、研究参加者のうち7名に関しては自施設でMCIを対象に行っている認知機能が悪化しないMCIの背景因子を探索する研究にも別途同意を得たうえで組み入れを行った。

47研究開発分担者:三村 將
適切な医療を目指した軽度認知障害等の患者の情報登録及び連携に関する研究に参画し、ORANGE-MCI班として平成29年12月より当院メモリークリニック外来に通院している対象者のリクルートを開始し、現在までに23例のリクルートが完了し、データ登録済みである。23例の対象者については定期的に経過を見ており、1年後のフォローのデータ登録も適宜順調に行うことが出来ている。

48研究開発分担者:葛谷 聡
今年度は新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に伴い、院内クラスター発生の防止が病院の最優先課題となったこともあり、新規患者リクルートが伸び悩んでいる状況である。年1回の経過観察症例をおこなった。

49研究開発分担者:武田 章敬
平成27年度に認知症ケアの登録項目選定のために認知症介護研究・研修センターが実施したFeasibility studyのデータに関して、平成28年度にデータ解析と評価を行った。平成29年度に認知症高齢者が在宅生活を継続することを目的とした長期縦断的な登録項目につき検討を行い、必要最低限の長期縦断的な登録項目として(1)認知症の原因疾患、(2)認知機能(MMSE又はHDS-R)、(3)日常生活活動(IADL及びBarthel index又はPSMS)、(4)認知症の行動・心理症状(NPI-Q等)、(5)可能であればQOL(QOL-D等)が候補として挙げられた。平成30年度はITを介して多施設でこれらの項目を安全かつ容易に登録が可能となるよう入力システム「CITRUS認知症ケア」を開発した。本システムでは軽度認知障害の登録システム「CITRUS」の登録項目に加え、要介護度、NPI、DASC、老年症候群、認知症高齢者の日常生活自立度、障害高齢者の日常生活自立度等も含めて入力が可能である。また、ファイルメーカーに登録された既存の情報を「CITRUS認知症ケア」に移行させるため、ファイルメーカーの改修も行った。令和元年度は、国立長寿医療研究センターもの忘れ外来を受診した在宅の認知症高齢者の登録を開始した。多施設での登録に向けた検討、登録されたデータの利活用に関する検討を行った。令和2年度においても症例の登録を継続し、730例の登録を行った。登録した症例の原因疾患毎に症状の解析を行ったところ、「同じことを何度も聞く」はアルツハイマー型認知症(AD)ではレビー小体型認知症(DLB)、血管性認知症(VaD)と比べて頻度が高く、「昼間寝てばかりいる」はADではDLB、VaDと比べて頻度が低かった。また、Vitality IndexはADではDLB、VaDと比べて高かった。

50研究開発分担者:中村 考一
令和2年度は、これまでに開発したBPSDに対するケアの登録WEBシステムをより使いやすい形で改修し、さらなるデータ登録の推進を行うとともに登録内容の全体的な傾向を分析し、介護保険施設等での試験的な利活用の登録数の多いBPSDについて統計解析を進めることを目指した。
システム改修については、入力結果の印刷機能等を追加し、実践に活用しやすいものとした。結果、更に調査を推進した。結果、2021年3月1日までに、BPSDスポット調査に、293施設がエントリーし、213名の認知症の人からデータが得られた。登録されたBPSDの数は、406件となった。登録内容の全体的な傾向を分析するため、213名のうち、属性項目に欠損のない175件について、BPSDの軽減群、変化なし・悪化群に分けて対応のないt検定を行ったところ、NPI-Qの重症度や負担度の介入前評価が高い方が有意にBPSDが軽減していた(重症度;軽減群・介入前8.61点、変化なし悪化群・介入前5.80点,p <0.01/負担度;軽減群・介入前10.75点、変化なし悪化群・介入前6.41点,p <0.01)。また、175件は、ADLや睡眠、水分、服薬、うつ、せん妄、役割、交流等の項目においては、改善群、変化なし・悪化群の差はなかった。
最も多いBPSD(焦燥・繰り返し)について、BPSD数で61件の登録が得られた。欠損のない52事例(改善群26例、変化なし・悪化群26例)について解析したところ、軽減した群では、「取り組み前の楽しみや趣味の活動」が有意に多かった(U=303.5,p <0.05, Mann-Whitney U検定)他、取り組み前の熟睡日数が有意に多く(改善群:5.46日、変化なし悪化群:4.00日,p <0.05,対応のないt検定)、実施したケアの数が有意に少なかった(改善群:12.7、変化なし・悪化群:21.9、p <0.05,対応のないt検定)。また、改善群におけるケアの実施有無とで介護職員が有効であると判断したかどうかについてX 2 検定を実施したが、選択率50%以上のケアのうち、5%水準で有意差の得られたケアはなかった。以上から、焦燥・繰り返しのケアにおいては、睡眠の状態を確認し改善すること、趣味等の活動やケアを実施しすぎていないかを確認し、ケアや活動の量を抑えることの有効性が示唆された。

51研究開発分担者:小長谷 陽子
認知症ケアは疾患の重要度や本人の居場所によって適切に行われる必要性があるが、時間軸を見据えた標準的なケアのエビデンスは乏しい。在宅認知症者および介護家族におけるインフォーマルなケアとして認知症カフェに着目し、その効果を明らかにすることを目標に調査する。
若年性認知症の人を対象にした認知症カフェにおいて、2019年から2年間経過が追えている事例は22名(男性13名、女性9名)であった。そのうち、11名は施設入所等によりカフェに通えなくなっていた。11名(男性6名、女性5名)にアンケート調査を実施し、その結果全てのカフェから回答があった。今後、分析を進め、論文化する予定である。
認知機能低下者把握のための「認知機能評価のための食行動尺度:Eating Behavior Scale for cognitive function (EBS-cog)」は、これまでの結果を基に短縮版を作成し、認知機能との関連を検証し、項目の重みづけを行った。サロンや自主グループなどのインフォーマルケアの場で実際に用いて、MCIの可能性のある人を把握し、登録につなげる予定である。
本調査により、認知症カフェの長期的な運営による認知症本人への効果を示すことができた。また、認知症カフェの継続的な運営に必要な示唆を得ることで、インフォーマルなケアの安定化と質の向上等が期待できると思われる。また、認知機能低下者把握のためのEBS-cogは、インフォーマルケアの場において、軽度の認知機能低下者の把握に有用であると考えられた。

52研究開発分担者:數井 裕光
認知症ちえのわnetには2021年3月19日現在、317,829人が訪問し、3,416件のBPSDとケアに関する情報が収集され、奏功確率が明示された対応法は延べ132種類となっている。また高知県研究は、高知大学医学部倫理委員会の承認を受け、症例登録を開始した、研究協力施設は8施設で、106例の認知症者が登録され、2年間のデータ収集を行っている。
 認知症ちえのわnetを活用したデータ収集は今後も長期的に行うため、これにより認知症ケアにおけるグッドプラクティスが数多く明らかにできる。またこれらの情報は常に公開しているため、国民の誰でもが容易にグッドプラクティスを知ることができる。高知県研究については、より精度の高いBPSDとケアに関するデータが収集できるため、質の高いグッドプラクティスが明らかにでき、認知症ちえのわnetで得られるグッドプラクティスと相補的に活用できると考えられる。

53研究開発分担者:田原 康玄
認知症のバイオマーカー開発や有効性の検証には、認知症患者のみならず健常から軽度認知機能障害例を含めた大規模研究基盤が不可欠である。そこで本研究では、滋賀県長浜市民約1.2万人を対象とする"ながはまコホート"において、認知症研究に資するための臨床情報や神経心理検査の情報を収集し、リスク解析連携のための研究基盤を築くことを目的とした。
本年度のフィールド調査(全16日間、1,600人対象)において、60歳以上高齢者を対象に認知機能検査(長谷川式認知機能スケール・MMSE・MoCA-J)を実施する予定であったが、COVID-19の感染拡大、ならびに保健所・医師会・医療機関等からの自粛要請を総合的に判断し、フィールド調査の実施を見送った。認知機能のリスク因子解析では、前年度までに収集した頭部MRIのVoxel based morphometry(VBM)解析を行って大脳皮質や白質病変、海馬などの領域別体積を算出し、認知機能検査得点(MMSE、MoCA-J)との関連を検討した。その結果、灰白質の体積が認知機能検査得点と有意に正相関し、これは年齢や性別、教育歴、HbA1cなどの主要な共変量とは独立であった。一方、白質や脳脊髄液の体積と認知機能とには有意な関連を認めなかった。白質病変に関しては、深部白質病変や側脳室白質病変の体積が認知機能検査得点と有意な負の関連を示した。領域別の検討では、海馬や嗅球の体積と認知機能検査得点との間に正の相関を認めた。これらの因子を全て投入したモデルでは、海馬の体積のみが認知機能検査得点の有意な説明変数として抽出された。一方、認知機能低下群と健常群とで脳実質の体積を比較した検討では、海馬体積が両群で有意に異なっていた。以上の結果は、ながはまコホート集団において、頭部MRIのVBM解析で得た脳の領域別体積が、認知機能低下のリスク因子解析における中間表現型として利用できることを支持する成績といえる。嗅覚の低下は認知機能の低下と関連することが知られているが、主要な共変量と頭蓋内体積の調整後も、嗅覚体積は海馬体積と独立して関連した。このことは、嗅覚の低下が認知機能の低下と関連することを裏付ける成績といえる。

54研究開発分担者:大田 秀隆
本研究班は、北海道、東北、関東、中部、四国、九州を含む6つのコホートから構成されており、各コホートのデータについては、研究者間でデータ・シェアリングを行い、解析を行った。当該データには地域特性として抽出できる因子が潜在していると推察されるため、高齢期うつ徴候が、生活機能の問題(KCL総合点、KCL下位項目の得点)に与える影響は、どのような特性(歩行速度の低下、認知機能の低下など)をもつコホートで強いのかを検討した。方法としては、マルチレベル解析を行った。その結果、うつによる生活機能に影響に大きく関係している因子は、個人レベルではポリファーマシー、地域レベルでは通常歩行速度ということが明らかになった。本結果は、海外英語論文にまとめ、現在投稿中である。

55研究開発分担者:牧迫 飛雄馬
鹿児島コホートにおいて、地域在住の中高齢者を認知機能の評価を行い、初期登録項目に基づいて新規登録を行い、レジストリ基盤の充実を図った。2018年度には549名、2019年度には322名から登録の同意を得た(計871名)。そのうちの498名が取込基準を満たし、期間中にレジストリに登録された。なお、2018年~2019年度における鹿児島コホートでの調査延べ人数は2,180名に達した。2020年度には、登録同意取得者の縦断的な追跡として239名の認知機能検査を実施した。なお、期間中に576名の追跡調査としての認知機能検査を行った。鹿児島コホートでの登録者全員に対して認知症予防のためのパンフレットを送付した。

56研究開発分担者:犬塚 貴
当院の認知症疾患医療センター(岐阜県基幹型)のもの忘れ外来受診者から、MCIの方をスクリー
ニングして研究参加を呼びかけ同意書を取得して登録した。半年ないし1年毎に評価を行う。令和2年度分の登録症例は8例である。症例登録を開始した令和元年11月からの累計は15例である。

57研究開発分担者:古川 勝敏
登録した患者において心理検査(MMSE, CDR)、生活機能検査を必須項目とし、フォローアップをおこなった。認知症への移行や認知症の進行が疑われる例では、画像検査など通常医療行為の枠内で行い、早期以外の認知症へ移行しても引き続き情報は収集した。一方、体液バイオマーカーとして、脳脊髄液内のHigh mobility group box-1 (HMGB1)のレベルは、細胞質アミロイドβ凝集体の形成に伴い、MCIにおいて著明に上昇していることが明らかになった。病理学的にもアルツハイマー病のニューロンでYes-associate protein (YAP)の発現は著明に低下していた。これらよりYAP依存性の神経細胞壊死がMCI、アルツハイマー病の一つのプロセスであるこが明らかになった。

58研究開発分担者:中村 昭範
前年度までの研究で、血液AβバイオマーカーによってAβ陽性者のスクリーニングに有用であることが示された。今年度は、血液Aβバイオマーカーが病態の進行予測にも有用かどうかの検討を行った。対象はJ-ADNIの縦断的な観察データを有する132例。内訳は認知機能正常高齢者(CN) 51例、MCI 50例、AD 31例で、ADの1例を除き全員Base line(BL)を含めて3回の検査データを有していた。病態進行指標として、MMSEで評価した認知機能、MRI VSRAD scoreで評価した内側側頭葉萎縮度をもちい、BLの血液Aβバイオマーカー(Composite biomarker)の値との関係を解析した。
 その結果、BLの血液バイオマーカー値は、BLのMMSE scoreよりも、MMSE scoreの年間変化量との方が強い相関を示した(図1 左上,左中)。更に、MMSE scoreの年間変化量を従属変数とし、BLのComposite biomarker値、年齢、性別、APOE4の有無、BLのMMSE scoreを従属変数として重回帰分析を行ったところ、BLのComposite biomarker値のみがMMSE低下の有意な予測因子であった(図1 左下)。以上より、血液バイオマーカーは将来の認知機能低下の予測に有用である可能性が示された。同様に、VSRAD scoreとの関係でも、BLのVSRAD scoreよりもVSRAD scoreの年間変化量の方が強い相関を示した(図1 右上,右中)。また、重回帰分析では、BLのVSRAD scoreとBLのComposite biomarker値が、VSRAD scoreの年間変化量、すなわち海馬の萎縮進行の有意な予測因子であることが示された。
以上より、血液Aβバイオマーカーは、Aβ病理保有者を効率的にスクリーニングできるだけでなく、AD病態の進行予測にも有用である可能性が示された。

59研究開発分担者:新飯田 俊平
オレンジ登録者の治験への誘導や個人の病態推移等を理解する上で、遺伝的背景を把握することは重要である。当該年度はオレンジ事業登録者のうちバイオバンク同意(遺伝子解析がの同意)がある247人の全ゲノムジェノタイピングを実施し、228人分がデータクオリティチェックをクリアした。このデータ群について、既知のアルツハイマー病リスクとされている38箇所の疾患感受性座位を調べた結果、29座位(38座位中)で変異の有無が確認された。これらをもとに、一人ひとりのポリジェニックリスクスコア(PRS)の算出を行なった。スコアの参考値はNCGGメディカルゲノムセンターが保有する13,000人分(認知症+MCI+正常)の全ゲノムジェノタイピングデータで算出したデータを用いた。この群のスコア分布曲線は二極性を示し、カットオフ値は19.2が示されている。
オレンジ登録者のゲノム情報を解析したところ、5人で家族性認知症の原因となっている遺伝子変異を認めた。残る223人について、一人ひとりのPRSを算出した結果、カットオフ値19.2より高い群は94人、低い群は129人であった。登録後に認知症と診断された人数を調べたところ、前者では33%に相当する30人が認知症と診断されており、後者の12.6%(16人)の2倍以上のリスクが示された。この結果はスコアの値が一定の意味を持つことを示唆する。しかしながら、このスコアは前述したようにNCGGの保有する日本人データが基準となっているが、スコアの対象とした38箇所のリスク変異はコーカシアン(Caucasian)における疾患感受性座位である。したがって今回のPRSが日本人における認知症のリスクを正確に反映しているという保証はない。遺伝子変異は人種差があり、認知症の遺伝的背景を理解するためには、日本人のための日本人によるリスク解析が必要と考えられた。
学会誌・雑誌等における論文一覧

1.Mitsutake S, Ishizaki T, Tsuchiya-Ito R, Furuta K, Hatakeyama A, Sugiyama M, Toba K, Ito H. Association of Cognitive Impairment Severity with Potentially Avoidable Readmissions: A Retrospective Cohort Study of 8,897 Older Patients. Alzheimer's & Dementia: Diagnosis, Assessment & Disease Monitoring 2021 (in press).

2.Suzuki T, Nishita Y, Jeong S, Shimada H, Otsuka R, Kondo K, Kim H, Fujiwara Y, Awata S, Kitamura A, Obuchi S, Iijima K, Yoshimura N, Watanabe S, Yamada M, Toba K, Makizako H: Are Japanese Older Adults Rejuvenating? Changes in Health-Related Measures Among Older Community Dwellers in the Last Decade. Rejuvenation Res. 2020 Jul 8. doi: 10.1089.

3.Sugimoto T, Ono R, Kimura A, Saji N, Niida S, Sakai T, Rakugi H, Toba K, Sakurai T : Impact of Cognitive Frailty on Activities of Daily Living, Cognitive Function, and Conversion to Dementia Among Memory Clinic Patients with Mild Cognitive Impairment.J Alzheimers Dis.2020;76(3):895-903.

4.IIJIMA Y,Support Systems for Medical Decision-making: Consideration for Japan , Journal of Law and Medicine , 2020,7 ,981-984.

5.Yokoi K, Hattori M, Satake Y, Tanaka Y, Sato M, Hashizume A, Hori A, Kawashima M, Hirakawa A, Watanabe H, Katsuno M. Longitudinal analysis of premotor anthropometric and serological markers of Parkinson’s disease. Sci Rep. 2020, 10(1), 20524. doi: 10.1038/s41598-020-77415-1.

6.Lim YY, Maruff P, Kaneko N, Doecke J, Fowler C, Villemagne VL, Kato T, Rowe CC, Arahata Y, Iwamoto S, Ito K, Tanaka K, Yanagisawa K, Masters CL, Nakamura A. Plasma Amyloid-β Biomarker Associated with Cognitive Decline in Preclinical Alzheimer's Disease. J Alzheimers Dis. 2020;77(3):1057-1065. doi: 10.3233/JAD-200475.

7.Matsuda H, Ito K, Ishii K, Shimosegawa E, Okazawa H, Mishina M, Mizumura S, Ishii K, Okita K, Shigemoto Y, Kato T, Takenaka A, Kaida H, Hanaoka K, Matsunaga K, Hatazawa J, Ikawa M, Tsujikawa T, Morooka M, Ishibashi K, Kameyama M, Yamao T, Miwa K, Ogawa M, Sato N. Quantitative Evaluation of 18F-Flutemetamol PET in Patients With Cognitive Impairment and Suspected Alzheimer's Disease: A Multicenter Study. Front Neurol. 2021 Jan 13;11:578753. doi: 10.3389/fneur.2020.578753. eCollection 2020.

8.Bae S, Lee S, Harada K, Makino K, Chiba I, Katayama O, Shinkai Y, Park H, Shimada H. Engagement in Lifestyle Activities is Associated with Increased Alzheimer's Disease-Associated Cortical Thickness and Cognitive Performance in Older Adults. J Clin Med. 2020, 9(5): 1424, doi: 10.3390/jcm9051424.

9.Bae S, Harada K, Lee S, Harada K, Makino K, Chiba I, Park H, Shimada H. The Effect of a Multicomponent Dual-Task Exercise on Cortical Thickness in Older Adults with Cognitive Decline: A Randomized Controlled Trial. J Clin Med. 2020, 9(5): 1312, doi: 10.3390/jcm9051312.

10.Makino K, Lee S, Bae S, Shinkai Y, Chiba I, Shimada H. Relationship between instrumental activities of daily living performance and incidence of mild cognitive impairment among older adults: A 48-month follow-up study. Arch Gerontol Geriatr. 2020, 88: 104034, doi: 10.1016/j.archger.2020.104034.

11.Katayama O, Lee S, Bae S, Makino K, Shinkai Y, Chiba I, Harada K, Shimada H. Modifiable Risk Factor Possession Patterns of Dementia in Elderly with MCI: A 4-Year Repeated Measures Study. J Clin Med. 2020, 9(4): 1076, doi: 10.3390/jcm9041076.

12.Makino K, Lee S, Bae S, Shinkai Y, Chiba I, Shimada H. Predictive Validity of a New Instrumental Activities of Daily Living Scale for Detecting the Incidence of Functional Disability among Community-Dwelling Older Japanese Adults: A Prospective Cohort Study. Int J Environ Res Public Health. 2020, 17(7): 2291, doi: 10.3390/ijerph17072291.

13.Tsutsumimoto K, Doi T, Nakakubo S, Kim M, Kurita S, Ishii H, Shimada H. Cognitive Frailty as a Risk Factor for Incident Disability During Late Life: A 24-Month Follow-Up Longitudinal Study. J Nutr Health Aging. 2020, 24(5): 494-499, doi: 10.1007/s12603-020-1365-9.

14.Katayama O, Lee S, Makino K, Chiba I, Bae S, Shinkai Y, Harada K, Shimada H. The Association between Neighborhood Amenities and Cognitive Function: Role of Lifestyle Activities. J Clin Med. 2020, 9(7): 2109, doi: 10.3390/jcm9072109.

15.Makino K, Lee S, Bae S, Shinkai Y, Chiba I, Shimada H. Combined Effects of Pain Interference and Depressive Symptoms on Dementia Incidence: A 36-Month Follow-Up Study. J Alzheimers Dis. 2020, 76(2): 703-712, doi: 10.3233/JAD-191139.

16.Ishii H, Tsutsumimoto K, Doi T, Nakakubo S, Kim M, Kurita S, Shimada H. Effects of comorbid physical frailty and low muscle mass on incident disability in community-dwelling older adults: A 24-month follow-up longitudinal study. Maturitas. 2020, 139: 57-63, doi: 10.1016/j.maturitas.2020.04.018.

17.Kurita S, Doi T, Tsutsumimoto K, Nakakubo S, Kim M, Ishii H, Shimada H. Association of Physical Activity and Cognitive Activity With Disability: A 2-Year Prospective Cohort Study. Phys Ther. 2020, 100(8): 1289-1295, doi: 10.1093/ptj/pzaa052.

18.Shimada H, Doi T, Tsutsumimoto K, Lee S, Bae S, Arai H. Behavioral Factors Related to the Incidence of Frailty in Older Adults. J Clin Med. 2020, 9(10): 3074, doi: 10.3390/jcm9103074.

19.Tsutsumimoto K, Doi T, Nakakubo S, Kim M, Kurita S, Ishii H, Shimada H. Association between anorexia of ageing and sarcopenia among Japanese older adults. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2020, 11(5): 1250-1257, doi: 10.1002/jcsm.12571.

20.Suzuki T, Harada A, Shimada H, Hosoi T, Kawata Y, Inoue T, Saito H. Assessment of eldecalcitol and alendronate effect on postural balance control in aged women with osteoporosis. J Bone Miner Metab. 2020, 38(6): 859-867, doi: 10.1007/s00774-020-01118-w.

学会・シンポジウム等における口頭・ポスター

1.鳥羽研二,認知症施策推進大綱を老年医学の実践に生かす,第62回日本老年医学会学術集会,2020/8/5,国内.

国内 / 

2.鳥羽研二,疾患修飾薬開発の基盤構築築:TRC(Trial-ready cohort)と国際連携,第39回日本認知症学会,2020/11/28,国内.

国内 / 

3.鳥羽研二,新型コロナウイルス感染症と認知症予防,第8回認知症医療介護推進フォーラム,2022/2/7,国内.

国内 / 

4.飯島祥彦,研究倫理に関する教育講演,第52回日本動脈硬化学会総会・学術集会,2020

不明 / 口頭

5.鈴木 啓介, 佐治 直樹, 櫻井 孝, 伊藤 健吾, 鳥羽 研二, トライアルレディコホートに資するMCIレジストリの構築と運営, 第61回日本神経学会学術大会, 岡山, 2020/8/31

不明 / 

6.鈴木 啓介, ウィズコロナ時代に求められる医療機関と製薬企業との協働関係~医療従事者の立場から~, 第11回日本製薬医学会年次大会,東京,2020/10/30

不明 / 

7.辻本昌史,鈴木啓介,佐治直樹,櫻井 孝,伊藤健吾,鳥羽研二,MCI レジストリ(ORANGEMCI)の進捗状況の報告,第39回日本認知症学会学術集会, 2020/11/27, 国内, ポスター.

国内 / ポスター

8.認知症領域における治験推進を目指したオレンジレジストリの取り組み~MCIレジストリを中心に~,鈴木啓介,第41回日本臨床薬理学会学術総会,2020/12/3,国内, 口頭.

国内 / 口頭

9.創薬への活用を目指したMCIレジストリの取り組み~品質管理をどう考えるか~~医療従事者の立場から~,鈴木啓介,日本臨床試験学会第12回学術集会総会,2021/2/12,国内, 口頭.

国内 / 口頭

10.服部誠,横井克典,佐竹勇紀,佐藤茉紀,川島基,堀明洋,勝野雅央. Clinical features of at-risk subjects for Lewy body disease, 口頭, 第61回日本神経学会学術大会,2020/8/31-9/2, 国内.

国内 / 口頭

11.横井克典,服部誠,佐竹勇紀,平川晃弘,勝野雅央. 健康診断の結果を用いたParkinson病の発症前バイオマーカーの検索, ポスター, 第61回日本神経学会学術大会,2020/8/31-9/2, 国内.

国内 / ポスター

12.Hattori M, Yokoi K, Satake Yuki, Hiraga K, Tsuboi T, Sato M, Kawashima M, Hori A, Katsuno M. Clinical features of at-risk subjects of Lewy body disease, oral presentation, 15th International Conference on Alzheimer’s & Parkinson’s disease, 2021/3/9-3/14, 海外.

不明 / 口頭

13.鈴木啓介、佐治直樹、櫻井 孝、伊藤健吾、鳥羽研二.トライアルレディコホートに資するMCIレジストリの構築と運営.第61回日本神経学会学術大会、2020/8/31、国内、シンポジウム.

国内 / 

14.Nakamura A, Kato T, Okada Y, Ishii K, Ishii K, Ito K, Arahata Y, Kaneko N, Iwamoto S, Tanaka K, Ikeuchi T, Yanagisawa K, Iwatsubo T, Toba K, J-ADNI and ORANGE registry study groups. Performances of the plasma Aβ biomarker in longitudinal data. Alzheimer’s Association International Conference (AAIC 2020)-virtual event, July 28, 2020, 国外、口演.

国外 / 口頭

15.非アルツハイマー型認知症の神経画像の特徴 -病型診断困難例を中心とした画像提示-.櫻井圭太,二橋尚志,加藤隆司,岩田香織,木村泰之,武田章敬,中村昭範,伊藤健吾,第39回日本認知症学会学術集会,2020/12,オンデマンド,ポスター発表.

不明 / ポスター

16.認知症領域の神経心理検査評価者支援チェックリストの信頼性の検討.倉坪和泉,室谷健太,永田理紗子,伊藤健吾,鷲見幸彦,第39回日本認知症学会学術集会,2020/11/27,国内,ポスター発表.

国内 / ポスター

17.MCI レジストリ(ORANGEMCI)の進捗状況の報告.辻本昌史,鈴木啓介,佐治直樹,櫻井 孝,伊藤健吾,鳥羽研二,第39回日本認知症学会学術集会,2020/11/27/,国内,ポスター発表.

国内 / ポスター

18.アルツハイマー病研究における18F-flortaucipirタウPET画像の定量評価と視覚評価.井狩彌彦,赤松剛,松本圭一,清水敬二,井原涼子,伊藤健吾,石井賢二,森啓,岩坪威,嶋田裕之,千田道雄,第60回日本核医学会学術総会,2020/11/13,国内,ポスター発表.

国内 / ポスター

19.地域住民におけるAmyvidアミロイドPET陽性率と数値集積指標の検討.岩田香織,加藤隆司,牧野圭太郎,竹中章倫,木村泰之,東智史,李 相侖,島田裕之,伊藤健吾,第60回日本核医学会学術集会,2020/11/13,,国内,ポスター発表.

国内 / ポスター

20.原発性進行性失語の神経画像診断:FDG,THK-5351,PiB PETおよびMRIによる症例提示.二橋尚志,櫻井圭太,加藤隆司,岩田香織,池沼宏,木村泰之,武田章敬,中村昭範,伊藤健吾,Group ADSAT Study,第60回日本核医学会学術総会,2020/11/13,国内,ポスター発表.

国内 / ポスター

「国民との科学・技術対話社会」に対する取り組み

1.鳥羽研二,高齢者の多病と多様性1,2020年度 老健管理医師総合診療研修会,2020/12-2021/1,国内

国内

2.勝野雅央. ウィズコロナ時代の認知症予防と治療. 健康増進セミナー, 名古屋, 2020.10.25.

不明

3.勝野雅央. 認知症と向き合う: 治療と予防の最前線. 認知症タウンミーティング, 名古屋, 2019.9.8.

不明

4.運転寿命の延伸について~人生100年時代における運転との付き合い方~, 島田裕之, 新潟商工会議所 教育福祉医療部会セミナー, 新潟市, 2020/9/15, 国内.

国内

5.認知症予防について、脳賦活運動について, 島田裕之, 令和2年度第1回なごや介護予防・認知症予防プログラム事業所研修会, 名古屋市, 2020/9/16, 国内.

国内

6.いくつになっても安全に自動車運転を続けるための方法, 島田裕之, 令和2年度愛知県都市監査委員会尾張地区Aブロック都市監査事務研究会講演, 大府市, 2020/11/6, 国内.

国内

7.人生100年時代!健康寿命、社会活動寿命、資産寿命の延ばし方, 島田裕之, ジェロントロジー推進シンポジウム, 東京都, 2020/12/9, 国内.

国内

8.認知症における社会背景や最新の知見・コグニサイズの基礎的な内容, 島田裕之,令和2年度認知症予防運動指導者養成事業, Web開催, 2021/1/13日, 国内.

国内

9.認知症予防について、脳賦活運動について, 島田裕之.なごや介護予防・認知症予防プログラム研修会, 名古屋市, 2021/1/20, 国内.

国内

10.運動習慣と認知症リスクの低減, 島田裕之, 第24回認知症を語る会, Web開催, 2021/2/20, 国内.

国内

11.「健康寿命延伸のためのサルコペニア・フレイル対策」、金憲経、2019年度更新必修講座、NPO法人日本健康運動指導士会、東京、2020.7.13

不明

12.「尿失禁予防」、金憲経、尿失禁予防教室、文京区保健衛生部健康推進課、2020.7.17

不明

13.「コロナに負けない!新しい生活様式のフレイル予防」、金憲経、かまくらシニア健康大学、鎌倉市健康福祉部高齢者いきいき課、2020.8.28

不明

14.「介護予防講座」、金憲経、ふじみ野市福祉部高齢福祉課、2020.9.10

不明

15.「フレイル予防対策はこれだ!」、金憲経、令和2年度東労連健康づくり大学校、公益社団法人東京都老人クラブ連合会、2020.9.18

不明

16.「ふじみんぴんしゃん体操の介護予防効果と地域で実践するコツ」、金憲経、介護予防サポーター養成講座、ふじみ野市福祉部高齢福祉課、2020.10.8

不明

17.「フレイル・サルコペニア予防法」、金憲経、短期スキルアップ講習、公益財団法人介護労働安定センター栃木支所、Web、2020.11.6

不明

18.「健康寿命延伸のためのサルコペニア・フレイル対策」、金憲経、2020年度更新必修講座、NPO法人日本健康運動指導士会、2020.11.8、秋田.

不明

19.「健康寿命延伸のためのサルコペニア・フレイル対策」、金憲経、2020年度更新必修講座、公益財団法人健康・体力づくり事業財団、2021.1.24、東京.

不明

20.「健康寿命延伸のためのサルコペニア・フレイル対策」、金憲経、2020年度更新必修講座、NPO法人日本健康運動指導士会、2021.2.7、東京.

不明



更新日:2022-05-11

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